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人気の秘訣はパッケージにあり!?ニューヨーク発、ミレニアル世代支持のクラフトグルメの秘訣

アメリカで大人気のクラフトグルメ!

 近年、アメリカでは、クラフトビールやチョコレートなど、特定の食のジャンルに特化した個性的なブランドの構築とそのブランドならではのこだわりの味を追求する小規模なクラフトフードビジネスが盛り上がりを見せています。そんな中、アメリカでは、発酵食品のピクルス、いわゆる日本でいうところの漬物の人気も高まってきています。日本でピクルスと言うと、ハンバーガーに入っている濃い目の味のものを想像するかもしれませんが、ニューヨークの元祖ピクルスは、日本のキュウリの浅漬けにとても近い味付けです。
ピクルスは、東欧からアメリカへやって来たユダヤ系の人々により広められたもので、ユダヤ系移民の多かったニューヨークの食文化の一つとなっています。そんな背景もあり、ニューヨークでは、毎年、たくさんのピクルス屋さんが集まるピクルスをテーマとしたストリートフェスティバルが開催されています。ミレニアル世代を中心にたくさんのお客さんが集まる大盛況のイベントで、人気店の前には大行列ができ、味や調理法、パッケージやデザインなど一工夫こらされたおしゃれなクラフトフードとしてピクルスを楽しむ姿が見られます。

魅力的なピクルスのパッケージ!

写真:色々なクラフトピクルスブランドの商品が並ぶ棚

  スーパーマーケットには、目を引く色とりどりの様々なピクルスの商品の瓶が並ぶピクルスコーナーが必ずあります。それぞれブランドは違いますが、パッケージにはいくつか共通点があります。
一つ目は、見た目がオシャレな透明のガラス瓶で、中身がすぐに分かり、しかも彩りや見え方などに工夫がされていて魅力的に見えるようにパッケージされています。
二つ目は、ブランドの顔となる一目で覚えてもらえるような親しみやすいロゴがあり、ブランドの各種商品が統一感のあるパッケージで提供されています。
三つ目は、例えば、ウィスキーサワー、メイプルバーボンなど、どんな味なんだろう、と好奇心をそそるような、そのブランドならではの個性的なフレイバーが表現されています。

写真:ガラス瓶パッケージのBrooklyn Brine の一番人気 Whiskey Pickle。スパイシー系 Spicy Maple Burbon。

 

白ワインのようなクールなパッケージも!

写真:まるで白ワインのような見た目のクールなボトルパッケージを採用した商品。

  こちらは、ニューヨークのピクルス祭りで見かけた商品。何だかわかりますか?
ワインのように見えますが、こちらの商品、実は、ピクルスの素、つまりピクルスの漬汁なのです。この漬汁を用いて、自宅でピクルスを作ることができます。このクラフトピクルス屋さんは、面白いことに、飲用としてもおすすめしていて、お酒をこれで割って飲んだりすることもできるそうです。自宅で作る漬物用の漬汁のパッケージなんて別に地味でも構わないじゃない、と思うかもしれませんが、アイディアと味、デザインで勝負するお洒落なクラフトフードの世界ではそうはいかないんですね。あまり知られていない新しいモノを提供する時、同様の商品がたくさん並ぶ中で立ち止まってもらうためには、人々のアテンションを引くことが何よりも大切になります。たくさん並ぶお店の中から、これはなんだろう?!と思わず興味を惹かれたのがこちらの商品で、この美しいビジュアルのパッケージに漬物の漬汁という意外な組み合わせは、ちょっと面白い気の利いたギフトにいいかも、と思えてきます。

ブルックリンのクラフトピクルス屋さん

 ニューヨークの人気のピクルスのお祭り、ピクルスデーにも参加していたブルックリン発のピクルス屋さん、ブルックリン・ブリンを例に、ニューヨークの最近のクラフトピクルスブランドについて紹介します。
ブルックリンは、歴史的にモノづくりが盛んだったエリアで、今でもモノづくりの街と言う雰囲気が残されており、食品やファッション、各種デザイングッズなど小規模で高品質なモノづくりを追求するブランドに人気のロケーションとなっています。

写真:手前がリテール兼カフェスペースで、奥が工場。店内からガラス越しにピクルスの製造過程を見ることができます。

こちらの店舗は、ピクルスを製造する工場としての役割がメインですが、店頭はお客さんが気軽に訪れることができるお洒落なカフェスタイルになっており、商品が直売されている他、新しい味のピクルスなど、個性的なベジタリアンメニューの軽食を取ることができるようになっています。

写真:オシャレなカフェスタイルのピクルス屋さん。

クラフトビールのブリュワリーでは、何種類かのビールを少量ずつサンプルで楽しめるフライトがありますが、こちらのお店では、それと同様に各種野菜のピクルスのフライトをいただくことができます。工場のカフェで提供されるフライトは新鮮そのもの。野菜のフレッシュさがみなぎっていて、それぞれのピクルスは決して同じ味ではなく、それぞれの素材にあった味付けがされています。日本でもおなじみの素材、大根、カブ、白菜などのピクルスもあり、変わり所では、ピンクに染まったカリフラワーも印象的でした。

写真:フレッシュピクルスの盛り合わせ。

またとてもアメリカらしい一品だと思うのは、こちらのフライ。なんとピクルスのフライなんです。きゅうりのピクルスもサクサクの衣をつけて揚げると別物になります。熱々をソースにつけていただきます。

写真:折り紙の箱を連想させるシンプルなブラウンのボックスに入ったクラフトピクルスのフライ。

様々な野菜のピクルス、そして揚げ物に合うソースをはじめ、ピクルスから派生して色々と実験的に新しい商品開発をしている様子が伺えます。

写真:ソースのテイスティングもできます。

 

日本の漬物、クラフトグルメへ

 ピクルスも含め、アメリカでは、味へのこだわりはもちろん、様々な新しいアイデアや工夫が見られるクラフトグルメブランドが増えており、見ていて楽しい存在となっています。そしてそんなクラフトグルメブランドのこだわりの味や個性的な活動を評価するファンが、ミレニアル世代を中心に増えてきています。
アメリカでは、漬物系では、ピクルスの他、キムチもよく知られていますが、日本の漬物は残念ながらまだあまり知られていません。日本の漬物は、色とりどり、バラエティに富んでいて十分魅力があると思いますが、さらに漬物をオシャレなクラフトグルメの一つとして意識的にパッケージや販売方法、プロモーションを工夫してみるとアメリカなど新しい市場や層にアピールできるのではないかと思います。また、そんな一工夫を加えることにより日本を訪れる海外からの旅行者にもより魅力的に映り、日本の漬物が海を越え世界に広がっていくようになるかもしれませんね。

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