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ポートランド発、塩と蜂蜜の専門店「ジェイコブセンソルト」はどのようにファンの心を掴んだのか

「パケトラ」読者のみなさま、こんにちは。ポートランド在住の東リカです。今回は、ポートランドの ハンドメイド・シーソルト専門店 「ジェイコブセンソルト(Jacobsen Salt Co.)」 のテイスティングルームを訪問しました。

「最高の塩」を昔ながらの製法で作る

Photo:ジェイコブセンソルトのテイスティングルーム

「ジェイコブセンソルト」は、「塩」というどちらかというと地味なアイテムを扱いながらも、日本のメディアでも取り上げられるほどの人気ブランドです。ブランドを興したベン・ジェイコブセンさんは、アメリカ産の最高の塩を作りたいという信念の元、約3年をかけてその原料となる海水を求め、今も昔ながらの平釜製法で海水から塩を手作りしています。

また、フレイバーソルトの開発にも余念はなく、スパイスやハーブなどの風味も最大限、時間をかけて丁寧に引き出し、利用しています。

「味わえば分かる」という自信が伝わるテイスティングルーム

Photo:自社の工場や倉庫と隣り合うテイスティングルーム

「ジェイコブセンソルト」のテイスティングルームがあるのは、海水を使って塩作りを行うネターツ湾岸の街とポートランドの2ヶ所です。今回は、ポートランド店を訪れました。

Photo:フレイバーソルトの試食コーナー

テイスティングルームに入るとまず目につくのが、カウンターの2辺にずらりと並んだ試食用の塩。数えてみるとなんと27種類もありました!試食として並ぶ塩は、それぞれ色や粒子の形も違い、色々と試してみたくなります。

例えば、一番人気だという「ブラックガーリック・ソルト(Infused Black Garlic Salt)」は黒く、キャラメライズされたガーリックの甘さや香ばしさを強く感じます。似たような色でも、地元のコーヒーロースター「ストンプタウン」とのコラボレーションで生まれた「ストンプタウン・ヘア・ベンダー・ソルト(Infused Stumptown Hair Bender Salt)」は、香り高いコーヒーのフレイバーです。

他にも、赤い「ピノノワール・ソルト(Infused Pinot Noir Salt)」、ピンクの「ゴーストチリ・ソルト(Infused Ghost Chili Salt)」、真っ黒なハワイ産の「ブラック・ラバ・ソルト(Sourced Black Lava Sea Salt)」など、名前と照らし合わせて「どんな味がするんだろう?」と好奇心から手が伸びます。そして、試食すればするほどその風味の多様さに驚かされます。

Photo:ピュアソルトの試食コーナー

また、フレイバーソルトとは別に、何も混ざっていない「イタリアン・シーソルト」「コーシャー・シーソルト」「フレーク・フィニッシング・ソルト」の3種類も試食できます。

Photo:手で収穫した大きな粒のフレークソルト

フレイバーソルトのベースにもなっているジェイコブセンソルトブランドのシグニチャーアイテム「フレーク・フィニッシング・ソルト」は、4oz(113g)で$12.50とかなり高級なのですが、大きな粒の美しさと滋味豊かな味わいを知ると、ついつい欲しくなってしまいます。

傘下入りした「ビーローカル」

Photo:塩同様、蜂蜜の試食も

また、テイスティングルームには、塩同様、蜂蜜の試食も並んでいます。これは、2015年より傘下入りした「ビーローカル(Bee Local)」という地元の非加熱、非精製、無濾過のはちみつです。蜂蜜だけで9種類もあるのですが、こちらも食べ比べてみると、収穫された場所の花々によって味わいはこんなにも違うのか!と驚かされます。

塩キャラメルの商品も

Photo:キャラメルの試食コーナー

さらに「ジェイコブセンソルト」には、塩、蜂蜜に加えもう1つ、手軽にピュアシーソルトの味を楽しめる塩キャラメルがあります。塩キャラメルには4つのフレイバーがラインナップしていますが、そのうちの1つ「ソルティ・ハニー・ナッツ・チュウ(Salty Honey Chew)」は、ジェイコブセンソルトの塩に加えて、ビーローカルの蜂蜜も原料に使われています。

これらの試食も当然のように可能で、ここでも食べて納得してから買ってもらいたいという企業の真摯さと自信を伺うことができます。

試した人のおすそ分けしたい気持ちを汲み取ったギフトセット

Photo:フレンドリーなリテールスタッフ、ニッキーさん。

ジェイコブセンのスタッフ、ニッキー(Nikki)さんによると、こちらのテイスティングルームでは、地元の人が自宅用やホリデーギフトとして商品を購入するのはもちろん、観光客がお土産として求めることも多いと言います。「ここで試してみて、気に入ったものを家族や友達にもおすそ分けしたいって思うみたい」とニッキーさん。

Photo:彩り豊かな12種類の塩セット

そんな「おすそ分けしたい」という気持ちを汲んだように並んでいる商品が、テイスティングルームの試食コーナーのようにいくつものカラフルなフレイバーソルトが少しずつ入ったセットです。

試験管のように細い容器に入ったカラフルなセットは、6本入り、8本入り、12本入りとありますが、どれも1本の容量が8から10gと少ないかわりに、色々なフレイバーを味わう楽しさを伝えることができます。

Photo:3種類のチリが入ったスパイシーな塩のセット

また、「スパイシー」「デザートソルト」「イタリアン」といったテーマに沿ってセレクトされた塩のセットもあります。これは、個別で購入できる商品と同じサイズのボトルが3つ入っています。

Photo:3種類のデザートに合う塩のセット

例えば、デザートソルトセットなら、「ストンプタウンコーヒー・ソルト」、「ギタードチョコレート・ソルト」、それに「ピュア・フレーク・シー・ソルト」の3種類。どれもデザートに振りかけて使えます。

このようなテーマのあるソルトセットは、テイスティングルームでいくつかの塩を知った時に「辛いものが好きなあの人が喜びそう」とか、「お菓子作りが好きなあの子にも試してほしい」という気持ちを伝えられる気がします。

Photo:違う花から集めた蜂蜜のセット

また、ビーローカルの蜂蜜も塩同様、テイスティングルームでの驚きをおすそ分けできる、複数のフレイバーを集めたセットが用意されています。

Photo:蜂蜜と関連グッズのセット

可愛い袋に蜂蜜と蜂蜜を使ったホットソース、ハニーディッパー、蜂蜜レシピブックを詰め合わせたものや、ハニースティックのセットもありました。こちらもさりげなくおしゃれで、お土産に喜ばれそうです。

シンプルながらギフト向きのパッケージ

Photo:12種類ソルト

ジェイコブセンソルトの商品はどれも素材自体を主役にしたすっきりとしたパッケージに入っています。シンプルながら洗練されていて、セットのアイテムなどは特にギフトとしての特別感もあります。これは、ジェイコブセンソルトの「最高の塩を作る」「塩で勝負」という企業のミッションや姿勢を反映しているように思えます。

「ジェイコブセンソルト」のテイスティングルームで扱うのは、「塩」「蜂蜜」という素材そのままのシンプルな商品ですが、見せ方の工夫や来場者の大切な人におすそ分けしたいという気持ちを活かせる商品開発が、ファンの心を掴んでいるようです。


Jacobsen Slat Co.
https://jacobsensalt.com/

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