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ニューヨークで見つけたお洒落なバレンタインチョコレートのパッケージ

2月はバレンタイン商戦の月です。アメリカでもバレンタインデーには、チョコレートなど贈り物を贈る習慣があり、1月下旬からハートのパッケージやディスプレイがあちらこちらで見られるようになってきます。

ところでこのバレンタイン、アメリカと日本では少し意味合いが違うのをご存じでしょうか。

日本でバレンタインデーは、女性が男性にチョコレートをプレゼントする日となっており、そのお返しの日としてホワイトデーという日があります。

しかしアメリカでは、ホワイトデーという日が存在せずバレンタインデーは、主に男性が女性に贈りものをしたりカップルでプレゼントを交換し合う習慣があり、意味合いが日本とは少し異なっています。

送る相手が主に女性ということもありアメリカのバレンタインチョコレートのパッケージは、赤やピンク、ハートがいっぱいの女性が喜ぶデザインがたくさん並んでいます。

箱を開けた瞬間の感動を引き出すパッケージ

アメリカのバレンタインチョコレートは、とてもストレートなデザインで、ハートの形をしたデザインの箱がとても多く使われます。

真っ赤なハートの箱が特に主流で、ハート(心)にリボンをかけてプレゼントするようなイメージの赤一色のボックスが多く見られます。

通常バレンタインボックスの中は、チョコレート色に合わせてブラウンの落ち着いた色味の土台ケースが利用されているのをよく見かけます。

ただチョコレートのデザインの進化とともに、パッケージデザインも進化してきています。また、チョコレートそのものもカラフルな美しいデザインで作られるようになっていますが、その美しいチョコレートをさらに美しく見せるための工夫も考え出されています。

そんな工夫がされたオリジナルの美しいバレンタインのチョコレートボックスが使われていたのは、チョコレートの味とデザインはもちろんですが、パッケージのデザインにもこだわりを持っている、アメリカのチョコレートブランド、Christopher Elbow です。

チョコレートが入っているプラスチック容器は、箱の裏側が見えないようにブラウンなどの透けない濃い色味のケースが使われている事が多いですが、こちらの容器はあえて見えるように透明にし、背景を活かして商品デザインの一部として利用しています。

ちなみにデザインだけに限らず、透明のプラスチック容器自体にも工夫があります。実はチョコレートに驚くほどぴったりとフィットした作りになっています。

丸いチョコレートでも、四角いチョコレートでも、どちらを入れてもぴったりとはまるようにできています。完全にぴったりとフィットしているので、宅配で送っても、チョコレートが箱の中で動いてダメージを受けることがなく、箱を開けたときもずれることなく、もと通りの美しい状態をキープすることができるようになっているのです。

ヨーロッパからの伝統的デザイン

ニューヨークにはアメリカだけでなく、世界中からチョコレートショップが集まってきており、特にヨーロッパの著名ブランドが数多く進出して来ています。

ニューヨークで最近特に店舗数が増え勢いのあるチョコレートブランドの一つが、イタリアの老舗チョコレート会社Venchi です。

ヨーロッパのチョコレート屋さんらしい昔懐かしい感じのこちらの商品は、本の形のボックスがバレンタインチョコレートのギフトパッケージになっています。

本の表紙を開くと、中にはチョコレートが詰められています。

この本のパッケージは、高級感のあるスチール製で、背表紙やページが本物の本に見えるようにデザインされています。

今回のパッケージは、バレンタイン専用のデザインパッケージでしたが、様々なデザインの本のパッケージがあり、シーズンごとに色々なデザインのバージョンも登場します。

ラブレターのパッケージ

今回、バレンタイン用のパッケージで面白いと思ったもののひとつが、Sugarfina のラブレターをテーマとしたパッケージです。

ラブレターのパッケージは他のブランドでも見かけることがありましたが、通常は一通だけで、こんなにたくさんのラブレターが詰まったパッケージを見たのは初めてです。

Sugarfina は、世界中から様々なスイーツを集め、個性的なデザインのパッケージで販売しているブランドです。

ギフトボックスには、たくさんのラブレターが入っており、その一つ一つのラブレターには異なるスイーツが入っており、ラブレターの箱の数だけスイーツを楽しむことができるのです。

箱の裏にどんなスイーツが入っているか載っていますが、何が入っているか知らないままどのスイーツが当たるかをお楽しみで、ひとつひとつ開けて楽しむこともできます。

アメリカではバレンタインのギフトは様々でチョコレートに限定されることはなく、Sugarfinaも Sugarfinaならではのスイーツをセットにしており、楽しいデザインのギフトボックスになっています。

二人で楽しむパッケージ

Sugarfina では、バレンタインの時期になるとバレンタインに合わせたパッケージが色々登場しますが。

今回はこんなマッチ箱のパッケージも見つけました。

ベストマッチな二人をベストマッチなスイーツに掛け合わせたユニークなマッチ箱デザインのバレンタインパッケージです。

Sugarfina は、透明のキューブにスイーツを詰めたパッケージを基本商品としており、マッチ箱の中身はSugarfinaの定番スイーツになります。

また、二人分のスイーツが入った、ピクニックボックスのバレンタインパッケージもあります。

ひねりの利いたこちらのハートのチョコレート。ハートが真っ二つに分かれていてそれぞれ別商品として販売されています。

一歩間違えば、縁起の悪いものになりかねないのですが、こちらの商品は良い意味で二人でハートの左右のチョコレートをひとつずつ買って、仲良く一緒に分かち合おうというアイデアだと思います。

子供たちのバレンタインチョコレート

ニューヨークの各チョコレートショップで、バレンタインチョコレートが並ぶ頃、スーパーマーケットでもバレンタインコーナーが登場します。

こちらでもやはり各メーカーの赤やピンクのハートのボックスが多く並びます。アメリカの子供たちは、学校でバレンタインをイベントとして楽しみます。チョコレートやカードをクラス全員分用意し、先生にもギフトを用意したりする習慣もあります。

スーパーマーケットでは、そのためのお手頃価格で、みんなに配れるようなチョコレートもたくさん売っています。アメリカでは、昔先生にリンゴをプレゼントするという伝統があり、その名残で先生へのプレゼント用のチョコレートのパッケージにはリンゴが描かれているのをよく見かけます。

さいごに

アメリカのバレンタインデーは、カップルだけでなくみんなが楽しむイベントで、子供から大人まで幅広い年齢層の人々が大切な人に贈り物をする日となっています。

ギフトもチョコレートに限らず、花束、ジュエリー、時計、雑貨など多種多様な選択肢がありますが、そんな中でもやはり定番ギフトとなっているのはチョコレートで、バレンタイン限定の特別パッケージの商品も多く登場しバレンタイン気分を盛り上げてくれます。

 

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