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猛暑に活用!アメリカの多様な電解質飲料

今年も世界中で猛暑が続いており、夏場の体調管理がますます大切になってきています。ニューヨークでも熱中症にかかる人が急増し、マンションに冷房の設置を義務づける法案が審議されるほど、近年は生活環境が大きく変化しました。こうした気候の変化に加え、ランニングなどの運動を日常的に取り入れている人が多いこともあり、ニューヨークでは水分補給への意識がこれまで以上に高まっていると言えます。

アメリカのスポーツドリンクといえば「ゲータレード」が有名ですが、最近では着色料を控え、糖分を抑えたタイプが人気です。自然由来の原料にこだわったものや、ビタミンなど栄養素を追加した製品も次々と登場し、アメリカの電解質飲料の市場は大きな盛り上がりを見せています。

持ち運びに便利なパウダーやタブレットタイプが主流

たとえば「ホールフーズ・マーケット」をのぞいてみると、小分けの使い切りタイプの電解質飲料がずらりと並んでいます。街中には給水スポットが多く、水筒で水を持ち歩く人も多いため、液体の電解質飲料を持ち運ぶよりも、水に溶かすパウダーやタブレットタイプの電解質飲料が主流です。

小分けの使い切りタイプの電解質飲料
小分けパックはどれも1~3ドルほどで購入できるため、液体のスポーツドリンクを買うよりも経済的であるというメリットもあります。それぞれの商品の電解質の含有量や、プラスαの機能も異なるため、自分の体調や目的に合わせて選べるのも魅力です。
「ホールフーズ・マーケット」のプライベートブランドからもいくつか電解質飲料が販売されていますが、下の画像に写っている電解質飲料はジムに行く前に飲むタイプです。アミノ酸やカフェインが配合されています。

ホールフーズ・マーケットの電解質飲料

自然由来の原料と低糖質がトレンド

最近特に注目を集めているのが、オーガニックや自然由来の素材を使用した製品です。たとえば「Cure」は、砂糖や人工添加物、遺伝子組み換え原料を使わず、乾燥ココナツウォーターをベースに植物由来の素材のみで作られています。1パックあたり約25カロリーと糖質も控えめで甘さも抑えられており、子ども向けの製品もあります。シンプルで洗練されたパッケージは、ギフトにもぴったりです。

Cureのパッケージ
「Solti」は、人工増量剤や塩化ナトリウム、ステビアを使用せず、オーガニック認証を受けた原料のみを使用しています。抗酸化作用や肌の保湿に効果があるとされるスーパーフードを配合し、近年のアメリカの健康志向を反映させたような製品です。こちらも、やはりベースはココナツウォーターです。カリウムやマグネシウムなどのミネラルが豊富なココナツは、こうした自然派のスポーツドリンクに欠かせない原料となっているようです。

Soltiのパッケージ

多機能型製品でサプリメントとしての活用も

サプリメント大国のアメリカらしい進化を遂げているのが、多機能型の電解質飲料です。タブレットタイプの人気商品「nuun」は、カフェインやビタミンを配合したタイプに加え、高麗人参を配合した免疫サポートタイプなど、バリエーションが豊富です。水に入れると発泡し、薄味ですっきりとした味わいで飲みやすいのも特徴です。1ボトルあたり10個のタブレットが入っており、500mlの水に1つ入れるだけ。出先でゴミが出ない点も魅力です。

nuunのパッケージ
nuunの陳列棚
「KOS」は、電解質とプロテインを一度に摂取できる、まさに一石二鳥の製品です。もともとプロテインや、クロレラ、スピルリナなどのスーパーフード粉末を販売しているメーカーでもあり、そのパッケージは他ブランドのクールなイメージとは異なり、栄養補助食品を連想させるようなデザインです。1パックには1,000mlの電解質、12gの植物性プロテインと大麦米由来のビタミンが含まれており、糖質はゼロです。ジムに通っている層を中心に、人気を集めています。

KOSのパッケージKOSの陳列棚
「hydrant」は、ベーシックな水分補給用に加え、緑茶由来のカフェイン入りタイプや、L-テアニンやメラトニンを配合した睡眠サポートタイプなども展開しています。もはやサプリメントなのかスポーツドリンクなのか分からないところも、アメリカらしいです。創業者はオックスフォード大学で生物学を学んだ経歴を持ち、自身の脱水症状の経験をもとにこの製品を開発したそうです。「hydrant」の電解質バランスはWHOの経口補水液ガイドラインに準拠しており、糖分も血糖値の急激な上昇を防ぐために最低限に抑えられています。

hydrantのパッケージ

高濃縮タイプや個性派も続々登場

「Trace 40,000 Volts」は、ユタ州のグレートソルトレイクで採取されたイオン性微量ミネラルを含む濃縮タイプです。無味なので、スムージーやプロテインドリンクに加えるなど、さまざまなカスタマイズが可能です。製造元のTrace社は、50年以上にわたりソルトレイクでミネラルを採掘しており、2024年にはISO 14001の環境認証も取得しています。デザインは青いシンプルなボトルで、薬品を想起させるようなクリーンなイメージです。

Trace 40,000 Voltsのパッケージ
一方、「Liquid Death」は、その名前やパッケージからは健康的には見えず、どことなくアルコールやエナジードリンクを想像させるデザインです。フレーバーも"有罪判決を受けたメロン"味、"マンゴー・チェーンソー"味、"切断されたライム"味など、個性派揃いです。しかし、日常使い向けにカロリーも電解質の量も控えめで、売上の一部をプラスチック削減の活動に寄付するなど環境問題にも真摯に取り組む企業でもあります。

同社のCMも、パーティー続きで二日酔いの友人、疲れ切ったセラピスト、さらにはサンタクロースまでもが脱水症状でゾンビになり、その後「Liquid Death」を飲んでよみがえるというユーモアたっぷりのものですが、実は軽度の脱水が日常の体調に影響しているかも?と気付かせる内容です。

Liquid Deathのパッケージ
最後に紹介するのは、医療関係者の間で高く評価されている「Pedialyte」です。もともとは子ども用として開発された製品ですが、もちろん大人も飲用可能で、スポーツ選手にも愛用者が多い定番品です。先日、胃腸炎で体調を崩した知人が病院で勧められて飲んだところ、かなりの即効性を実感したそうです。シンプルなパッケージも安心感があり、非常時の備えとして常備しておきたくなる存在です。

Pedialyteのパッケージ

おわりに

スポーツドリンクや電解質飲料と一口に言っても、その種類や特徴は実にさまざまです。日常の水分補給から運動時のリカバリー、睡眠や免疫のサポートまで、ライフスタイルや目的に合わせて選べる時代になりました。ただし、やはり摂りすぎは禁物だそうです。自身の体調や活動量、食事内容を見ながら、適切な量を意識して取り入れることが大切です。まだまだ暑い日々が続きますが、賢く水分補給をしながら、夏を快適に乗り切りましょう!

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