10月1日は世界で最も愛されている飲料を祝う“国際コーヒーの日”に制定されています。世界一のコーヒー生産国であるブラジルが、毎年9月に収穫を終えることから、10月1日をコーヒーの新年度のスタート日と決めて、10月1日を「コーヒーの日」としています。
コーヒー市場は急成長しています。世界のコーヒー市場は、2024 年に 1,342 億 5,000 万ドルに達すると予想され、米国のNational Coffee Data Trends Marketによれば、米国の成人の65%がほぼ毎日コーヒーを飲んでいると報告しています。
家庭外でのコーヒー消費人口の増加や、急速な都市化、eコマース売上高の増加、可処分所得の加速、コーヒー嗜好の増加、スペシャルティコーヒー需要の増加などがコーヒー市場を牽引しています。
コーヒーは生活のあらゆる場面で飲用されており、様々なタイプの商品、パッケージが提供されています。今回はまず話題のコーヒーを紹介します。
フレーバーウィスキー
コーヒーフレーバーのウィスキーで知られるKentucky coffeeは、カーボーイが仕事終わりに、焚き火や暖炉を囲み「ファイヤーウォーター」と呼ばれる甘いウィスキーを飲んだことにちなんで、プレミアムウイスキーとコールドブリューで作られたアルコール度数5.9%のミックスカクテルHard Cold BrewのRTDを2023年9月に市場投入しましたパッケージは12 オンス缶で、ブラック、バニラ、モカのフレーバーで提供しています。ニールセンの調査によるとフレーバーウイスキーは、ウィスキーの 3.5 倍のスピードで成長し、米国で 20 億ドル以上の市場に成長しています。
DRIPKIT
Store Brands誌が選定した「他社には見られない高価値製品」NuZee Inc. のDripkit's Meadow St. Blend は、キットフィルターをコーヒーカップの縁に取り付け、お湯を加えるだけで手軽に一人前のコーヒーを作ることができます。
ユニークなパッケージは、「米国でのシングルサーブコーヒーの楽しみ方に革命を起こす」という基本理念を反映しています。 Brew Bag フィルターは産業用堆肥化可能で、包装はリサイクル可能です。また、製造施設は 100% 再生可能エネルギーで生産されています。
STōK COLD BREW
STōK Cold Brew Coffeeは、新しい限定版フレーバーペパーミントモカを導入。味は甘すぎず、すっきりとした味に仕上がっています。ラベルは、冬をイメージしたデザインでボトルを包み込み、ペパーミントの「しずく」のフレーバーがワンポイントになっています。
Tiny D2C coffee bottles
コーヒーのD2C(消費者直販) 市場において、注目を集めている濃縮コーヒー入りのアルミニウムボトルコーヒーです。フレイジーボトルは、ポータブルで高度にカスタマイズされたコーヒーの2.75オンスの濃縮バージョンで、コンパクトなボトルに入れて消費者の自宅に直接届けます。
消費者はお気に入りのカップに水と濃縮コーヒーを注ぐだけです。価格は 5.99 ドルからで、6 個または 12 個のパックで販売されています。
コーヒーパッケージのトレンド
コーヒーは湿気や光に弱く、遮光性とバリア要件が求められます。また、焙煎後は二酸化炭素が発生するので、ガス抜きが必要になります。また、味を継続するための温度管理など、包装に求められる機能は多岐にわたります。以下で最近のコーヒーパッケージの大きなトレンドを整理します。
eコマース対応の包装が増加
パンデミックが収縮して対面での買い物が再び盛んになる一方で、電子商取引は引き続き成長しています。調査機関のSTATISTAによれば世界の小売電子商取引の売上高は2026年までに約6兆ドルから8兆ドル強に増加すると予測しています。コーヒーの販売にもeコマースが増加し、STATISTAの世界コーヒーレポートによると、eコマースのコーヒー市場は2027 年までに約 136 億ドルに達すると予測しています。
eコマースでは焙煎業者は、包装が郵便と宅配便の両方の配送に耐えられる必要があります。さらに、コーヒーバッグの形状をレターボックスのサイズに合わせることも必要です。
持続可能性への対応
消費者は、スペシャルティ コーヒーの産地や、自分の購入が生産者に利益をもたらすかどうかについて、関心を寄せています。業界は、世界中の 2,500 万人のコーヒー生産者の生活をサポートするために、倫理的に生産されたコーヒーを促進する持続可能性へ取り組んでいます。
顧客接点の拡大
顧客生涯価値を最大化するために、顧客との接点情報を拡大しています。QR コードを使用すると、ブランドは製品を最大限に効果的に使用する方法やソーシャル メディア チャネルへの誘導など、消費者を自社の世界に取り込みます。QR コードは、消費者を新しい方法でビデオ コンテンツやアニメーションに誘導します。食品廃棄物は世界的な懸念事項であり、焙煎業者は埋め立て地に送られる廃棄物の量を減らすために、コーヒーの焙煎時期などの主要な商品情報を伝えるためにQRコードを使用しています。
QR コードを使用すると、パッケージ上で主要な製品の詳細を説明する必要がなくなり、デザインの自由度が高まります。
紙パッケージへの回帰
プラスチックが敬遠される中で、紙パッケージへの回帰が進んでいます。クラフト紙やライスペーパーの需要はかつてないほど高まっています。 ドイツ語で「強い」を意味するクラフト紙は、硫酸塩木材パルプを80%以上配合して作られているので、目が粗く強度に優れているため、包装に適しています。
持続可能でリサイクル可能な包装材料の需要の増加により、世界のクラフト紙産業は昨年170億ドルを超えました。現在、環境意識はトレンドではなく、必須事項です。リサイクル可能、生分解性、堆肥化可能なオプションが利用され、今年はさらに多くの機能が登場するでしょう。Fres-co System USA のNextPak フレキシブル コーヒー パッケージは、店舗持ち込みリサイクルが承認された初の紙軟包装バリア パッケージです。
フォントやデザインを活用
パッケージデザインはコーヒーでも重要な要素です。タイポグラフィーを目玉として使用することは依然として人気があります。Dark Matter Coffee は、シカゴを拠点とする焙煎業者で、絶大な人気を誇っています。Dark Matter は「コーヒーのパッケージは退屈かもしれない」という理由から、エッジの効いたカラフルなアートワークのデザインを始めました。彼らは地元シカゴのアーティストにパッケージデザインを依頼し、限定版のコーヒー品種を毎月リリースしています。
スターバックスは長い間ミニマルなパッケージデザインを採用してきましたが、最近ではよりクリエイティブなデザインにも手を広げています。
ミニマリズムとロックテースト
ミニマリズムデザインは、小売店で消費者とより良いコミュニケーションを図るための今日的な方法です。
また、60 年代や70 年代のデザインも見直されています。イデオロギーを大胆に取り入れたロックン ロール時代のデザイン表現も再評価されています。
コーヒーカプセルも好調
Mordor Intelligenceによればコーヒーカプセル市場規模は2024年に286億5,000万米ドルと推定され、2029年には400億2,000万米ドルに達すると見られ、2029年までのCAGR(年平均成長率)は6.91%で成長する見込みです。カプセルはプラスチック削減の対象として認識されていますがオランダの大学の調査によればインジオポリ乳酸(PLA)バイオポリマーで作られたコーヒーカプセルが、持続可能性のパフォーマンスに関して、アルミニウム、従来のプラスチック、その他の堆肥化可能なカプセルよりも優れていることが明らかになっています。
近年急成長している中国のコーヒー市場
近年、中国のコーヒー市場が急成長しています。世界のカフェ市場ではスタ―バックス圧倒的な人気とシェアを誇りますが、中国では新興コーヒーチェーン瑞幸珈琲(ラッキンコーヒー)が頭角を現しています。
2017年の創業、瞬く間に急成長し、中国におけるスターバックスの店舗数を上回りました。スタバより低価格で、「2杯注文すると1杯の無料クーポン」を渡すサービスが話題を呼びました。
米ファストフード大手のケンタッキーフライドチキンは2019年に中国で1億3,000万杯のコーヒーを販売し、マクドナルドは、傘下のコーヒー専門ブランド「マックカフェ」に3年間で日本円にして約395億円を投資しています。
約2.9兆円の日本の巨大コーヒー市場
日本も中国の勢いに負けずコーヒーの消費量は年々増加しています。 日本国内におけるコーヒー消費量は90年以降増加傾向を続けており、20年前と比べると約1.5倍に拡大して近くまでいます。全日本コーヒー協会の調査によると、コーヒー業界の市場規模 は約2兆9,000億円と言われており、その成長には2013年の「セブンカフェ」の導入以来爆発的な成長を遂げたコンビニコーヒーの普及とマガジンハウス系の雑誌が積極的に取り上げるようになった「カフェブーム」が大きな要因と言われます。まさに世界中がコーヒーに乾杯ですね!
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