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アメリカのハロウィンパッケージ

アメリカのハロウィン限定パッケージ

「パケトラ」読者のみなさま、こんにちは。ポートランド在住の東リカです。
今回は、アメリカの季節の一大行事「ハロウィン」向けのスーパーで見つけたお菓子や飲料の限定パッケージを紹介します。

米製菓会社最高の稼ぎ時・ハロウィン

スーパーに設けられたハロウィン用お菓子売り場

アメリカのハロウィンのメインイベントといえば、仮装した子供たちが、お菓子を求めて近所の家々を回る「トリック・オア・トリート(trick or treat)」。多くの家庭では、オレンジのかぼちゃをくり抜き、明かりを灯した「ジャック・オー・ランタン」をはじめ、蜘蛛の巣、がいこつ、ゴーストなど様々な「恐ろしい」デコレーションを施したり、チョコやキャンディーを大袋で購入し、子供たちの訪問に備えます。

何列もあるスーパーのハロウィン用お菓子売り場。大袋には250個入り、といった巨大なものも当然のように並ぶ

実際、CandyStore.comのリサーチによると、ハロウィンを選ぶ人たちの96%がチョコやキャンディを購入するそうです。そのため、例年ハロウィンは、製菓産業にとってクリスマス、イースター、バレンタインデーを上回る最大のかき入れ時となっています。

10月のスーパーには、工夫を凝らしたハロウィン限定パッケージのお菓子がずらりと並び、売り手の力の入れようが伝わってきます。

それでは早速、お馴染みお菓子や飲料のハロウィン版を見ていきましょう。

暗闇で光る蓄光パッケージ

暗闇でロゴが光る個別パッケージ入りのキットカット

トリック・オア・トリートは、基本、日が暮れてから行われることもあり、暗闇で光る(Glow in the Dark)パッケージは、人気があるようです。

筆者の訪れたスーパーでも、ハロウィンの定番アイテムになっている「リーセス・ピーナッツバターカップ」、「キットカット」、「M&M’s」などが、蓄光小袋入りの商品を販売していました。

キャラクターの個性をいかした5種類のハロウィン用パッケージ

なかでも、M&M’sは、キャラクターを活用して、5種類のパターンを用意。

例えば、マントを羽織ったレッドと輪郭の光るコウモリ、光る蜘蛛の巣に捕まったミイラのイエロー、パンプキンに扮したオレンジと光る満月など見ているだけでも楽しいパッケージです。

各フレイバー、紫、オレンジ、黄緑色のみが入った限定商品

このチョコレートは通常、カラフルなミルクチョコレート入りですが、ハロウィン限定の大袋には「グール(悪鬼)のミックス」シリーズとして、紫・オレンジ・黄緑色だけが入ったミルクチョコ・ピーナッツ入りチョコ・ピーナッツバター味のものもあります。

また、クッキー&クリームにひっかけた「クッキー&スクリーム(叫び)」は、黒・オレンジ・白色のクッキー入りM&M’sです。

モンスターや吸血鬼のキス

モンスターや吸血鬼パッケージのキスチョコ

続いては、同じく人気のハロウィン菓子「ハーシー・キスチョコレート」のパッケージ。こちらの「モンスター」版は、緑、青、紫3種類のモンスターのラッピングに加え、それぞれ紙製リボンに、定番「KISSES」の文字の代わりに「CREEPY!(キモっ!)」「YIKES!(うっわ!)」「EEK!(うぎゃっ!)」と入れる懲りようです。

吸血鬼パッケージのキスチョコ

そして、「吸血鬼」バージョンは、包み紙には、紫に赤いコウモリが描かれ、紙のリボンには赤字で「VAMPAIRE(吸血鬼)」の文字。チョコレートには、真っ赤なストロベリーフレイバーのクリーム入りで、チョコをかじると、血の滴るようにみえるというもので、チョコの入った袋には、その特徴を大きくアピールしています。

先のM&M’sのクッキー&スクリームもそうですが、パッケージだけでなく、商品そのものの味や見た目をハロウィン風にしたものも少なくありません。

ハロウィンに欠かせないリーセス・ピーナッツバターカップ

例えば、ハロウィン菓子一番人気の座をキープしている「リーセス・ピーナッツバターカップ」は、ゴーストやこうもりの形のピーナッツバター菓子や、かぼちゃ型のかぼちゃバター菓子、また、緑のクリームの入った「フランケン・カップ」など、筆者の訪れたスーパーにも複数の限定商品が並んでいました。

アプリ連動キンダージョイ

スーパーに陳列されたハロウィン版キンダージョイ

お次は、おもちゃ付きのチョコレートエッグ「キンダージョイ」。
ずらりと並ぶ表情違いのジャック・オー・ランタンが描かれたハロウィンバージョンが目を引きます。

キンダージョイの「パンプキン・パル」

キンダージョイは「Applaydu」という子供向けの無料ゲームアプリを提供しているのですが、ハロウィン版の組み立て式おもちゃ「パンプキン・パル(かぼちゃの仲間たち)」もアプリに連動。QRコードを読み込むと、エッグに入っていた自分のおもちゃがアプリ内の世界に現れます。また、ARにより、そのおもちゃが、目の前で動き出します。

ハロウィンパーティ用ドリンクも

クラフトブルワリーが手がけるパンプキンフレイバーのスタウトやエール

最後に紹介するのは、年々、存在感を増しているハロウィン向けのお酒。かぼちゃ、がいこつ、コウモリなどをあしらったパッケージが、スーパーの売り場でも目を引きます。また、パッケージだけでなく、クラフトビールやクラフトサイダーは中身もかぼちゃを使った季節の限定フレイバーになっています。

New Belgium社のVoodoo Rangerシリーズ のパンプキンビール

シアトルのクラフトビールメーカー「エリシアン」のパンプキンエール

「かぼちゃ味のビール?!」と抵抗を感じるかもしれませんが、例えば、かぼちゃとかぼちゃの種を使った「エリシアン・ナイト アオル パンプキン エール」は、オールスパイスやシナモンの香るホリデーらしいビールで、このシーズンを楽しみにしているファンも少なくないようです。

終わりに

いろいろと見てきましたが、いかがだったでしょうか。

十分に気をつけて、コロナ禍ではありますが、楽しいハロウィンをお過ごしください!

 

 

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