近年多くのタイアップ、コラボレーション商品が登場しました。商品タイアップの狙いは、異なった商品が互いの強みを活かし、ブランド認知や販売促進を図ることにあります。具体的には、市場ターゲットの拡大、話題性の創出、ブランドイメージの向上などが挙げられます。
「オレオ」と「コカ・コーラ」のコラボは新しい顧客層を開拓
「オレオ」と「コカ・コーラ」のコラボ商品は、両ブランドの味とビジュアルイメージを組み合わせています。パッケージには、オレオクッキーのエンボス加工とコカ・コーラボトルが組み合わされてデザインされています。
このコラボ製品は世界35の市場で、期間限定で販売されました。ブランドによれば、コラボ商品の購入者の28%はそれまで定番オレオを購入していなかった層でした。オレオはキャッチーな新製品を販売することにより、定番フレーバーの需要を底上げすることを狙っています。コラボ商品は、購入客に「オレオ」を改めて想起させる新たな機会を提供します。
「ビヨンセ」と「モエ・ヘネシー」がウイスキー市場に
ビヨンセの「カウボーイ・カーター」は 2024年にリリースされたカントリー・ウエスタンのヒットアルバムです。アメリカ南部のテキサスとルイジアナの音楽をビヨンセ風に解釈した作品として絶賛されています。
このアルバムのプロモーションで登場した馬はロデオ文化をイメージしています。そして、ビヨンセとモエ・ヘネシーのコラボレーション事業で、新しいウイスキーブランド「SirDabis」の市場導入において、馬がシンボルラベルとして使われました。ビヨンセは日本のウイスキー山崎のファンであり、彼女は日本とスコットランドの技術をベースにアメリカンオークとシェリー樽で熟成したこだわりのウイスキー造りを行いました。
このウイスキーは、2023年SIPアワードでクラス最高賞およびプラチナ賞を受賞したほか、「ニューヨーク・インターナショナル・スピリッツ・コンペティション」で95点と金賞、「アルティメット・スピリッツ・チャレンジ」で93点を獲得しました。「SirDabis」はビヨンセの地元テキサス州で仕上げられ、ブレンドおよび瓶詰めされています。ボトルは豪華なリブ付きガラスで仕上げられ、89ドルで販売されています。
「Uno」はファッションハウス「Blvck Paris」とコラボ
人気のカードゲーム「UNO」のメーカーである「マテル」は、定期的にアーティストやデザイナーとコラボして新しい提案を行っています。「UNO」の最新コラボは、シックなファッションハウス「Blvck Paris」とのコラボレーションです。
ブランドの特徴である黒をテーマ色に使用しています。「UNO」 の赤、青、黄、緑の色調は黒の背景に際立ち、ミニマルで洗練された色彩デザインになっています。
「Funyuns」と「マルちゃん」がスナックでコラボ
スナックの「Funyuns」は、ホット&スパイシーチキン味とオニオン風味を組み合わせたスナックを考案しました。限定版スナックコラボのパッケージは、袋の上部に、「Funyuns」の緑のロゴマークが描かれ、メイングラフィックのインスタントラーメンのカップにはスナックリングと箸がデザインされ、オレンジと黄色の背景はアニメやマンガをイメージし、パッケージにパワーを加えています。
ホット&スパイシーチキン味の「Funyuns」は7月より一部小売店で販売され、8月には全国展開されました。「マルちゃん」はどうリアクションを返すのでしょうか?
「kate spade」と「ハインツ」のコラボ
ファッションブランド「kate spade」と「ハインツ」がタイアップし、ケチャップと「ハインツ」のパッケージからインスピレーションを得たユニークなファッションコレクションを展開しました。
「kate spade」と「ハインツ」のコラボレーションは、ケチャップの小袋などハインツのパッケージをイメージさせるアイテムでファッションを訴求しています。トマトの赤は、スマホケース、Tシャツ、トートバッグなどに使われ、ジッパーの金具やケチャップの小袋のデザインがワンポイントデザインで使われ、ローファーにはケチャップの塊がちりばめられています。
「プリングルズ」にキャビアはいかが?
「プリングルズ」とキャビアの組み合わせは、TikTokで34億回以上再生され、 テレビシリーズ「The Real Housewives of New York City」で取り上げられるなど、話題の組み合わせです。キャビアのような贅沢品と、チープなポテトチップスの組み合わせが新感覚です。「プリングルズ」はキャビア社と提携し、「チップスとキャビア」コレクションで新しい体験を訴求しています。
クリスプキャビアコレクションは、プリングルズバーベキュー、サワークリーム&オニオン、オリジナルクリスプと、ザ キャビアカンパニーのスモークトラウトキャビアとホワイトスタージョンキャビアを組み合わせました。各キットには、缶を開けるための金色のコレクション用キャビアキーチェーンとスプーン2本が含まれており、コラボボックスに美しく包装されています。
大統領選挙とコラボ
ベン&ジェリーズの共同創業者ベン・コーエン氏とジェリー・グリーンフィールド氏は、政治擁護団体「MoveOn」と提携し、民主党大統領候補のカマラ・ハリス氏のために新しいアイスクリームフレーバーを発売しました。
カマラのココナッツ・ジュビリーと名付けられた このフレーバーは、キャラメルの渦巻きと赤、白、青の星形の小さなお菓子がたっぷり入ったココナッツアイスクリームです。デザイン面では、カマラの代名詞でもあるココナッツの木が描かれています。
「OLIPOP」と「STAYCOOL」のコラボ
「OLIPOP」とストリートウェアブランドの「STAYCOOL」が協力し、オリポップの缶にぴったり収まる隠しポケットを備えた限定版スウェットシャツシリーズを制作しました。
着心地の良いスウェットシャツの色は「OLIPOP」のフレーバーからインスピレーションを得ており、前面には「OLIPOP」と「STAYCOOL」の共同ブランドによるソーダフレーバーを表現したグラフィックが描かれています。
雑貨の「Houseplant」がコーヒーブランドのコメティアとコラボでコーヒー市場へ参入
「Houseplant」はコーヒー事業に進出するにあたり、コーヒーブランドのコメティアとコラボし、ミディアムローストのエチオピア産「Been There Done That」とダークローストのメキシカンコーヒー「Get Roasted」の2種類のコーヒーを発表しました。
このビジネスでは新しい流通スタイルを提案しています。インスタントコーヒーの冷凍パックをカプセルに詰め、液体窒素で冷却して配送し、鮮度を最大限保っています。消費者は冷えたパックまたは解凍したパックを熱湯または冷水に入れるとコーヒーを楽しむことができます。パッケージは完全にリサイクル可能で、アルミで作られています。また、専用の抽出マシンは不要です。
コラボレーションの効果
コラボレーションのメリットは、互いの顧客基盤を活用することで新しい顧客層にアプローチできること、マーケティング活動のコストをシェアできること、それぞれのブランドの統合でユニークな商品の生成や波及的なイノベーションの促進が可能であることなど、現代のマーケティングやパッケージにとって効果が期待されています。
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