パケトラ読者のみなさま、こんにちは。ポルトガル在住の東リカです。
ここポルトガルには、香り高い花やハーブ、オリーブオイルやミルク、ハチミツなど地元素材をふんだんに使った手作り石鹸の長い歴史があります。
近年お土産にも人気の昔ながらのかわいい石鹸パッケージをご紹介します。
地元素材を使った手作り石鹸
すてきな石鹸、というとなんとなくフランスのイメージがあるかもしれませんが、実はここポルトガルも、創業100年を超える老舗をはじめ、数多くの石鹸メーカーをもつ石鹸大国です。近年は特に、陽光あふれるポルトガルの自然素材をふんだんに使って丁寧に手作りした高品質の石鹸が世界から注目されています。
石鹸の香りや泡立ちなども気になるところですが、今回は特にパッケージのかわいさに絞って紹介したいと思います。
世界遺産都市ポルトで生まれた香り高い石鹸ブランド
まずは、1887年創業の老舗ブランド、「クラウス・ポルト(Claus Porto)」。
2人のドイツ人が美しい世界遺産都市ポルトに設立したポルトガル初の国産香水と石鹸の工場「Claus & Schweder」がこのブランドの始まりです。
そして、100年以上4世代にわたり、手作りの精神を守ってきたそうです。
「香りの宝石」とも呼ばれる高品質な石鹸ですが、ヨーロッパのベル・エポック時代を彷彿とさせるそのクラシックなパッケージも人気の理由の1つです。それらは、丁寧に1つ1つ手で包装されています。
例えば「デコ・コレクション」は19世紀後半から20世紀初頭にかけてブランドの知名度を高めたデザインアーカイブの中からパッケージデザインが採用されているんだとか。
どれも歴史を感じさせながらも決して古臭くなく、洗練された印象です。
一方「ムスゴレアル・コレクション」は1930年代に男性向けにローンチされたラインです。こちらはシンプルながら、存在感、また高級感のあるパッケージとなっています。
(参照:https://www.clausporto.jp/)
定番の石鹸ブランド
続いては、先述のポルトガル初の香水&石鹸工場「Claus & Schweder」のパートナーでもあったAchilles de Brito氏が1918年に独立し、兄弟と共に創業した石鹸ブランド「アチ・ブリト(Ach. Brito)」。こちらもポルトで生まれたブランドで、よく知られています。現在は、先述の「クラウス・ポルト」なども傘下に入っているようです。
「アチ・ブリト」もパッケージに力を入れており、創業当初から優秀なイラストレーターやデザイナーにパッケージやポスターのデザインを依頼してきたそうです。
(参照:https://achbrito.com/pt/)
例えば、「シンボロス・ルジターノス(Símbolos Lusitanos)」ラインは、アズレージョ(ポルトガルの装飾タイル)、ファド(ポルトガルの音楽)、海、黄金など6種類のポルトガルの文化シンボルをモチーフにしたラインで、パッケージにも例えば海なら大航海時代を彷彿させるコンパスと帆船、黄金ならポルトガルの伝統金細工「フィリグラーナ」などが描かれています。
フルーツラインは果物のイラストがきれいです。
2009年に傘下に入った「コンフィアンサ(Confianca)」は1894年生まれの老舗ブランド。パッケージもレトロな雰囲気を強く打ち出しています。
これらの石鹸は、スーパーなどでも手軽に購入でき、地元っ子にも親しまれています。
(参照:https://confianca1894.com/en)
自然な香りの石鹸ブランド
続いては、1933年創業とこちらも歴史あるソープブランド、ナリー(Nally)。液体と個体石鹸のみでそれほど種類は多くないのですが、オレンジの花、オーガニックハチミツ、オリーブなどナチュラルな材料を表す柄のデザインがクラシックで素敵だと思います。どれも優しい自然な香りで、個人的にはほんのり甘いアーモンドの香りが好きです。
(参照:https://www.nally.pt/)
老舗トイレタリーブランドの石鹸
1918年にポルトで創業した、1932年に発売した歯磨き粉で知られる「コウト(Couto)」ブランドの石鹸です。歯磨き粉は創業当時から黄色いレトロなパッケージデザインと宣伝ビジュアルで知られていたそうですが、2017年にローンチされた石鹸もそんなデザイン要素を引き継いでいるように思います。
(参照:https://couto.pt/en/)
世界から愛されるポルトガルらしい高級石鹸
最後は再びポルト近郊の「Castelo da Maia(カステロ・ダ・マイア)」で作られている人気の石鹸「Castelbel(カステルベル)」。1999年、ポルト大学の教授がスタートしたブランドで、ブランド名は、所在地名とポルトガル語で「美」を意味する「Beleza(ベレーザ)」を組み合わせたものなんだとか。
ポルトの街も流れるドウロ川の上流、世界遺産にもなっているドウロ渓谷の風景にインスピレーションを受け、独自のアロマや色合い、空気感などを商品に反映させているそうです。ポルトガルの各地で見られる美しい装飾タイル「アズレージョ」ラインを始め、パッケージからもポルトガルの雰囲気を感じられます。
キッチンの蛇口などに吊るして使うイワシ型のユニークな石鹸は、柑橘系の爽やかな香りで、料理好きの間で人気があります。
(参照:https://castelbel.com/)
他にも、まだまだかわいい石鹸のパッケージがありますが今回はこの辺で。日本でも購入できる商品もありますので、機会があればぜひ手にとってみてくださいね。
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