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ディスプレイデザインで魅せる、SNSで生む共感。

オリジナルペットグッズを扱うのフラッグショップ

SOHOを歩いていた時のことです。ピンク色の花(造花)をふんだんに使ったショップ・エントランスのデコレーションがパッと目に飛び込んできました。なんのお店かな?と近づいてみるとペットショップ!これはかなり想定外。インパクトがありました。

写真:遠目には花のかたまりに見えたドッグハウス。よく見ると、横には水用のボウルも。

 

マックス・ボーンのコンセプトは、「タイム・レスでシンプル。エレガントで機能性の高いペット製品(アパレル、玩具、ベッド、首輪&リーシュ)をあなたの犬と、あなたに提供します」。現在ロサンゼルスとニューヨークにフラッグショップを持つペット用品のブランドです。創始者のパリッサはストックホルムで育ち。ロンドン、ニューヨークに住み、現在はロサンゼルス在住の40代の聡明な女性。愛犬マッキントッシュと暮らし始めたときに、ペット用品には高品質の製品が少ないことを痛感。一緒に暮らす人間のライフスタイル(ファッション、家庭用品、インテリアなど)と、ペット用品の間にギャップを埋めたいと思い、デザインと機能性の高いペット用品の開発に着手し、max bonekyouが生まれました。

 

写真:マックス・ボーンのショーウィンドウディスプレイは今までのペットショップとは明らかに一線を置く、ミニマムで洗練されたイメージ。

写真:カラーコーディネートされたリーシュやアパレルのコーナーは人間のブティックを思わせる。足元にドッグ・ベッド、次にセーター($65~)、グレイのフェルトバッグは玩具入れ。中にはトリート(おやつ)が入っている。ナチュラルトーンな色合いで、蛍光色やプラスチック製品が多いペットショップとはだいぶ趣が違う。

写真:この一角は大人っぽいくすんだピンク〜茶系を集めている。マックス・ボーンのシグニチャーアイテムでもある蝶ネクタイ($45)のついた首輪。その上はバンダナ($15~)、玩具($14)、ぬいぐるみ($25)。見た目より低価格な印象がある。マックス・ボーンの照明は、色合いが温く、トーンもかなり暗め。ニューヨーク店内には陳列棚がなく、高級ブティックや百貨店のディスプレイ方式(間隔を詰めず、並べすぎない)で、商品ひとつひとつの良さを際立たせている。

写真:イメージはすべてマックス・ボーンのインスタグラムから抜粋

マックス・ボーンのマーケティングは、ファッション、インテリア、ともにナチュラル〜モダンなライフスタイルを好む顧客層にターゲットを絞り、ペット用と人間用を区別しないカラーリング。例えばペット用のセーターやジャケットの色は、飼い主のファッションを想定してカラーコーディネートしているそう。

 

写真:モノトーンでイメージを作ると都会的でセレブな印象に。写真右上:排泄物袋。左下:Born Box。中央:オリジナルキャンドル。右下:ショッピングバッグ。

 

プロモーションは、マックス・ボーンのドッグ・ベッドや、首輪を着用したセレブリティと愛犬の写真をインスタグラムに載せることでそのセレブのファン層にアピール。年会費100ドルというメンバーシップに入ると、すべての商品が20%オフになり、会員オンリーのセールへの招待、愛犬のバースデーにショップを訪れると、シャンパンとおやつで祝ってくれるなど、顧客はセレブ気分が味わえる。Bone Boxという毎月25ドル分(6ヶ月分先払い)のお任せギフトが家に届くサービスも、ギフトとして好評。こんなふうに書くと、すべてが高級なイメージですが、クオリティに対し価格帯が良心的という声が多いのもこのブランドの特徴です。

 

 

ペット業界の変化

愛犬家にとって、ペットはずっと家族でしたが、ようやく業界もそのニーズを受け入れたようです。このコラムを書くにあたって、久しぶりにペットショップを訪れると、食品もシャンプーも玩具も、安全性が明記された物が増え、クオリティ面がかなり改善されていてうれしくなりました。

写真:今回リサーチに訪れたペットショップ「PETCO」ブルックリン・パークスロープ店のドッグフードのコーナー。

写真:オレンジやロイヤルブルーといった目立つ色を使いながらも、アーストーンな落ち着いた雰囲気が漂う様々なメーカーのドッグフードのパッケージ。

写真:各社トリート(骨など)のパッケージ。

写真:白が基調のウェル・グッズ(Well & good)のシャンプー、サプリメント、トリートのパッケージ。モダン系、シンプル系のインテリアを好む家の中にあっても邪魔にならないパッケージを採用している。

写真:ペット製品にもオーガニックの波が。リサイクル素材でコンポーザブルなパッケージを提唱するアースレイテッド(earth rated)のWaste Bag Dispenser (排泄物袋)。

写真:メイドインUSA、オールナチュラル、人間の食品と同じクオリティのドッグフードを提唱するスポットファームズ(spot farms)のパッケージ。

今回の取材で、ペット業界にも安全性の高い食品や、リサイクル素材、オーガニックの波が広がっていることを知りました。パッケージングに至っては、色合いは随分整ってきましたが、新しいパッケージはまだまだ開発の余地があるというのが印象です。そんな中、フレッシュなマーケティングとプロモーションで注目を浴びていたのがマックス・ボーンです。ペットは家族。人間と差別(区別)しない、ヒューマンクオリティの商品開発は、ライフスタイルにマッチするペット用品の開発は、ペット業界の未来の要になっていくと思われます。

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