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クールなアイスコーヒーボトルのマーケット商戦

4thウェーブコーヒー発進!

サンフランシスコ発祥の「3rdウェーブコーヒー」は、世界にイノベーション齎せました。そして今、サンフランシスコでは新たな潮流が生まれています。ハイテクをとりいれたバリスタや未来型デリバリー、ハイエンドインスタント、ダイエットなどコーヒーが多様化され、第3から第4へと進化しているのです。そんな中、突出しているのが、「コールドブリュー」、「ナイトロ」コーヒーです。

「コールドブリュー」、「ナイトロ」コーヒー

「コールドブリュー」はいわゆる“アイスコーヒー”なのですが、従来の熱いお湯で淹れたコーヒーを氷で薄めるタイプではなく、ゆっくり時間をかけて水出し(コールドブリュー)したアイスコーヒーです。「ナイトロ」は、それに窒素を加えたもので、樽(ケグ)につないで窒素を加えることで泡立ちがよくなり味もマイルドになります。タップを通す「コーヒー・オンタップ」方式により、紙コップやマグでなく、グラスに注がれるので見た目もおしゃれで黒ビールにも似てます。 いままでミルクの匂いが立ち込める珈琲店とおしゃれなバーは全く区別されていましたが、タップを設置する事で、コーヒー店にバーの雰囲気が演出されるようになりました。

写真:パッケージもオシャレ、注いでもCOOL

写真:オシャレな店内

ボトルデザインも進化

そしてこのコールドブリューコーヒーのブームで、パッケージ業界に異変が起こっています。コーヒーボトルがリテール市場への進出を果たしたことで、いままで熱いコーヒーでは成し得なかったスーパーやストアで売るための個性的なボトルデザインがドリンク棚を広範囲で陣どり、第4ウェーブコーヒー商戦が加熱しています。アメリカ人は、「コールドブリュー」が出回る前、冷たいドリンクといえば、ソーダかアイスティーを飲んでいました。「アイスコーヒー」は、スターバックスなどでメニューにはありましたが、熱いコーヒーに氷を加えただけの味気がないコーヒー、またはクリームとチョコレートシロップと氷でブレンドした甘い「フラペチーノ」などで、”本物”思考のコーヒー愛飲者には不人気でした。しかしこの薫りの良い“コールドブリューコーヒー”はそれらの人々を満足させるだけではなく、新世代のコーヒーカルチャーを展開させています。

元々、コールドブリューコーヒーをサンフランシスコで販売開始したのは3rdウェーブの先駆者で「ブルーボトルコーヒー」の創立者、ジェームス・フリーマン氏です。彼は2003年から、コールドブリューコーヒー(アイスコーヒー)をSFのファーマーズマーケットで販売していましたが、知る人ぞ知る存在でブームには至りませんでした。しかし2014年、パックのコールドブリューコーヒー「ニューオーリンズ・アイスコーヒー」を発売して、カフェに行かなくてもクオリティー高いアイスコーヒーがストアで身近に買える事から一気に波が押し寄せました。

写真:「ニューオーリンズ・アイスコーヒー」 エコなライフスタイルとグルメな生活を送る若年層がターゲット、オーガニックミルクときび砂糖を使用したミルクコーヒー

 

日本とアメリカのコーヒー市場の違い

日本で市販コーヒーはほとんどが缶で、ホット、アイス共に自販機かコンビニからの売り上げが大半を占めていますが、自販機やヒーター機器の導入がない米国では缶(ボトル)コーヒーはアイスのみ大手スーパーマーケットやスペシャリティーストア、カフェやデリでの販売が一般です。発売当時、ジュースコーナーにポツンとあったブルーボトルのアイスコーヒーパックは目立っていたのですが、いまでは各メーカーの商品が増幅し、ドリンク棚の“一等地”を狙いひしめき合っています。そのため売り上げの命運を左右するパッケージ業界では、メーカーの思想やターゲットの消費者にリーチするクールなボトル作りにしのぎを削っています。

コールドブリュートレンドをリードする3メーカーの例に挙げると、ポートランド発祥の「ストンプタウン」は、ビールボトルに似せた男性よりのクールなイメージイメージで都会の若年層を狙ったタイプです。タップコーヒーの着手も早くから進めていることで、ミニマル&クールが主体です。

写真:ストンプタウンのコールドブリューコーヒー(ブラック、 ココナッツミルク) ポートランド発祥、ライフスタイルを取り入れたコーヒーブランドでポップなイメージ

サンフランシスコ発祥、ブルーボトルコーヒーは、シンプル+オーガニックのイメージです。紙パックも缶コーヒーもサステイナブル(持続可能)で、エコでグルメな若年層から中年層を意識しているデザインです。そして、第2ウェーブの象徴であるバークレー発祥のピーツコーヒーは前者と違い大衆ウケを狙っています。丸みがある軽いプラスティック製カップ容器はオリジナルのコーヒーカラーとメーカーロゴが目立つイージーなデザインで、往年のピーツファンから一般まで広い世代が選びやすいボトルです。

写真: ピーツコーヒー 大衆受けするボトルでブランド力に加え、年齢やライフスタイルを差別しないボトル&パッケージデザイン

その他の各メーカーの取組

写真:ジテリー コールドブリューコーヒー 大きいサイズ(カップで5、6杯とれる)の瓶ボトル。フォントにこだわったパッケージデザインが女性にもウケる、小さい飲みきりサイズはプラスチック製カップを採用

写真:ミルトのコールドブリューコーヒー コーヒーの旨味を濃く抽出法を強調したブラックでコーヒー好きにアピールするクールなボトルデザイン

写真:ピクニック バターコーヒー シリコンバレー式ダイエットでブレークした、コーヒーにオーガニックバターを加えたダイエットコーヒー、健康志向者がターゲット

写真:リトル グリーンサイクロ  シャットアイズワイド 甘いベトナミーズコーヒーと香港ミルクティーを合わせたアジアンアイスコーヒー(ボバティー)。まるでウィスキーの缶ボトルのような形状デザインでオシャレなパッケージ

更なる進化へ

ボトルコーヒーの平均価格は$4(450円)で、決して手頃な値段とは言えませんが、この価値観は記載されている中身によって消費者を納得させているようです。さらにコールドブリューは、フルーツやハーブで味をつけた「インフフューズ」コーヒーへと幅を広げています。

写真:「インフフューズ」コーヒー

アメリカは世界有数のコーヒー消費国で、マルタイビリオン(何十兆円)単位のビジネスと世界のトレンドを牽引するアイスコーヒー市場はとてもエキサイティングです。

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