【バティック】マレーシアの伝統工芸のデザインとパッケージから探るローカルの好みとは?
バティックはろうけつ染めの布のことで、洋服や雑貨、パッケージなどに用いられるマレーシアの伝統工芸です。バティックはマレーシアの人々の生活に浸透しており、多くの人が自国の文化として誇りを持っています。この記事では、バティックについて紹介しつつ、パッケージから見えるマレーシア人の好みに迫ります。
マレーシアのバティックって何?

マレーシアのバティックは鮮やかな色合いのものが多いです
バティックは、伝統的なろうけつ染めの布のことです。チャンティングという専用の道具を使ってろうで模様を描き、その後、布を染め上げるという独特の製法で作られます(現在は工場で印刷したバティックも多いです)。マレーシアやインドネシアは、バティックが有名です。また、ガーナやナイジェリアなど西アフリカの一部地域でも、バティックの製法を利用した布が作られています。隣国であるインドネシアとマレーシアのバティックは、似ていると言われることもありますが、私は、色使いに違いがあると思っています。
鮮やかな色合いが多いマレーシアに比べて、インドネシアは落ち着いた色合いであることが多いです(あくまで個人の意見です)。
マレーシア人の生活に浸透しているバティックの用途

バティックの巻きスカート:このようなスカートは畏まった場所でも通用します。
バティックはマレーシア人の生活に浸透しています。現地では、主に以下のような用途で使われています。
- 男性のフォーマルシャツとして
- 女性のフォーマルウェア(バジュクロンやケバヤ)として
- バティックを腰に巻いてルームウェアとして
- バッグや雑貨として
バティックは、フォーマルウェアとしても、日常のルームウェアとしても愛用されています。例えばバティックシャツは男性のフォーマルウェアとして着用されます。ビジネスの場や結婚式などの正装としても使用されています。暑いマレーシアにあって、ネクタイをせずに済むので合理的なのだとか。

KLIAでたまたま開催されていたLEGOのキャンペーン。LEGOバージョンの客室乗務員のユニフォームも再現されていました
また、女性のフォーマルであるバジュクロンやケバヤとしてもバティックが利用されることが多いです。代表的なのが、マレーシア航空の客室乗務員のユニフォームです。鮮やかな色合いのバティックです。
バティックで作った巻きスカートは、少しかしこまった場所でも着用されています。さらに、マレーシアの女性は、バティックを腰に巻いてルームウェアとしても使っています。特に高齢の方がバティックを好んで使用しているイメージがありますが、だからといって、若い人が利用していないというわけではありません。私も、結婚祝いにルームウェア用のバティックをプレゼントされました(当時20代でした)。
現地の友人の家を訪ねると、当たり前のように洗濯物としてバティックが干されていることも。このように、バティックは公私を問わず、マレーシアの人々の生活に根付いています。
バティックの種類

友人がバティックを使って自宅の椅子をDIYしていました。この布はプリントタイプです
バティックの種類はいくつかあり、地域によって特徴が異なります。それぞれ、自分たちの地域のバティックに誇りを持って、正装に取り入れています。そのため、バティックを見て「○○出身ですか?」と、会話が発展することも少なくありません。また、下記のように、バティックに使用する生地の種類や製造過程にも違いがあり、値段設定も異なります。
- 手描き(Hand-drawn):職人がチャンティング(ろうを入れる道具)を使い、手作業で繊細な線を引いて染料で色付けするもの。伝統的な製法で作られ、高価なものが多いです。
- ブロック・スタンプ(Block / Stamped):真鍮製のスタンプを使って型押しで模様をつけるもの。均一で美しい柄が特徴です。私は、日本でも取り入れやすいと思います。
- コンビネーション:手描きとブロックの型押しを組み合わせた手法。
- プリント:機械で柄をプリントしたもの。安価で日常使いの布地として流通しています。スーパーなどでも気軽に売られています。
最近マレーシアで日常的に見かけるバティックは、プリントタイプが多いです。プリントタイプだと安価で手に入るうえ、色落ちを気にせずに気軽に洗濯機を使えるので便利です。上の写真のようにバティックを使ってDIYする場合も、プリント柄のものが好まれます。
バティックのデザインから探るマレーシア人の好み

KLIAの空港のラウンジにて。ラウンジの壁はバティックを連想するデザインですが、花が大きく描かれています
バティックのデザインからマレーシア人の好みについて、次のように感じます。
- 花や葉っぱのモチーフが非常に多い
- カラフルではっきりとした色使いが多い
- 日本の浴衣のデザインに似ている
マレーシアのバティックは、花や葉っぱのデザインが大きく描かれ、カラフルなものが多いのが特徴です。例えば、赤と緑、鮮やかなピンクと青などのはっきりした色同士の組み合わせも非常に多いです。
私は、初めて見たときには「え?すごく派手かも?」と驚きました。でも、南国のマレーシアの眩しい太陽と綺麗な青空の下では、マレーシアの鮮やかなバティックがとても映えるのです。いつの間にか私もバティックの柄に魅了され、鮮やかな色合いも好きになってしまいました。私が出会ったマレーシアの人々は明るい人が多く、いつも笑顔で冗談を言い合っているイメージです。そんな彼らの性格がバティックにも反映されているのかもしれないと感じました。
浴衣のデザインに似ている

バティックの植物のデザインや色合いは浴衣にもマッチします
バティックと日本の伝統的な布は、一見すると異なりますが、よく見ると日本の浴衣のデザインに似ています。浴衣も、鮮やかな色合いや、花・植物をモチーフにしているデザインを見かけます。そういったところがバティックと似ているのかもしれません。
実際に、世界のバティック(マレーシアバティックとは限りませんが)を使って浴衣を作るクリエイターの方や、マレーシアの文化を発信するためにマレーシアバティックで浴衣を作るという企画をしているグループなどもあります。浴衣として使用しても違和感なく、むしろ可愛らしく着こなせます。
お土産にも大人気!

セントラルマーケットで売られていたバティック柄のスカート
マレーシアの生活に浸透しているバティックですが、お土産としても大人気です。例えば、巻きスカートやシャツ、小物やアクセサリーとして売られているのを見かけます。バティック柄のアクセサリーは、ファッションのアクセントにもなります。
巻きスカートやアクセサリー類は「バジュクロンやケバヤを持ち帰っても使用する機会がない」と感じる方でも取り入れやすいので人気です。最近、私たちの家に日本からの来客があったのですが、その方々も、バティックの巻きスカートを自分用のお土産として選んでいました。アクセサリーを見たときに「可愛い~」と選んでいたのが印象的でした。
パッケージから探るバティックに対するマレーシア人の気持ち

ナマコ石鹸をバティックで包んで売っています
お土産のパッケージとして、バティックが使用されることも多いです。有名なのがナマコ石鹸です。ナマコ石鹸はマレーシアを代表する人気のお土産ですが、石鹸がバティックでキャンディーのように包まれて売られているのをよく見かけます。「バティックとナマコ石鹸を組み合わせることで、まさにマレーシアらしいお土産」となるからです。
また、お土産のパッケージにバティックの柄がプリントされているものも、たびたび見かけるようになりました。マレーシアの人たちもバティック柄について「自分たちの文化」「マレーシアらしいイメージ」と考えていることがうかがえます。マレーシアらしさを表現するデザインとして、バティックの柄が広く認識されているのです。
バティックはどこで買える?

セントラルマーケットで売られていたお土産。バティック柄のマグネット
バティックを簡単に購入できる場所は、セントラルマーケットです。セントラルマーケットには、伝統工芸品や、エスニック系のアクセサリー、お菓子、雑貨などマレーシアのお土産が集まっています。服や雑貨、アクセサリー類、ナマコ石鹸など、バティックに関連する商品も一通り揃っているので、まとめて購入できます。掘り出し物を見つけるのにもぴったりな場所です。
また、大型ショッピングモールには、バティックシャツを売っているアパレルショップもあるので、お気に入りのものが見つかる可能性もあります。
【セントラルマーケットのアクセス情報】

セントラルマーケットの外観
住所:〒50050 Federal Territory of Kuala Lumpur, Kuala Lumpur, Kuala Lumpur City Centre
マレーシアでバティックに触れてみよう

お土産用のパッケージの箱のデザインにバティックの柄が使われています
マレーシアのバティックは、フォーマルな服やルームウェアとして利用されるのはもちろん、お土産用の雑貨にも幅広く取り入れられています。ナマコ石鹸を包んだり、お土産のパッケージのデザインに使われたりと、バティックはマレーシアのシンボル的な存在です。明るい色同士を組み合わせた鮮やかな色使いや、自然をモチーフにしたデザインが可愛らしく、思った以上に日本のインテリアにも馴染みます。
私も、バティックの巻きスカートを履いて外出することが多いですが、着心地がよく、Tシャツなどとの相性も良いので、気に入っています。そして、スカートを見ながら、自然を大切に思う気持ちは、どの文化でも共通することだと感じます。
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