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米国の急成長食品・飲料メーカー10選:注目ブランドとその戦略、パッケージ

「Inc. 5000」は、米国の非上場の急成長企業を対象としたランキングで、食品・飲料分野でも注目企業が多数ランクインしています。以下は、2025年版の「Inc. 5000」から食品・飲料カテゴリーで上位に入った企業を一部ご紹介します。成長率は2021年~2024年の3年間から算出しています。ここから未来のコカ・コーラやケロッグが誕生するかもしれません。

trüfrü(ユタ州ミッドベール)

売上高:約1億ドル以上、成長率:約8,000%超
フリーズドライ(または凍結)して新鮮な状態を保ったフルーツを、ダークチョコレートやミルクチョコレートでコーティングした健康的なスナックを展開しています。
ラズベリー、ストロベリー、ココナッツなどさまざまなフレーバーがあり、自然な甘さとチョコレートの風味を楽しめるスナックとして知られています。2022年にMars(マース)社が買収し、グローバル展開を加速しています。

CHOMPS(イリノイ州シカゴ)

売上高:約5,000万ドル以上、成長率:約3,000%
高品質なタンパク質を豊富に含む高タンパクスナックを展開しています。本物の材料で作られた、風味豊かなシンプルなスナックをD2C(Direct to Consumer)および量販店で販売しています。

Poppi(テキサス州オースティン)

売上高:約4,000万ドル以上、成長率:2,500%超
プレバイオティクス入り炭酸飲料で、腸内環境改善を訴求しています。
腸内の善玉菌を増やす働きがあるイヌリン(食物繊維)やキャッサバの根由来成分を使用しており、消化促進や血糖値の安定化などが期待されるリンゴ酢をベースにしたユニークな商品です。

1缶あたり砂糖5g以下、カロリーは約35kcalと従来のソーダよりもヘルシーで、グルテンフリーのためアレルギー対応にも配慮されています。
明るく目を引くパッケージが特徴で、Z世代を中心に人気です。SNS映えするビジュアルで、TikTokなどを活用したマーケティングが成功しています。
オンライン直販とWhole Foodsなどで展開しています。

A Dozen Cousins(カリフォルニア州)

売上高:約1,000万ドル以上、成長率:約2,000%超
エスニック風味のビーンズや米製品などの自然派食品ブランドです。主にビーンズ(豆)を中心としたレトルト食品を展開しており、クレオール、カリブ、ラテンアメリカ料理にインスパイアされたレシピが特徴です。

Magic Spoon(ニューヨーク州)

売上:約3,500万ドル、成長率:約1,200%
2019年設立のD2C型のシリアルブランドで、健康志向の消費者をターゲットに急成長を遂げている企業です。「罪悪感なく食べられるシリアル」をコンセプトとし、従来の朝食市場に革新をもたらしました。特に、糖質制限やケトジェニックダイエット(低糖質・高脂質)を意識する層に支持され、商品は高タンパク・低糖質・グルテンフリーで、従来のシリアルに比べて健康的な栄養設計になっています。

D2Cモデルによる顧客との直接的な関係構築が、ブランドの急成長を支えています。
レトロなパッケージデザインと、InstagramやTikTokでのインフルエンサー活用が成功の要因と言われています。
ミレニアル世代・Z世代の健康志向層をターゲットに、定期購入による顧客の囲い込みとLTV(顧客生涯価値)向上を目指すサブスクモデル企業です。

OLIPOP(カリフォルニア州)

売上約:約3,800万ドル、成長率:約900%
「OLIPOP」は、アメリカ発のヘルスコンシャスな炭酸飲料ブランドです。従来のソーダの甘さや人工成分を避けつつ、腸内環境をサポートする成分を取り入れた「機能性ソーダ」を展開しています。クラシック・コーラ、ルートビア、ストロベリーバニラなど、昔ながらのソーダの味を再現しつつ、ヘルシーに展開しています。

パッケージデザインやマーケティングも、若者や健康志向層に響くスタイリッシュさが特徴です。アメリカではWhole FoodsやTargetなどの大手スーパーで販売されており、Z世代やミレニアル世代を中心に人気急上昇中です。

LesserEvil(コネチカット州ダンベリー)

売上高:約2,000万ドル以上、成長率:約1,000%超
オーガニック素材を使ったポップコーンやスナックを製造・販売しています。シンプルな原材料と倫理的なブランド哲学で、健康志向層に支持されています。自社工場で製造し、自然食品店や量販店で展開しています。

「LesserEvil」製品のほとんどはヴィーガン向けです。植物由来の食生活を取り入れることで、気候変動、森林破壊、動物虐待、そして食糧不足を軽減しています。
同社はほとんどの製品にパーム油を避け、代わりにアボカド油やココナッツ油を使用しています。「LesserEvil」製品はNEOパッケージで包装されています。これらの袋には、埋立地における微生物の活動を促進する添加剤が含まれており、回収してエネルギー源として利用できるバイオガスの生成に役立ちます。

Siete Foods(テキサス州オースティン)

売上高:約5,000万ドル以上、成長率:約900%超
グルテンフリーのメキシカン食品を展開する家族経営ブランドです。タコスやチップスなど伝統料理を健康的に再構築し、文化とウェルネスを融合した商品が人気です。Whole Foodsなどで販売しています。

Catalina Crunch(ニューヨーク州)

売上高:約1,500万ドル以上、成長率:約850%
超低糖質・高タンパクのシリアルやスナックを展開するブランドです。ケトジェニックダイエット対応で、糖質制限や健康志向の消費者に人気があり、D2CとEC中心に急成長中です。ケトジェニックダイエットに適した製品を展開しています。

Spindrift(マサチューセッツ州ノーウェル)

売上高:約4,000万ドル以上、成長率:約800%超
本物の果汁のみを使用した無添加炭酸水ブランドです。自然な味わいとクリーンラベルで差別化し、健康志向層に人気があります。小売中心に展開し、透明性を重視したマーケティングが特徴です。

これらの成長企業には、健康志向、自然志向、D2C戦略の活用、持続可能性といった特徴があることが伺えます。

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