消費者の写真がパッケージに!ポートランド発、パッケージでブランドとファンをつなぐ調味料ブランド
「パケトラ」読者のみなさま、こんにちは。ポートランド在住の東リカです。今回は、消費者の地元愛をパッケージに反映しているオーガニック調味料ブランド「Portlandia Foods(ポートランディア・フーズ)」をご紹介します。
選択肢の少なかったケチャップ界にサステイナブル&ヘルシーなブランドが登場
ポートランディア・フーズ(Portlandia Foods)は、2010年にジェフ・ベルガディン(Jeff Bergadine)氏とマイケル・ディール(Michael Deal)氏がポートランドで創業したオーガニック調味料メーカーです。
アメリカ人にとってケチャップは、レストラン、ダイナー、カフェテリア、シアター、自宅など、至る所の食卓に置かれている日常的な調味料。ところがケチャップは、それほど身近な食品でありながら、たとえヘルシーさを売りにしたレストランでさえも、高果糖コーンシロップ(異性化糖;HFCS)や農薬を吹き付けた遺伝子組み換え食材を原料にした商品を提供するほど、市場には選択肢がありませんでした。
そのことに疑問を覚えた2人は、ジェフ氏の台所で誰もが安心して食べられるケチャップの開発に挑みます。
完成したのは、地元有機農家の食材を使った、アメリカで最も厳しいと言われるオレゴンティルス認証オーガニック(OTCO)、 USDA認証オーガニック、非遺伝子組み換え、高果糖コーンシロップ不使用、塩分・糖分控えめの「ポートランド・ケチャップ」。
ガラス瓶に入った真っ赤なケチャップは、その環境や身体への配慮とフレイバーで、瞬く間に地元のシェフや消費者のお気に入りとなりました。
消費者の地元愛が反映されたパッケージデザイン
ポートランディア・フーズの調味料は、商品自体はもちろんパッケージもユニークで、商品ごとにそれぞれ20種類ほどの異なるラベルが存在します。実はこのラベルの写真は、どれも消費者が使って欲しいと送ってきた写真なのです。
2010年の「ポートランド・ケチャップ」発売時からラベル用写真の募集は続いており、ポートランディア・フーズには、既に何百枚もの写真が届いています。約90日ごとにインハウスのクリエイティブチームが、届いた写真から「ポートランドらしくて見た瞬間に微笑んでしまうような写真」をどの調味料の色に映えるか考慮した上で、新たに採用しているそうです。
CEOのライアン(Rian Hanneman)さんは、ポートランディア・フーズの商品が「定番の調味料でありながら、ヘルシーさを前提にした新たなフレイバーを提供していること」に加えて「コミュニティのつながりを感じること」を最も誇りにしているそうです。
ライアンさんによると、パッケージのラベルは「誰もが商品作りに参加できる、ブランドとファンをつなぐ機会」であると同時に、「コミュニティのサポート」を象徴するもの。
確かに、セントジョンズ橋、フッド山、ダウンタウン、バラの花、ヘイスタックロック、自転車、スキー、サーフィン…様々な視点で切り取られたポートランドの姿には、消費者のポートランドへの愛情を感じます。
素材の味を生かした調味料
我が家でも「ポートランド・ケチャップ」を実際に使っていますが、人工的な嫌な甘さの代わりに、甘酸っぱいトマトの味が口いっぱいに広がる美味しいものです。
また、ポートランディア・フーズは「ポートランド・マスタード」を始め、BBQソース、ウスターソース、スパイシー・ウスターソース、カクテルソースと、次々とヘルシーな調味料を発表しました。
全て自然の有機食材のみで出来ています。例えば、アメリカの定番マスタード同様、常温保存が可能な真っ黄色でクリーミーな「ポートランド・マスタード」には、アップルサイダービネガー、マスタードシード、塩、ターメリック、黒胡椒、スパイスと、余計な添加物は一切入っていません。
価格もオーガニックの商品にしては、ケチャップ、マスタード共に14oz (397g) 3本入りで11ドルと比較的手に入れやすいのも魅力です。そしてユニークなパッケージにはその土地らしさが詰まっていて、お土産にもぴったりです。
パッケージ用の写真はポートランディア・フーズの応募ページから簡単に投稿できます。写真が採用された方には、そのラベルの商品を国外へでも送付してもらえるそうです。
ポートランディア・フーズ(Portlandia Foods)公式サイト
https://portlandiafoods.com/
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