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アメリカ・ポートランドで見る看板

「パケトラ」読者のみなさま、こんにちは。ポートランド在住の東リカです。

ポートランドのダウンタウンは、街区が小さく、歩行者にも優しいことで知られています。そこで今回は、街を歩く中で出会うポートランドのイメージを造っている看板を紹介します。

地元っ子に愛されてきた「ポートランド」看板

アーリン・シュニッツアー劇場に掲げられた看板

まずは、ダウンタウンの公園街区パークブロックとブロードウェイ間にある美しい劇場「アーリン・シュニッツアー・コンサート・ホール(Arlene Schnitzer Concert Hall)」に掲げられた「ポートランド(PORTLAND)」の文字が縦書きされた看板。

劇場は1927年に完成した歴史あるものですが、看板は1984年に改装して再オープンした際に取り付けられたそうです。夜間はネオンが灯り、期待に満ちた来場者たちを導きます。

ホワイト・スタッグ(白鹿)の看板

もう1つは、市内を横断するウィラメット川にかかるバーンサイド橋のダウンタウン側、チャイナタウン・オールドタウン地区にあるホワイト・スタッグ(白鹿)の看板。こちらが完成したのは1940年で、元々は砂糖ブランドの広告だったそうですが、現在はオレゴン州の形の中に白鹿、そしてポートランド、オレゴン、オールドタウンの文字が入っています。

こちらも夜間は電飾されます。しかもホリデーシーズンには「真っ赤なお鼻のトナカイさん」のように鹿の鼻に赤い明かりをつけるという伝統があります。

共に、「ポートランド」の文字が入った直球ど真ん中の分かりやすい看板で、絵葉書などにも採用される街のシンボルとなっています。

ポートランドの非公式スローガン

一輪車に乗ってバグパイプを吹くユニパイパーの動画でも全米に知られることになったKeep Portland Weirdのサイン。写真提供: Unipiper

続いては、ポートランドの非公式スローガン、と言われる「キープ・ポートランド・ウィアード(Keep Portland Weird)」のサインです。Weirdは「不可思議な」「風変りな」「奇妙な」という意味の単語で、「ポートランドは変な町で居続けよう」とか「風変わりなポートランドのままでいよう」と訳されます。

この言葉は2003年に地元の独立系レコード店「ミュージックミレニアル」のオーナーがオースティンで見かけてポートランドに持ち込んだところ、個性を重んじるポートランドの気質にしっくりと合い、本家を超えて瞬く間に浸透したといいます。現在はステッカーや缶バッジ、Tシャツなどあちこちで見かける言葉ですが、最も有名なのがこのオールドタウン・チャイナタウン地区のナイトクラブ「ダンテ」裏の駐車場の壁のサインです。

ちなみに、ポートランドの非公式マスコットで個性豊かな人たちの才能、クリエイティビティ、自己表現を評価・支援し、風変わりなポートランドを守る非営利団体「ウィアード・ポートランド・ユナイテッド(Weird Portland United 以下、WPU)」創業者でもあるユニパイパー氏のバイラル動画もこの壁の前で撮影されました。

ユーモアを感じる「ゆるめ」の看板

ブードゥー・ドーナツの看板

この「キープ・ポートランド・ウィアード」サインのすぐ側にあるのが、以前にも紹介した(記事はこちら:https://pake-tra.com/package/5637/)ポートランドの人気ドーナッツ店「ブードゥー・ドーナツ(Voodoo Doughnut)」の1号店。実際に販売している、ちょっと奇妙なブードゥー人形型のドーナツを描いたネオンサインが掲げられています。

また、もう1つポートランドのオールドタウン・チャイナタウン地区の有名なサインといえばこちらのハング・ファー・ロー看板。1917年に建てられたという歴史あるビルのリノベーションのため一度は取り外されたのですが、市民の熱い要望と募金により、新しいデザインで再度設置されたそうです。

一見、普通の中華料理屋の看板のようですが、ウィキペディアによる(https://en.wikipedia.org/wiki/Hung_Far_Low_(restaurant); )と広東語で「紅花料理店」、台湾語の方言で「アーモンドの花の香り」という意味に聞こえるという「ハング・ファー・ロー(Hung far low)」は、英語だとhang lowやhungの俗語からの連想もあり、インパクトが大きいのです。気になる方はhungの俗語、調べてみてください。

看板から見えてくるポートランド

最初に紹介したホワイトスタッグサインの赤鼻もそうですが、ポートランドっ子に愛されるサインは、スローガン「風変わりなポートランドのままでいよう」に沿ったちょっと風変わりでユーモアのあるものが多いようです。

それはきっと、リラックスしたポートランドっ子気質はもちろん、住人たちがポートランドの奇妙さを誇りに思い、支持しているからかもしれませんね。

 

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