ニューヨーク年末年始ホリデーシーズンの豪華ディスプレイと今年のトレンド
ニューヨークでは、ホリデーシーズンと呼ばれる、11月下旬の感謝祭前後から、クリスマスを挟み、新年にかけての時期に、ロックフェラーセンターのクリスマスツリーをはじめ、街中で競い合うように飾り付けられた豪華なホリデーデコレーションを見ることができます。クリスマスを中心としたホリデーシーズンは、家族や友人で集まったり、旅行にでかけたりする機会が多くなり、一年で最も消費が盛り上がる時期となります。
そんなホリデーシーズンは、ビジネスにとっては、勝負月となり、店舗は、キラキラ輝く豪華なディスプレイで彩られます。賑わいが戻って来た、2021年ホリデーシーズンのニューヨークを代表する商業施設のディスプレイとトレンドを紹介します。
豪華でアートなディスプレイ
ニューヨークのホリデーシーズンの伝統的なデコレーションと言えば、ロックフェラーセンターを代表とするクリスマスツリーと、高級デパートによる様々な趣向を凝らしたホリデーウィンドウです。さらに商業施設やブティック店によるカラフルなイルミネーションの新デコレーションも加わり、キラキラとまばゆいばかりに輝く豪華で芸術的なディスプレイが、市内各地で見られるようになります。
高級デパートやブティック店が立ち並ぶ、ミッドタウンの五番街周辺は、ホリデーシーズンの豪華なディスプレイのメッカとなっています。
歴史あるデパートや商業施設に加え、最近、誕生したばかりの新スポットも、それぞれ個性的なホリデーデコレーションが行われています。2019年に登場したニューヨークの最新スポット、ハドソンヤードは、建物全体がイルミネーションで覆われ、火がぽっと灯り七色に変化する幻想的な気球の演出などもあり、写真スポットとしても人気です。店内だけでなくアウトドアも含めた広い敷地全体が、ゴールドのイルミネーションの統一感あるコーディネートで、ハドソンヤードならではの豪華なデコレーションとなっています。
ウィンターバケーション
パンデミックがまだまだ続く現在のホリデーデコレーションのトレンドの一つとなっていたのが、ニューヨークに居ながらバケーション気分が盛り上がるディスプレイです。パンデミック中のため、旅行を控え、近場へ遊びにいくという人も多く、そんな人々でも、ニューヨークに居ながらウィンターリゾート気分が味わえるデコレーションが登場していました。
ウィンターバケーションをテーマとしたディスプレイが見られた1つ目の場所は、ニューヨークのホリデーシーズンの中心的存在である商業施設、ロックフェラーセンターです。ニューヨークで一番豪華なクリスマスツリーが飾られ、盛大な点灯式も行われる、世界的にも有名なニューヨークのホリデースポットです。
こちらは、ロックフェラーセンターで、今年の冬登場していた山小屋風シャレーです。Coach とのコラボによるホリデーキャンペーンで、ポップアップ店とともに、Après Skate chalets という、山小屋風シャレーを展開していました。
出店でお食事を購入したあと、グループ毎に、シャレーを貸し切って楽しむことができます。
2つ目の例は、ダウンタウンのブルックフィールドプレイス (Brookfield Place) で開催されていた、The Lodges です。
スキー場に来たような気分を楽しめる、リフトもあり、チョコレートショップや、シャンパンのPRブースも登場。ちょっとした冬のバケーション先に来た雰囲気を楽しめる休憩スポットになっています。ファミリー層に人気があり、子供たちと一緒にリフトに乗り、写真撮影を楽しんだりできます。
アートなパッケージのディスプレイ
ロックフェラーセンターでは、パッケージが主役となり、大々的にポップアート風に飾られていました。
こちらは、今年で誕生から100周年を迎えた、シャネルの香水、シャネル N°5 です。香水のボトルの形、キャップの形、ボックスのデザイン、年代によって進化している様子が分かるディスプレイとなっており、長く愛され続けている、歴史あるブランドであることがよく伝わってきます。
ロックフェラーセンターには、いつも様々な現代アート作品が、期間限定で飾られていますが、そんなロケーションで、ブランドのこだわりのパッケージを、現代アート風にディスプレイした、面白いキャンペーンとなっていました。
フランスのシャンパンブランド Moët & Chandon のPRイベントが、ダウンタウンのブルックフィールドプレイス (Brookfield Place) で、ホリデーシーズン中に行われました。スキー場気分を楽しめる The Lodges のイベントにおける開催です。
ゴールドのシャンパンのボックスの中に入ってきたようなイメージと、シャンパンの泡を連想させる美しい風船がいっぱい飾られたディスプレイで、Moët & Chandon の華やかな世界がそこに演出されています。
ホリデーマーケット
ホリデーシーズンに活躍するのは、大きな店舗を構える有名ブランドだけではありません。ニューヨークでは、可愛い雑貨やクリスマスグッズなどを販売する、スモールビジネスが数多く集まるホリデーマーケットが、公園をはじめ様々な場所で開催されます。ホリデー感溢れる雰囲気の中、グルメやショッピングを楽しむお客さんで夜まで賑わいます。
公園や広場などパブリックスペースだけでなく、ワールドトレードセンター内の商業施設であるオキュラス(Oculus) でも、ホリデー気分が盛り上がるデコレーションとイルミネーションの中、ホリデーマーケットが開催されました。
スノーマンが踊るライトアップの演出も楽しく、天井を照らすカラフルなイルミネーションも華やかで、子供から大人までみんながその空間にいるだけで楽しくなる雰囲気作りがされています。
テーマはニューヨーク
ホリデーシーズンには、ニューヨーカーはもちろん、旅行者の気分も盛り上がる、ニューヨークをテーマにしたアートなディスプレイもよく見られます。過去には、ティファニーや、五番街のデパートのホリデーウィンドウなどでもニューヨークをテーマにしたディスプレイが見られたことがあります。
今年も、こちらのようなロックフェラーセンターや、エンパイアステートビル、イエロータクシーなどニューヨークを代表するスポットが色々登場する楽しいディスプレイが行われていました。
今年は、Kate Spade のブランドが、ニューヨークの街のプロモーションキャンペーンの象徴である、I LOVE New York(※LOVEはハート絵文字) をテーマにし、色々商品展開をしていました。
I LOVE New York は、ニューヨークの街の観光プロモーションのために、1977年に Milton Glaser がデザインしたロゴです。現在でもこのロゴはとても人気があり、ニューヨーク観光の象徴となっています。ニューヨーク生まれのブランド Kate Spade は、ホリデーシーズンのキャンペーンとして、そんなニューヨークのPRになるコラボを展開していました。
ホリデーディスプレイのトレンド
アメリカでは、ホリデーシーズンは、一年で最も消費が盛り上がる時期です。特に、ニューヨークでは、それぞれの地域やビジネスが多くの集客を目指し、競い合うように飾り付けを行うため、街の様々なエリアで、素晴らしいディスプレイが楽しめます。パンデミック後の落ち込みから、だいぶ活気が戻って来た今回のニューヨークのホリデーシーズンでしたが、最も顕著だったトレンドの一つは、ブランドとのコラボです。長年のブランディングの成果と言えるかもしれませんが、経済刺激策などの追い風もあり、アップスケールブランドは、パンデミック中も驚く程好調な業績を維持しており、現在も、さらにPRに注力しています。
また、これまでは、オフィスワーカーや旅行者を意識した大人向けのディスプレイが多かったのですが、パンデミックによる客層の変化により、子供を中心とした家族向けを意識したものがとても増えています。伝統的なクリスマスデコレーションに加え、近年はLEDを用いた色鮮やかなイルミネーションの使用が非常に増えており、ニューヨークのホリデーシーズンのディスプレイは、パンデミック中でも進化を続け、年々豪華さが増しています。
そんなニューヨークの街のホリデーシーズンの名所を映像でも紹介していますので、よろしければご覧ください。