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全米で最も自転車にやさしい街、ポートランドのスムージーショップ「Moberi」のチャレンジ

初めまして。ライターの東リカです。オレゴン大学への交換留学を機に縁ができ、東京、レシフェ、サンパウロ、リオデジャネイロを経て2014年末に再度ポートランドへと引っ越して来ました。約12年ぶりに戻ってきたポートランドは「全米1住みたい街」と言われるほど、今の気分を体現した注目都市になっていました。

ポートランドっ子は元々流行を追わず、地元の豊かな自然やコミュニティ、また丁寧な手仕事を大切にする気質があります。そのため、ポートランドにはチェーン展開をする名の知れた大ブランドよりも、地元密着型の個性的なお店が大切にされています。

自転車に優しい街ポートランドならではの発想

写真:ポートランドのスムージーショップ「Moberi(モベリ)」

オレゴン州ポートランドは、車社会のアメリカで最も自転車に優しい街だと言われています。環境に優しく、健康にも良い自転車は、ポートランドっ子の嗜好にぴったり。市内には約500kmに渡る自転車道が整備されていて、自転車通勤者数も全米一です。自転車関連イベントやショップも多く、自転車シェアリングサービスも普及しています。

そんなポートランドのスムージーショップ「Moberi(モベリ)」は、自転車を漕いだ動力でブレンダーを動かし、ヘルシーなスムージーを作るというライアン・カーペンター(Ryan Carpenter)さんのアイディアから生まれました。2011年にクーラーに詰め込んだ新鮮な食材と自転車ブレンダー1台でスタートしたモベリですが、フードトラック、実店舗化と順調に成長を続けています。

つい先日、ポートランド市内に4店舗目がオープンしました。早速その様子をご紹介します。

第4店舗目オープン

写真:オープン2日目のモベリ ホーソン店

新店舗がオープンしたのは、インディ系のショップが多いホーソン地区の中心地。まだオープン直後のため、風船がたくさん飾られていました。

写真:明るくシンプルな注文カウンター

写真:店舗の奥に設置された自転車。こちらも風船付き。

白木の多い店内は、明るい雰囲気です。お店はテーブル席とカウンター席で20席程度。道路にも2つほどテーブルが出ていました。私がお邪魔した土曜日の午前中は、前日にオープンしたばかりにも関わらず、ミレニアル世代を中心とした多くのお客さんの姿がありました。テイクアウトの利用も多いようです。お目当のスムージーを作ることができる発電用自転車は、店の奥に設置されていました。

ヘルシーなオリジナルメニュー

写真:カウンター内にずらりと並ぶ新鮮な地元の食材

メニューはスムージーを中心に、アサイーボウルやピタヤボウル、オートミール、ソフトクリームなど、地元の食材をふんだんに使ったヘルシーなアイテムが並んでいます。しっかりスーパーフードの入ったキッズ向けメニューもあります。どれも創業オーナーのライアンさんが「ハッピーな生活の燃料」として考案したヘルシーな植物性のレシピです。

今回は、ホーソン店のマネージャー、ブルックリン(Brooklynn)さんのお勧めに従って、7種類の中から、定番人気のスムージー「フレッシュ・プリンス・オブ・ブラジル(Fresh Prince of Brazil)」と一番人気のグリーンスムージー「ジョニー・ユタ(Johnny Utah )」の2種類を試してみます。

写真:ピーナッツバターを加えるブルックリンさん

「フレッシュ・プリンス・オブ・ブラジル」の材料は、アサイー、いちご、バナナ、ゴージーベリーにりんごジュース。ブルックリンさんのアドバイスに従って、さらにプロテイン豊富なピーナッツバターを加えてみました。

写真:新鮮なケールたっぷりのグリーンスムージー

「ジョニー・ユタ」には、ケール、マンゴー、ミント、アガベ、ライム、ココナッツウォーターが入っています。ここにスピルリナという海藻から取り出した青い色素パウダー「ブルーマジック(Blue Majik)」をトッピングに加えることに。

トッピングには、他にもヘンプシードやチアシード、マカ、カカオニブ、抹茶、アボカド、スピルリナ、地元産のビーポーレン、アーモンドバターなど人気のスーパーフードが並びます。

注文が決まると、スタッフが素材をブレンダーに次々に入れていきます。バナナやケールなど生の食材が多いところも嬉しいポイントです。

いざ、自転車を漕いでスムージーを作ってみた

写真:グリーンスムージー「ジョニー・ユタ」の材料入りブレンダー

このブレンダーをキッチンで回してもらうか、自転車に設置するかは、顧客次第。せっかくなので、自転車動力に挑戦です。

写真:自転車にブレンダーを設置

写真:ペダルを漕ぐとブレンダーが回っていく

材料がまだ固体の状態の漕ぎ始めが最も力が必要です。スムージー状になるにつれて、だんだんペダルが軽くなっていきます。

写真:ちょっとした運動です

正味5分ほどですが、軽く汗をかくような、なかなかいい運動になります。スタッフやお客さんの励ましもあり、テンションが上がります。また、なんとなくスムージー分のカロリーを消費した気分になります。

写真:メイソンジャーで提供される色鮮やかなスムージー

「フレッシュ・プリンス・オブ・ブラジル」は、ピーナッツバターを加えたことで、アメリカで人気のPB&J(ピーナッツバター&ジェリー)サンドイッチのような風味です。「ジョニー・ユタ」は、ミントが入っているため、かなり爽やか。青臭さは全く感じません。

共に、期待以上の美味しさでした!これなら自転車を漕ぐという物珍しさをきっかけにモベリのスムージーを試した人も、リピーターになるはずです。

ヘルシー&ハッピーな生活をサポート

写真:テイクアウト用はストロー不要のエコパッケージ

現在は、スムージー以外のメニューが増えたことやキッチンのブレンダーの方が一定の味を提供できるという理由から、ホーソン店以外の店舗では、発電自転車はブレンダーを回すものから携帯充電用に置き換えられています。

ちょっと寂しい気もしますが、「ヘルシー&ハッピーな生活の燃料となる美味しいスーパーフードを提供する」ミッションと、自転車を中心としたエコでグリーンな精神は健在。年間売上の1%を自然環境保護の草の根活動団体に寄付することを誓約する企業同盟「1% for Planet」にも加盟しています。

もちろん、moberiの出発点である自転車ブレンダーがなくなるわけではなく、ホーソン店以外でも、イベントなどには登場します。子供から大人まで、自転車を漕いで自らスムージーを作る楽しさを通して、スーパーフードを口にするきっかけをこれからも作ってくれそうです。

moberi
https://www.moberi.com/

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