世界の街角を旅する感覚で、商品開発やマーケティングの”虎の巻”的パッケージ&プロモーションネタが収集できるサイトです。

ニューヨークで急増するミールデリバリーサービスで実現したいこと。

TV dinnerからプリペアード(調理済み)ミールデリバリーサービスへ

第二次世界大戦後のアメリカのトレンドは、タイムセービング(キッチン電化製品の発明による労働時間短縮)とテレビジョン・ウォッチング。ここに目をつけた食品メーカーが「テレビを見ながら食べられる、お手軽ディナー」というコンセプトに、メインディッシュと付け合わせがすべてトレイにセットされた冷凍食品「TVディナー」を発売し、広く普及しました。その後、時代が進み健康志向の影響でローカロリーで野菜も摂取できるような健康に配慮した商品も多く発売されるようになりました。そして今、添加物や社会・環境に配慮した商品の需要の高まりやオンラインの普及で成長を遂げているのがサブスクリプション型(定期購入)のプリペアード(調理済み)ミールのデリバリーサービスです。

成長するサブスクリプション型ミールデリバリーサービス市場

すでに材料がカットされレシピに沿って調理をすれば料理が出来上がる、ミール・キット、すでに調理された食事がパックされたプリペアードミールを定期購入者にデリバリーするサービスを提供する企業の数はここ数年で急増しています。このサービスを利用している多くがミレニアル世代(1981年から2000年に生まれた世代)と言われています。「画一の特徴を持たないことが特徴である」と言われる彼らを引き付けるため、各社が料金体系やサービスや価格、そしてWebデザインから梱包されて届くパッケージのデザインの細部にまでこだわり差別化を図っています。

そこで今回は「どんなライフスタイルを実現したいと考えている人向けなのか」、ターゲットを明確にし、ターゲットの好むコンセプトにマッチするデザインを持ったブランドを紹介したいと思います。

「クリーン、オーガニック、レディートゥイート(美しくなれる、環境に優しい、調理不要)」

忙しく働いていても美しく健康的な生活を送りたい女性に人気の「sakara life」。自らもビーガンである会社の創設者がニューヨークエリアのみのデリバリーとして始め、現在ではその人気からアメリカ全土にビジネスを拡大させています。

オーダー方法はホームページから、3日または5日分の朝、昼、晩全て、一日二食、一食分のみからオーダーの種類を選択できます。農家から仕入れる食材によってメニューが決まるため翌週のメニューが前の週になると表示され、コースを決めると日曜日の夕方(時間は選択可能)ミールセット、頼んだ日数分のデドックスティー、ハーバルエッセンス(飲用)、どんな生活をするといいかの提案書の入ったボックスが宅配便で届きます。

写真:おしゃれで洗練されているパッケージ。ターゲットとしている女性に人気がありそうなデザインです。

写真:スーパーフードを中心した素材で完全ビーガン対応のメニュー、かつ全てオーガニックで植物由来の原料のみを使用しています。

写真:シンプル、混じり気のなさを表現するため、パッケージデザインは白と黒を基調とし、オーガニックのイメージを表現するため、食事のサブとしてついてくる美容サポート商品にはボタニカルをイメージした植物のデザインが施されています。

写真:デリバリーされてくる梱包容器へのこだわりや外出先に持っていくことも想定しコンセプトのモノトーンカラーを使ったクーラーバック(こちらも土に還る素材)を使用しています。保冷剤と容器が全て再生可能であることやこれらを使う消費者を褒める内容が書かれています。

 

食事に関して様々な「考える」手間を省いてくれるミールセット

次にご紹介するのは、「考える必要がない」という要素を重視しているユーザーをターゲットにした、「freshly」。「美味しい、ヘルシー、サステイナブル」というだけではなく、「食事をすることに関連する準備全てを最小限にする」という特徴を打ち出し差別化を図っています。具体的には、

①どのミールセットを選んでも同じ「13オンス=適量」サイズで500kaclあること
→常に適量を守ることができる、 カロリー計算の必要がない、すべて同じサイズの容器が決まった日、時間に届くため冷蔵庫にぴったり入るのかの心配をする必要がない。

②レシピによって時間や準備するものが変わることがない
→どのメニューも3分、電子レンジで温めるだけでできるミールセットのため、いちいち説明書きを読む手間がない

写真:パッケージデザインもベージュと緑、白のみを使用しており、エコロジカルな商品イメージを反映したパッケージデザインになっています。

健康的な食生活をしたいが、選んだり調理したりする時間さえも省きたいという願望がある、都市生活者のヘルシー・ライフを応援している注目のブランドです。

写真:デリバリーサービスでよくある、配達時の横揺れにも独自のクッション材を入れ対応していることが説明されています。

さて今回、様々なミールデリバリー商品をいろいろ見ていて感じたことがあります。それは、商品の消費を通じて「実現したい自分に近づける」と思わせることが重要だということ。健康的で社会的な活動をしようという全世界的な流れがある一方、「私らしさを表現すること」を求める現代、まだまだいろんな企業が様々なコンセプト・デザインの商品サービスが増えて行くのではと感じています。

 

このライターの記事

Top