ローカル食を身近で親しみやすい存在に。観光客にも地元民にも愛される「Toast Box」の工夫と魅力

2005年にシンガポールで設立された「Toast Box (トーストボックス)」は、シンガポールやマレーシアなどでなじみのある南洋珈琲やローカルトーストなどを提供するコーヒーチェーン店です。当時を再現した空間の中で、伝統的なスタイルの食事を気軽に味わうことができるため、地元民のみならず観光客など連日多くの人々に利用されています。

シンガポール発祥のBreadTalkグループ傘下のブランドである本店舗は、BreadTalk同様に海外展開も積極的に行っており、国外ではマレーシア、インドネシア、台湾、香港などの国々に進出しています。ローカルコーヒーおよびフードを現代的な空間で提供することをコンセプトとしており、雰囲気はどちらかというとレストランよりもカフェのようなカジュアルなスタイルです。

店名の通り、看板メニューはトーストです。食パンをシンプルに焼いたものももちろんありますが、メインとしているのはカヤトーストなどのトーストサンドです。加えて、力を入れているのはローカルドリンクです。コーヒーを中心に豊富に取り揃えたドリンクを、トーストなどの軽食や食事のメニューと楽しんでもらうことを趣旨としています。日本には未上陸ですが、アジア全域に展開しているため、世界的に非常に知名度の高いグローバル企業でもあります。本日は、そんなシンガポールのローカルブランド「Toast Box」についてご紹介していきます。

下記からは筆者が実際に試したメニューについて記載していきます。数あるメニューの中で、筆者が最もおすすめするのは看板商品のカヤトーストです。

カヤトーストと一言にいっても、パンが分厚くふわふわしたものや薄くカリカリとしたものなど、店によってさまざまな種類があります。「Toast Box」のトーストは程よい厚みでパンの食感も楽しめて、個人的にはベストな薄さです。そこにたっぷりとカヤジャムとバターが挟まれているのが本店のカヤトーストの特徴です。

口に入れると炭焼きの香ばしいパンと、濃厚でコクのあるカヤジャムとバターが絶妙なバランスで合わさり、とても美味しいです。カヤジャムは、ものによっては原材料のココナッツやパンダンリーフ、卵の主張が強いものもありますが、本店のものは食べやすく、そうした点も多くの方に愛されている要因であるように思います。　

ラクサやカリーチキンといったローカルフードの提供もあります。スパイシーながらもクセがなく食べやすいのはチェーン店として万人が食べて“美味しい”という味付けを意識しているからだと思われます。

Kopi(コピ)という砂糖とコンデンスミルクを入れたローカル式のコーヒーやTeh(テ)と呼ばれるローカル式ミルクティーをはじめ、ドリンクもバリエーション豊かです。カウンター越しにスタッフがドリンクを淹れる様子を見ることができるのも楽しく、貴重な光景です。

下記からは観光客にもなじみ深い高島屋デパート内の店舗を訪問時の写真とともにご紹介していきます。高島屋デパートはシンガポールの中心地であるオーチャードに位置しており、便利な場所にあるため、ショッピングの合間などに立ち寄ることができるのも利点です。

店内に入ると、挽きたての豆で淹れたコーヒーの香りが出迎えられます。

メニューには定番のトーストや数多くのドリンクが並びます。

上記に加え、パンダンリーフを使ったケーキや中華系の伝統的なお菓子類、食べ物以外にも、シンガポールの国花である蘭を模様にしたグラスや、「Toast Box」のロゴが入った食器類などの販売もしています。現地ならではのお土産を選ぶことができるのも来店の楽しみの一つです。

かつてのシンガポールの街並みや人々の写真が飾られた内装はクラシックでとても素敵です。当時の雰囲気や歴史を感じながら食事を味わうことができます。

訪問時は期間限定メニューのあんバタートーストとアイスミルクティーをオーダーしました。サクサクとしたパンの中にたっぷりのあんことバターを挟んだトーストは美味しく、茶葉の香りがしっかりするミルクティーとも相性抜群でした。

チェーン店ということもあり、気軽に入りやすいという点が本店の大きな強みでもあります。シンガポールを訪れた際は、ぜひクラシックな空間で伝統的なスタイルの食事を楽しんでみてはいかがでしょうか。お店で提供される料理やドリンク、店の雰囲気を通して、シンガポールという国をより知るきっかけとなるかと思います。

▼参考資料(URLは外部リンクへ飛びます)

Toast box公式サイト
https://toastbox.com.sg/

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