アメリカでは、まだ冬の寒さが残る2月下旬頃から春の最大イベントであるイースターの商品がお店に並びはじめ、春を迎える気分が高まっていきます。世界のさまざまな文化が集まるアメリカでは、イースターに加え、セントパトリックデーなどいろいろな春祭りも行われます。そんな春のイベントで登場する春らしい商品をはじめ、旬の野菜や華やかな花の商品など、アメリカで春の訪れを感じることができる味やデザインパッケージを紹介します。
春の訪れを祝うイースター
アメリカの春の最大のイベントと言えば、ヨーロッパ同様、イースターです。イースターの時期には、イースターマーケットやエッグハントなど家族向けのイベントが各地で開催され、ウサギやたまごなどイースターならではの商品が登場し、春の訪れを感じることができます。
イースターの定番となっているのは、ウサギやたまごをモチーフとしたチョコレートをはじめとするお菓子で、チョコレート専門ブランドから大手お菓子会社までさまざまな商品が登場します。商品自体がウサギやたまごの形をしているものや、パッケージのデザインに工夫が凝らされたものなど、いろいろ登場します。
こちらは、日本でもお馴染みのスイスのチョコレートブランド「Lindt」のウサギの形をしたギフト用ボックスです。美しい春の花畑を連想させる、明るい彩りの花と新緑のデザインが印象的です。ボックスの中央は透明の窓になっており、それぞれのフレーバーが異なる色で包まれ、中身も花が咲いているようなポップでカラフルなパッケージになっています。
最近アメリカでも日本同様、桜の商品を見かけるようになってきていますが、アメリカの「Lindt」では今年から新たに桜のフレーバーが加わりました。英語名で「Cherry blossom」とせず「Sakura」という名で登場しています。
イースターの象徴である「たまご」型のチョコレートもいろいろな商品が登場します。本物のたまごを連想させる、たまごパックに入った面白いデザインの商品もあります。大きさは本物のたまごのパッケージと比べると、小さく可愛らしいサイズです。パックを開けると、中にはカラフルな包みで包まれたいろいろな味のたまご型のチョコレートが入っています。
春のイースターの限定商品は、チョコレートだけでなく、グミやマシュマロなどさまざまなお菓子でも登場し、ウサギやたまごの形をしたイースターならではのものがこの時期人気になります。
世界的に有名な「HARIBO」や、アメリカ産の「Albanese Candy」も、グミと言えばベアの形が定番ですが、このイースターの時期になると、ウサギやニンジンの形のグミなどイースターならではの商品が登場します。
絵に描いたような美しいニンジンのグミ。ウサギのグミは、頭と体が別々で、顔もしっぽも足もとても丁寧に作られています。春のイースターならではの楽しい商品がいろいろあります。
春の旬の味「ルバーブ」
農家などの生産者が集まり直接販売を行うファーマーズマーケットは、その季節の旬の味に出会うことができる絶好の場所です。春といえば「ルバーブ」。ビタミンと食物繊維が豊富で美容と健康に良いと言われている「ルバーブ」は、春になると登場しはじめます。温室栽培や輸入により、ニンジンやセロリ、アスパラガスなど春が旬の野菜や果物の多くは、一年中手に入るようになっていますが、「ルバーブ」は今でも春だけ限定の季節感のある野菜です。
ファーマーズマーケットには地元のブランドの生産者や販売者が集まってきますが、その中のひとつ、ニューヨーク州のローカルのジャムブランド「Beth's Farm Kitchen」で春の味を見つけました。春の味覚であるストロベリーと「ルバーブ」のジャムです。春限定の味である「ルバーブ」は、ジャムのほか、パイなどの商品になってこの時期お店で見かけるようになります。
華やかな花が主役の商品
春といえば、寒い冬が終わり、花の香りを楽しめるようになる季節です。ニューヨークでは、オーキッドショーやフラワーショーなど、花をテーマとした人気イベントがいろいろ開催されます。ニューヨーク植物園のギフトショップでは、花の香りを楽しめる「紅茶セット」が販売されています。「Tea Forte」という紅茶ブランドとコラボした、植物園厳選の花や植物のフレーバーの紅茶商品です。パッケージも美しくギフト向きで、植物園を訪れるお客さんたちにもとても人気の商品となっています。
紅茶には、ニューヨーク植物園で有名なチェリーブロッサムやオーキッド、ピーチブロッサム、カモミールなど、さまざまな花のフレーバーがあります。
「Tea Forte」の商品は、とてもおしゃれなスタイルのティーバッグ紅茶です。茶葉が入っているティーバッグは、ピラミッド型になっており、形は固定されていて崩れません。ティーバッグを支える部分はワイヤーで、緑の葉っぱの飾りが付いています。美しいお花のデザインのパッケージは、それぞれ絵柄が異なり、パッケージの内側はゴールドでとても華やかです。ティーカップにのせたときの姿も美しく、とてもセンスの良い季節感を楽しめる商品です。
フラワーティーだけでなく、花は華やかさを演出するのに食用でよく利用されます。食べられる花の花びらをドライにしてブレンドした商品もあります。
アメリカのおしゃれなカフェなどでは、スイーツ、抹茶やラテなどのドリンクの仕上げにこの食用花で飾り付けし、香りや見た目も楽しめるという春らしい演出をしているお店もあります。
春は緑色 セントパトリックデー
アメリカでは、春になると緑色の食べ物をよく見かけるようになります。3月は、アイルランドを起源とする「セントパトリックデー」があり、その象徴となる緑色の限定商品がこの時期、いろいろなお店で販売されます。定番となっているのは緑色のクッキーですが、その他にもベーグルやカップケーキなど、いろいろな珍しい緑色の食べ物が楽しめます。
緑色のフレーバーとして、ピスタチオなどはよく使われていますが、最近、アメリカでは抹茶も使われるようになってきています。カップケーキ店では緑色の抹茶のカップケーキがこの時期だけ発売されていて、人気の限定商品となっています。
ニューヨークで話題のベーグルと言えば、虹色のレインボーベーグルが有名ですが、セントパトリックデーの時期には、限定で美しい緑色のベーグルも登場します。
また、緑色の限定商品はスーパーマーケットなどでも目につきます。春らしい緑に彩られた、ナッツなどいろいろな食感を集めたトレイルミックスは、スプリングクローバーという名称で春限定商品として発売されています。
アメリカでは、ホリデーシーズンを終えると、寒い冬のイベントが少ない静かな時期が続きますが、2月下旬頃からイースターやセントパトリックデー向けの商品が並びはじめ、春らしい花や緑をテーマとした商品が増え、花が咲くように明るい雰囲気になり、春の気配が感じられるようになります。イースター、セントパトリックデーなどの春のお祭りは長い伝統があり、多くの人々の生活に根付いているイベントなので、モチーフや色などそのイベントらしい基本を押さえた商品ラインアップが多いですが、近年、気の利いたブランドにより、味やパッケージデザインなどで一工夫した目新しいものも登場してきています。
春の人気デザインと言えば、やはり美しい色とりどりの花々や緑の草木など、カラフルなのが特徴で、春にぴったりなパステルカラーのピンクの桜やグリーンの抹茶など、日本でお馴染みのフレーバーもよく見かけるようになっており、日本の味もアメリカに浸透してきています。
▼編集部おすすめ記事
イースター商品が売り場に春を告げる