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夏の終わりの大セール「バック・トゥ・スクール」で見つけた子ども向け商品

アメリカの学校は9月に新学期が始まり、それに合わせて「バック・トゥ・スクール」のシーズンが訪れます。夏休みが終わる頃から、新学期の準備として開催されるこの季節催事では、文房具や衣類、電子機器などが特設コーナーに並び、セール価格で販売されます。学校や勉強とは直接関係のないおもちゃまでが便乗するのも、よく見られる光景。多くの家庭がこの時期に子どものための商品をまとめて購入するため、メーカーや販売店にとっても重要な商機となっています。

普段はあまり目立たない商品も、このシーズンになると店頭プロモーションが活発となり、日本では見かけないようなユニークなアイテムに気付かされます。今回は、そんなアメリカならではの子ども向け商品をいくつかご紹介します。

教育的価値のブランド付き:『ナショナルジオグラフィック 君だけの火山を作ろう』『クレヨラ カラーケミストリー』

『ナショナルジオグラフィック』はケーブルテレビやサブスクサービスで観ている人も多いと思います。壮大なスケールの科学や自然環境、野生動物などに関する良質なコンテンツで知られ、親子で楽しめる教育的価値の高い番組を提供しています。そのナショジオが監修した知育玩具シリーズがこちら。このシリーズでは、水晶を育てたり、ロケットを飛ばしたりと、さまざまな科学的体験ができるキットが揃っています。今回ご紹介するのは、その中の自分で火山を作ることができる工作キットです。(画像1)

まずは土台となる山の模型を作り、火口に謎の粉を流し込みます。上から水を注ぐと、何らかの反応が起こり、まるでマグマが噴き出すかのような演出が楽しめます。さらに、火山の起こる仕組みを解説する冊子もついており、子どもの知的好奇心を大いに刺激すること間違いなしです。

ちなみに、パッケージに描かれている火山のイラストはあくまでイメージ。実際にこんな風に爆発したらさすがに危険ですよね。でもなかなかの迫力はありますので、ご興味のある方YouTubeなどの動画サイトで、商品名を検索してみてください。いろんな人が実験してみた様子が見られます。

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火山の噴火に見立てて泡が吹き出すこの仕組みは人気が高いのか、他の知育玩具シリーズにも採用されています。

歴史あるクレヨンブランドのクレヨラは、教育現場で子どもたちと共に歩んできたブランドとしても信頼されており、色にまつわる化学反応を楽しみながら実験できるキットが『カラーケミストリー』を発売しています。(画像2)

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ナショジオのキットがリアルな再現性を重視しているのに対し、クレヨラは創造性を大切にしており、自由な着色を楽しめるようになっています。この火山実験の他にも、スライム作りや謎の竜巻観察、光るミミズ作りなど、大小50種類の実験が「ラボセット」として1つにまとめられています。

どれも鮮やかな色使いを意識したものとなっており、クレヨラはただのクレヨンセットのブランドではなく、色に対する能力開発に力を入れている総合的なブランドであるとの自負が感じられます。

子どもの唇においしいリップグロス:『リップスマッカー』

乾燥した気候の影響もあってか、アメリカでは日本よりもリップグロスやリップバームが豊富に揃っている気がします。 医師が開発した高機能で高価格なものから、気軽に使えるカジュアルなもの、発色の良いコスメ的なものまで、ドラッグストアにはさまざまな商品が並んでいます。

そんな中で人気なのが、「リップスマッカー」というブランドです。バックトゥスクールのシーズンに展開されたポップな特設販売台のデザインからもわかるように、子どもをメインターゲットにした企画商品も取り揃えています。(画像3)

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リップスマッカーは、リップグロスでありながら味がついており、お菓子のような楽しいパッケージも魅力の一つ。

人気キャラクターを使ったフィギュアのようなケースや、コカ・コーラなどのソフトドリンクの味とパッケージを連動させたものなど、子どもがおもちゃやお菓子感覚で楽しめるバラエティに富んだラインナップです。(画像4)

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コスメポーチ風のパッケージや、友達とお揃いにできる5〜8本入りのシェアパックなど、アソート品も個性的。

ちなみに、「スマッカー」の元となった単語の「スマック」には、「チュッ」というキスの音の意味があり、さらに「~の味がする」といった意味も含まれるため、このブランドにぴったりなネーミングですね。

子どもの自尊心を忍者が守る:『ニンジャマス』

『ニンジャマス』は赤ちゃん用ではなく、子ども用の夜用使い捨てパンツブランドです。(画像5)

これはいわゆるおねしょ対策のためのパンツタイプのオムツですが、そのブランド名の中にある「ニンジャ」はもちろん「忍者」を意味し、子どもの夜を守るヒーロー的キャラクターとして起用されています。語尾についた「ジャマス」の部分は「パジャマ」の複数形「パジャマス」に掛けているのだと思われます。オムツではなく、あくまでもパジャマの一部としての印象を与える工夫が施されています。

商品デザインにも配慮が感じられます。忍者のキャラクターデザインは、子ども自身が自己投影しやすい年齢設定で描かれていますし、また商品自体もオムツというよりは普通の子ども用パンツのようなおしゃれな柄がプリントされています。

おねしょは子どもにとってセンシティブな問題であることを踏まえて、赤ちゃん用オムツとは一線を画すデザインとなっており、子どもの自己肯定感を損なわないような気遣いが感じられます。

しかしよく見ると、信頼のオムツブランド「パンパース」のマークがさりげなくあしらわれています。実際に購入する立場の親には品質保証が伝わるようにしつつ、子どもには赤ちゃん用オムツのブランドとはすぐにわからないような、控えめなアイコン表現が心憎いですね。

それにしても、アメリカの子どもの味方のキャラクターとして、日本の忍者が活躍しているとは驚きです。私もこの忍者たちを応援したくなります。

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アメリカのカプセルトイは1回で5つおいしい:ミニブランズ

日本でお馴染みのガチャガチャやガシャポンと呼ばれるカプセルトイ。イリノイ州のモールにも、必ずといっていいほど専用コーナーがあり、そこには日本のアニメやサンリオキャラクターのグッズが詰められています。

じゃあ、アメリカ独自のものはないのかといえば、実はくじ要素のあるカプセルトイが存在します。それがこの『ミニブランズ』。(画像6)

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このカプセルトイは日本に見られるようなコインを入れて回す自動販売機タイプではなく、専用化粧箱に入れられています。この箱がまたユニークで、側面にはトイの実物が展示されており、中身のクオリティが一目でわかるようになっています。(画像7)

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『ミニブランズ』の魅力はなんと言ってもその企画力。アメリカ人にとっては馴染み深いブランドのミニチュアが入っていて、テーマに合わせて1つのカプセルに5つのアイテムがランダムで入っています。これがガチャガチャのようなくじ要素であり、収集する楽しみを提供しているわけです。

画像6、7はネットフリックスの人気コンテンツにちなんだミニチュアが入っているシリーズですが、そもそもは日常商品がテーマとなっているシリーズが基本です。パッケージデザイン好きにはたまらないカプセルトイで、私も既に収集を始めております。

店頭で一つずつカプセルを購入できるものもありますが、画像8のように複数パックのセットも購入できます。

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シリーズによって日本のカプセルトイのように、ふたつに分かれるカプセルに5つが袋詰めされているもの(画像9右)と、みかんのように一房ずつ分かれているもの(画像9左)と、二種類あります。

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左側の方はラベルを剥くとこんな感じ。(画像10)

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過剰包装のような気もしますが、開ける時のワクワク度は当然こちらの方が高いです。

ダブりもありますが、現在の私のコレクションはこのようになっています。(画像11)

旧デザインのものはレア度が高くなっているようですね。この中では中央のハーシーズの箱がレアなようです。

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最後に

普段、近所のスーパーやドラッグストアに行って気づくのは、子どもだけがいる姿をほとんど見かけないことです。都会では事情が異なるかもしれませんが、少なくとも私が住んでいるような郊外では車での移動が必要であり、治安面からも子どもだけで行動することは非常に稀です。

日本では、子どもたちだけでお小遣いを握りしめてお店に行き、好きなものを選んで購入する姿を日常的に目にしますが、こちらではそのような光景をほとんど見かけません。だからアメリカの子ども向け商品のデザインは、親に子ども向けだとわかるようにしているだけで、子ども自身の心に響くデザインは比較的少ないと感じます。

日本には、大人にはその良さが伝わらなくても、子どもたち自身が喜んで買いたくなるようなパッケージデザインの商品があります。そういった親世代が眉をしかめるようなデザインこそが、実は子どもが自分で自由にものを買いに出かけられる日本の治安の良さを象徴しているのかもしれません。

 

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