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環境意識の高いドイツの、エコへの取り組み

センスアップするエコバッグと利用メリット

ドイツについてよく知らない方も、環境への意識が高い国という漠然としたイメージはお持ちかもしれません。実際に暮らしてみて、それは間違いではないと思います。

例えば、日本でもすっかりおなじみの布製エコバッグ。ドイツのスーパーでは、以前からレジ袋は有料なため、エコバッグ持参での買い物が定着しています。最近では、センスのよい小売店がオリジナル布製エコバッグを販売しており、実用一辺倒ではなく、おしゃれ感があるものが増えています。

写真:エコバッグはショップだけでなく、自治体や各イベントで作られることもあります。

 

スーパーではこれまでの布製エコバッグに加えて、マチ付きの大型エコバッグも登場しはじめました。ディスカウント系スーパーのペニーでは、2本分のペットボトルからできた数量限定の大型エコバッグを販売しています。このバッグ持参で買い物をしたお客は、買い物時に10セント(約13円)の割引を受けられ、スーパー側は10セントを慈善事業団体に寄付するシステムです。

ペニーではパンフレットを作成をして、こうした取り組みをアピール。企業の姿勢をチェックし、自分がその企業を支持するかどうかを決める人も多いドイツでは、環境への配慮は重要な判断ポイントとなります。

写真:スーパーマーケット「ペニー」で配布されているエコバッグ推進パンフレット。

 

エコな新素材トレイを採用

食品パッケージ分野でも、環境がキーワードとなっています。もともとドイツでは、卵や果物には紙製容器が多用されています。これらは古紙として処分できます(ゴミの仕分けや処分は、自治体によって異なります)。

最近はエコ素材のパッケージも増えています。昨年からレーヴェとペニーそれぞれのスーパーで導入されているのが、乾燥させた草40%に木材60%を混ぜた新素材によるトレイです。両スーパーで、オーガニックのリンゴに用いられています。

写真:手前は従来の紙トレイ、奥がエコな新素材トレイ。

 

素材に使われている草は生長が早く、持続可能性があり、環境への負荷が低いといえます。素材からトレイに加工する際に消費する水とエネルギーが少なく、従来の紙と比べて生産時の温室効果ガスが少ないとされています。試算によると、これまでのトレイに比べ新素材トレイ100万個につき0.5tの温室効果ガスを減らし、エネルギーも10%節減できる見込みだと報道されています。

試しに、スーパーでこのトレイに載ったリンゴを購入してみました。小ぶりなリンゴがトレイの上に5個載っていますが、強度は十分。感触は段ボールと似ています。使用後は古紙として処分し、リサイクルできます。トレイの底面には新素材についての説明が印刷されています。

 

写真:新素材トレイの底面に書かれている説明文。

写真:段ボールのような感触です。

 

また、農作物で廃棄される部分(茎や葉など)を素材にしたパッケージに取り組むスタートアップも生まれており、こうした動きは今後ますます増えていくと思われます。

 

各地で広がるテイクアウト用リユースカップのシステム

 

ドイツの朝に欠かせないものといえばコーヒー。出勤タイムのカフェは、テイクアウト用コーヒーを購入する人であふれています。もちろんテイクアウト用のカップは、1度きりで捨てられるもの。環境によくないということで、これまでたびたび話題に上っていましたが、衛生上の問題から繰り返し使えるテイクアウト用カップの導入は進みませんでした。

しかし近年登場しているのが、この問題をクリアしたテイクアウト用リユースカップシステムです。ドイツの数都市でそれぞれ導入されており、ベルリンでも始まっています。

写真:テイクアウト用リユースカップ「リカップ」。

「リカップ」の底面にはポリプロピレン製であることを示すPP表示が記されています。

 

細かい点は都市によって異なるかもしれませんが、ベルリンの場合はリユースカップを配給するリカップという会社、参加カフェ、お客の三者から成り立っています。参加カフェはリユースカップを店に置き、希望するお客はこのカップに1ユーロ(約133円)の保証金を払い、そこにコーヒーを注いでもらいます。使用済みカップは参加カフェならどこでも返却でき、その際に保証金も戻ってきます。参加カフェはお客から戻されたカップを自店で洗い、カップは再利用されるという流れです。このリユースカップは環境への負荷が少なく、リサイクルも可能なポリプロピレン製で、500回まで繰り返し使えるそうです。

環境と利便性は相反することもありますが、技術革新と人々の行動で、できる限り環境に配慮していこうとするドイツ人の意思を感じます。

 

 

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