年に一度の大イベントに備えて、カナダのショップやカフェでは11月に入るとホリデーシーズンの商品が店頭に並び始めます。今回はそんなカナダのホリデーシーズンに向けた商品とプロモーションについて紹介していきます。
ひと工夫で差別化を図るカフェのホリデードリンク
日本でも人気の、カフェのホリデーシーズンドリンク。カナダでも、チェーン店はもちろん、ローカルのカフェでもホリデーシーズン限定のドリンクを多数販売しています。
カナダを代表するカフェチェーンの「Tim Hortons」はホリデーシーズンのドリンクとして、クリーム系リキュールの「BAILEYS」とコラボしたノンアルコールドリンクを販売しています。
今回販売したのは、「BAILEYS」のノンアルコールリキュールを使用した、ホットチョコレート、クリームコーヒー、ラテ、アイスカプチーノの4種類のドリンクです。「BAILEYS」を入れることにより、より濃厚でクリーミーな味わいを感じることのできる商品になっています。
カナダの都市、バンクーバー生まれのコーヒーチェーン「BLENZ COFFEE」も同じくホリデーシーズンのドリンクを販売しています。エッグノッグやジンジャーブレッドを使用したラテ、ペパーミントモカ、ヘーゼルナッツモカなど定番のホリデードリンクが4種類と冬に人気のホットチョコレートが3種類あります。
ホットチョコレートは、ローストしたアンチョビとチリペッパーをブレンドした変わり種や、チョコとの相性抜群のピスタチオを使用したもの、バターと砂糖で作ったお菓子「トフィー」を使用したものなど、定番の4種類に比べて遊び心のある素材と組み合わせています。また、提供するカップのデザインもクリスマス用に用意されており、サンタさんがプレゼントを配る際の判断基準とされている、「良い子と悪い子」にちなんだデザインになっています。
同じくバンクーバー発祥の「Waves Coffee House」でも、ホリデードリンクを販売しています。カルダモンやカナダで有名なメープルを使用したドリンクや、クリスマスの定番ドリンクであるエッグノッグを使用したドリンクが楽しめます。
どのカフェも、ホットチョコレートやエッグノッグなどの、カナダのクリスマス定番のドリンク+独自のフレーバーやプロモーションで他社との差別化を図っています。
スーパーで感じるホリデー気分
カナダで生活をしていて、1番季節を感じられるのが毎週通っているスーパーマーケットです。ホリデー用のコーナーが作られ、食品以外にもクリスマスに関する様々な商品が並んでいます。
日本のスーパーマーケットではあまり見かけませんが、クリスマスツリーやプレゼントを入れる用の靴下、庭に飾るイルミネーションなどの装飾品も販売されており、種類も豊富です。
また、クリスマスに向けて、お菓子作りなどに使用する商品のコーナーも充実しています。クリスマスツリーの形をしたクッキー型やケーキ型はもちろん、クリスマスカラーでもある赤・白・緑に塗られた泡立て器やゴムベラ、ジンジャーブレッドマンの形のトングなど、使う道具にもクリスマスの雰囲気を感じることのできるような工夫がされています。
他にも、クリスマスデザインのマグカップやお皿、カトラリーなども販売されており、クリスマス当日までのシーズンを通して、雰囲気を感じるためのアイテムとして利用することができます。
ホリデーのお菓子はチョコレート一強
スーパーの入り口近くのホリデー商品コーナーには、シーズン限定パッケージのお菓子が多く並びます。クリスマスまで毎日ひとつずつ開けてカウントダウンができるアドベントカレンダーも、数多く販売されていました。キットカットで有名な「ネスレ」や「HERSHEY'S」、「リンツ」、「FERRERO」、「Kinder」など、アドベントカレンダーを販売しているのはチョコレートメーカーが中心です。
スーパーに並んでいるアドベントカレンダーは、近年流行している凝ったデザインというよりも、定番の四角い形をしたカレンダーです。どれも、形は同じで値段も10ドル前後と手頃で子供向けのデザインのものが中心です。
そして、12月に入るとアドベントカレンダーは徐々に売り場から姿を消し、代わりにクリスマス用のパッケージのお菓子が本格的に並び始めます。ここでも、チョコレートを使用したお菓子が中心の品揃えです。クリスマスの定番Candy caneやGingerbread cookieを除けば、チョコレート以外のお菓子でクリスマス限定のパッケージを展開しているものはほとんどありませんでした。
パッケージは箱型のものが多く見られ、普段から馴染みのあるお菓子を箱に入れることで特別感を演出しています。そのまま手土産やクリスマスのちょっとしたギフトとして渡すこともできます。
アパレルショップで見つけたアグリーセーター
クリスマスに少しダサいセーターを着て楽しむという文化があるのをご存知でしょうか。これは、アグリーセーターとも呼ばれていて、カナダでもこの時期になると沢山のアグリーセーターが店頭に並びます。日本でもクリスマスが近づくと、緑や赤のクリスマスカラーを入れたウェアを販売していますが、カナダではド派手な柄やキャラクターが入っているものが定番です。
2002年にカナダのバンクーバーで「オリジナルアグリー クリスマスセーターパーティー」という、パーティの中で1番ダサいセーターを着ている人を選ぶというイベントが開催されました。そのパーティをきっかけに、「アグリーセータークリスマスパーティ」というアグリーセーターを着て参加するパーティの文化が広がっていきました。
現在はセーターだけでなく、同じデザインのTシャツやパーカー、トレーナーなども販売されています。子供の頃に着ていたような、少し懐かしさを感じるデザインが多く、ユーモア溢れるデザインが人気です。
エコフレンドリーなラッピング用資材
カナダ発祥の大型書店兼雑貨店の「Indigo」は、ホリデー用のギフトラッピンググッズを販売しています。クリスマスプレゼントを自分で包装するのが一般的なカナダでは、ラッピング用商品も充実していて、「Indigo」のプライベートブランドの「nota」からも多くの商品が販売されていました。
ギフトを入れる紙袋やボックスはもちろん、箱の中にギフトと一緒に詰める緩衝材のティッシュまでも、ホリデー用にデザインされています。
特に目立つのが包装紙で、ペーパーと、リボン、タグがセットになっているものも人気です。これらの包装紙はFSC認証を取得しており、環境に配慮された原料を使用して作られています。カナダのエコに対する意識は、ホリデーのラッピングにも反映されていました。
選び方に合わせたギフトボックス
化粧品を販売している「SEPHORA」では、選び方に合わせたギフトボックスを展開しています。例えば予算のあるプレゼント選びに役立つ、100ドル以下のギフトのコーナーや、何を買ったら良いかわからない人のための、ソーシャルメディアで人気がある商品を集めたコーナーがあります。
また、散財する価値ありと書かれたコーナー、プレゼント用の靴下に入るサイズの小さめのギフトを集めたコーナーなど、シーンによって顧客が選びやすいようにテーマに合わせて商品がセレクトされています。
これにより、化粧品に詳しい女性だけでなく、女性に化粧品をプレゼントしたい男性の買い物をサポートする役割を果たしています。
いかがでしょうか。日本とは少し違ったクリスマスの商品が並ぶカナダ。商品の種類等からも日本よりもクリスマス当日だけでなくシーズン全体を通してクリスマスの雰囲気を楽しむ文化があることがわかります。
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