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ディスプレイで輝く、目立つ、デザイン賞 ワインパッケージ

アメリカ文化の代表「ホームパーティー」

パーティー文化が根付くアメリカでは、週末になるとあちこちでホームパーティーが開かれます。家主が友達や仕事関係の人を招いて食事やドリンクをシェアしながら語り合うパーティーは、仕事仲間やその家族、友達の友達などどんな役職の人も無礼講となり、親密な人間関係の構築とビジネスチャンスにつながる素晴らしい大人のオフ会です。そこにはワインの消費大国、アメリカならではのライフスタイルとワインボトルの進化が見えてきます。

写真:ボトルでディスプレイ!高級からカジュアルまで

写真:木箱のパッケージで高級感を演出

テーブルに花を咲かすゴージャスなワインボトル

ホームパーティに呼ばれるゲストの鉄則は、おいしいワインを持参すること。ワインはその人自身の印象と評価にもつながる重要なアイテムになりますから、ワイン選びは慎重に行います。好印象をもたらす候補には、アッと驚くような美味しいワイン、有名銘柄、目を惹く美しいボトルなどがあげられます。ゲストが現れ、ホストに挨拶を交わしテーブルにワインを置いた瞬間、一気にゲストの目線がそこに集まります。どんなワインなのかその人の生活習慣も浮き彫りになり、ワインに詳しければたちまち知識層としてみなされます。上流階級の人とコミュニケーションがスムーズになり、その場でシェイクハンズ(商談成立)が行われることも珍しくないのです。

写真:オリジナルのシャンパングラスでテーブルに華を添える

世界のワイン消費量

ところでみなさん、ワインは世界でどのくらい消費されているかご存知でしょうか?[Wine Institute]2016年の統計によれば、世界一の消費大国はアメリカで約31億ヘクトリッター。次いでフランス、イタリアと続きます。販売数は、カリフォルニアワインが年間238億ケース34.1兆ドル(約3兆7000億円)に相当する額で、全米販売総額の半分以上を占めます。そんな兆単位の価値を齎すワイン市場ですから当然業界の競争も激しく、各ワインメーカー、企業がこぞってユニークなラベル、美しいボトルのデザインに闘志を燃やしているのです。

パーティーウケするボトル

写真:テーブルを鮮やか彩るバラのボトルーーCote des Rosesーー(フランス)

 

パーティーウケするボトルのひとつに、ワイナリーのロゴである薔薇をボトルの底に彫刻した「Cote des Roses」があります。逆さにすると薔薇の彫刻がガラスアートのように美しく映える斬新なデザインでワイン業界をアッと驚かせました。実はこのボトル、南フランスで開催された「地中海アートビブレ」イベントで、地元アート学生によるデザインを採用したもの。今まで誰も注目しなかったボトル底の彫刻アートは、暗い場所で透明のアイスボールに氷を入れ、下からライトを照らせば、クリスタルな薔薇が浮き上がります。赤や白、ロゼの甘い色の薔薇が美しいディスプレイとなり、パーティーを演出します。

また、このシンプルで透き通った繊細なボトルはコルク部分にもこだわりがあります。従来のヘビーで頑丈なコルクからライトで開けやすいシリコン製に。今までボトルをオープンするのが苦手だった女性やオープナーがない場所でも気軽にワインを飲める環境も提案しました。

写真:デザイン性を損なわないこだわりのコルク部分

 カリフォルニアワイン

世界に誇るカリフォルニアワイン生産地の代表格であるナパ、ソノマ地方には約1500軒ものワイナリーが点在すると言われ、今や世界から観光客が押しよせる超人気の観光地です。まるでおとぎの国に迷い込んだような美しいシャトーやガーデンと葡萄畑のコントラストはフォトジェニック(絵になる景色)で訪れる人を魅了します。情緒あふれるフレンチ、イタリアン、カリフォルニアモダンなワイナリーの建造物はメーカーの象徴として、多くがラベルやロゴになっています。

写真:ナパで大人気のワイナリー、オーパスワンとブドウ畑

写真:昔はナパワインは家で酒造していた「古き良き時代」をラベルにデザイン

ボトルラベルのキャラクターが踊り出す  Coppola Family winery(カリフォルニア州、ソノマ)

オスカー監督で知られるフランシスコッポラが1970年代から所有する「イングルノック」は、風情ある歴史的面持ちのシャトーと熟成させた高級ワインコレクションで知られています。一方、同氏が2006年に購入、改装したシャトー、「コッポラ ワイナリー」は、巨大なプールとレストラン、カフェ、バーを設置したエンターテイメント要素たっぷりの施設です。ワインの種類もポップで遊び心があるシリーズを次々と創出し、中でも話題になっているのが、映画監督所有のワイナリーならではのアイディアが光る「Director's Cut 」シリーズです。アメリカのクラッシックアニメキャラクターをコマにし、フィルムのように繋げてボトルに巻きつけたもので、ボトルを回すとキャラクターが踊るように見える独創的なデザインです。

写真:ボトルを回すとキャラクターが動き出すデザイン性の高いラベル

 

蜂の絶滅を阻止する社会思想が込められたボトル

このワインシリーズは、哲学と思想が込められた社会運動型商品です。蜂の絶滅の危機に心を痛めるプロヂューサーがそれを阻止するため基金を立ち上げ、共感する消費者と社会運動へつなげているのです。 ラベルには、「小さな花粉媒介者を保護するために戦う組織に利益の10%を返す素晴らしいワイン」と書いてあります。デザインは、昔日常的に共存していた蜂と人間の関係をノスタルジックな白黒写真を使い、食品が工業化される前の「古き良き時代」を表現しています。 コルクにも蜂の刻印が施され、デザイン性を超えたメッセージを感じとることがます。

写真:社会運動型を訴求するパッケージラベルでワインをデザイン

全米初、ボトルラッピングで特別なギフトイメージ

Coppola sofiaシリーズ

 

パーティーの際に持ち寄るワインの中で最もウケるのはスパークリングワインです。“泡ワイン”は一般に「祝杯」に用いることが多く、ホームパーティーでもまず“泡”で乾杯して飲み始めます。会場ではワクワク感が高まったところで、コルクが開き、パーティームードは一気に盛り上がります。コッポラの娘の名前である「ソフィア」シリーズは、ロゼや白ワインの透明感を上手く活かしフォントはラベルの形がキュートで女子の心を掴むボトル。今までアメリカ社会であまり見られなかったキラキラのボトルラッピングがパーティで存在感を際立たせます。

写真:女子の心を掴むラベルとキラキラのボトルラッピング

 

女子ウケする、ギフトに最適なデザインボトル Domain Chandon(カリフォルニア州、ナパバレー)

 

スパークリングワインで有名な「ドメインシャンドン」ワイナリーで今、大ヒットしている商品があります。観光客が多いナパで、「なぜ今までこんなボトルがなかったのだろう」と首をかしげるくらい、このワイナリーに訪れたほとんどの人が買っていきます。スパークリングワインといえば、「特別感」があり、お土産にするには重すぎるというハードルがありました。しかし同メーカーが187mLのミニボトルを登場させたことで、国内外の旅行者の購買力に火をつけたのです。このボトルは、重さを軽減するだけでなく、魅力的なデザインと“飲みきり”サイズでお土産にぴったりと絶賛されています。また、アーティストとコラボした大小のシーズン限定ボトルも大人気の内に完売しました。このように魅力的なサイズとデザインは消費者のTPOをひろげ“ギフトスピリット”を掻き立ているようです。

写真:187mlのミニボトルのスパークリングワイン

写真:アーティストとコラボした期間限定パッケージ

写真;オリジナルのシャンパングラス

ワイナリーに来ていつも感じるのは、美味しかったワインのボトルイメージが記憶に残る現象です。そこには世界に影響を与えるワイン市場ならではの個性的でクリエイティブなデザインがボトルを進化させています。

写真:ワイナリー敷地内に安らぎの森がある「ドメインシャンドン」

 

 

※本記事は2017年9月25日にご寄稿頂いております記事となります。

 

追記(執筆者)

この度、ナパバレー、ソノマバレーの山火事で被害あわれた皆様に心よりお見舞い申し上げます。
これからの復興に向けて微力ではありますが、少しでも力になれるよう努力していきたいとおもいます。
この災害を乗り越えて、1日も早く皆様の通常の生活と美しいワインカントリーが蘇りますようお祈り致します。

参考文献

http://www.wineinstitute.org/files/World_Wine_Consumption_by_Country_2015.pdf

 

http://www.decanter.com/wine-news/top-wine-consuming-countries-2015-oiv-300080/

 

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