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お菓子だけじゃない、アソートパック事情

1つの袋の中に、個包装された商品が沢山入っているお菓子のアソートパック。味もバラバラで、様々な種類を楽しむ事ができるのも特徴です。日本でも大袋に入ったアソートはパーティの定番商品。ニュージーランドではそのアソートがお菓子だけに留まらず、様々な商品で見かけます。今回はそんなニュージーランドの、日本ではあまり見ない、珍しいアソート商品について紹介していきます。

大きすぎるポテトチップスのアソート

まずは、定番のお菓子のアソートについてです。日本と同様に、お菓子のアソートはニュージーランドでもよく見かけますが、少し違うのが、ニュージーランドではポテトチップスのアソートが多い事。ニュージーランドのポテトチップスは、通常1袋140g前後で、日本の1袋60g前後に比べると倍以上の量が入っており、消費量の違いを感じます。そのため、ポテトチップスのアソートも一般的で、スーパーに行くとは必ず品揃えされています。

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画像はBluebirdという、スナックメーカーの商品です。ペンギンが特徴的なパッケージで、これぞニュージーランドのポテトチップスというような、どこのスーパーにも置いてある商品です。100%ニュージーランド産のじゃがいもを使用しており、パッケージにも記載があります。1つの大袋に18パックも入っていて、日本では見たことのない大きさです。

パーティにピッタリな炭酸飲料のアソート

コーラなどの炭酸飲料もアソートになって売られていました。コカ・コーラ、コカ・コーラ・ゼロ、スプライト、ファンタ、ニュージーランド生まれの炭酸飲料 L&Pと全部で5種類入っています。どれも、ニュージーランドでは定番で人気の炭酸飲料です。ニュージーランドではホームパーティーがよく開催されるため、持っていけば喜ばれそうなラインナップです。

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時短料理の味方、冷凍商品のアソート

ニュージーランドの家庭には必ずと言っていいほど、キッチンにオーブンが備え付けられています。そのため、時短料理といえばオーブンを使った焼物が定番で、冷凍コーナーにはピザやラザニア、ニュージーランド名物のパイなど、オーブンに入れて焼くだけで簡単に食べられる商品が充実しています。

そんな人気の冷凍商品でも、アソートパックは採用されています。画像はベーカリーとパイのアソートです。PANETONは伝統的なフランスのパンをニュージーランドの材料を用いて作っているベーカリーです。ここでは、3種類2個ずつ入ったアソートを展開。迷った時にはこの商品を買えば、数日は飽きずに朝食を賄うことができます。

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朝食シリアルのアソート

シリアルはニュージーランドでも朝食の定番。スーパーには様々な種類のシリアルが沢山品揃えされています。基本的には大きな箱に1種類だけ入っていますが、アソート商品も売られていました。8種類全てちがうシリアルで、毎朝選ぶのが楽しくなりそうです。

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お家で手軽に飲み比べ、ビールのアソート

ニュージーランドでも日本と同様に、ビールが6缶1パックで売られています。ですが、日本と違うのは6缶全て違う種類のビールが入っていること。もちろん、同じ種類が6缶入ったものも販売していますが、アソートになっているビールも同じくらい沢山見かけます。

ワインの産地として有名なニュージーランドですが、実はクラフトビールの醸造も盛ん。スーパーに行けば大手のビール会社と同じか、それ以上にクラフトビールの棚が大きく展開されており、様々な会社のビールが手に入りやすくなっています。

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6缶アソートで売っているのはクラフトビールメーカーに多く、ラガー、ピルスナー、IPA、APAなどジャンルごとに各1本ずつ入っています。ビアバーのように飲み比べができるので、6種類全て試してみて、自分の好みのビールを見つけることもできます。

また、ホームパーティーの手土産の定番としてアルコールも好まれています。相手がどの種類のビールを飲むかわからない場合、このようなアソートがあるととても便利です。

大容量のアイスクリームアソート

アイスクリームの消費量が世界一とも言われるニュージーランドでは、アイスの種類がとにかく豊富。お菓子のメーカーがアイスクリームの製造も担うのが一般的な日本と違い、TipTopをはじめとしたアイスクリーム専門の企業が多く存在します。その分、他社との差別化が必要で、個性的なフレーバーやパッケージデザイン、コンセプトの違いを見ることができます。

その中でも、特に目立つのが4種類のフレーバーが一つの容器に入った、2Lの大容量アイスクリーム。蓋を開けてみると、仕切りもなく綺麗に4等分されたアイスが詰まっています。このアイスクリームを生産しているのは、Much Moore Ice Cream Coという会社。

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4種類入っているにも関わらず、1種類しか入っていないものと同価格で売られています。製造コストを考えると1種類にした方が、生産効率は良いように感じますが、それでも4種類アソートのアイスが何種類も売っているのを見ると、その人気が伺えます。

また、1人用のカップアイスがほとんど売っていないニュージーランドでは、大容量の容器に4種類入れることによって、今まで食べたことがなかったフレーバーを試すことができます。1種類あたり約500gなので、たとえ味が好みでなくても2L分丸々食べ切る必要がないというメリットもあります。

高級チョコレートの食べ比べアソート

スーパーでチョコレートの棚を見ていると、高級志向のチョコレートアソートが商品化されていました。こちらの商品を販売しているのは、ニュージーランドを代表するチョコレートメーカーのWhittaker’sです。 Whittaker’sのチョコレートは、スーパーはもちろん、コンビニ、空港でも必ずと言っていいほど見かける、有名な商品です。

代表的な商品は個性的なフレーバーが楽しめるClassic Blocksという板チョコ。スーパーの棚一本が、丸々Whittaker’sのチョコレートというのもよく見かけます。1枚250gと日本の板チョコの約5倍の重さで、分厚いチョコレートの中には、ナッツやキャラメルソースなどが入っており、とてもボリューミーです。

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そんな Whittaker’sには、定番ラインナップとは別で、ハイカカオやマヌカハニー等の高級食材を使用した、高級志向のラインナップがあります。100gあたりの価格はClassic Blocksに比べると、約2倍とかなり高めです。その高級フレーバーを集めてアソートにした商品が以下の画像のARTISAN SQUARESです。

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外袋も簡易的なプラスチックのピロー包装ではなく、固い素材のハイバッグにすることで、より高級感を感じることのできる見た目です。オシャレで高級感のある見た目なので、ちょっとした手土産にもぴったりです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。ニュージーランドのアソート商品は、お菓子だけに留まらずとてもバラエティ豊かです。アソートにする目的は、購入シーン別に大きく3つに分けることができます。

一つはホームパーティー向けの大容量アソートです。今回紹介した中だとポテトチップスや缶の炭酸飲料のアソートがこれに当てはまります。味の好みがバラバラな人が沢山集まる場で、アソート商品を用意することで、多くの人の好みに対応することができます。

もう一つは、日常的に購入する商品に変化を与えるアソートです。ベーカリーやパイ、シリアルがこれに当てはまります。内容量は、同じシリーズのアソートではない商品と変わらないのも特徴です。日常的によく食べる食品はどうしても同じものが続いて、飽きてしまいますが、アソートにすることで、日々の食事に変化を感じ、飽きることなく楽しむことができます。

最後は、トライアルを目的としたアソートです。単体だと価格面や容量の大きさから、なかなか手が出にくいものでも、アソートにすることで一度に沢山の味を試すことができます。その中から好みが見つかれば、その後の単体品の購入にもつながります。ビールやアイスクリーム、チョコレートなどがこれに当てはまります。

日本では、アソートというとお菓子のイメージが強いですが、ニュージーランドではそれだけに留まらず、食品全般で採用されていました。生産や資材にかかるコストだけを考えると、一見高いアソートですが、それ以上に商品化するメリットがあると感じました。 

 

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