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"片手で食べられる手軽な食事"シンガポールとマレーシアで浸透するラップサンドの魅力と有名ブランドのマーケティングとは

シンガポールやマレーシアでは、日常的に「ラップサンド(Wrap)」を扱う店が多く、街中のフードコートからカフェ、コンビニに至るまで幅広く浸透しています。野菜や肉、ソースをラップ(Wrap)というトルティーヤに似た生地で巻いたスタイルは、忙しい都市生活の中で"片手で食べられる手軽な食事"として人気が高く、ヘルシー志向や手軽さを重視する両国の食文化にもマッチしています。特に興味深いのは、マクドナルドやケンタッキー、スターバックス、サブウェイといった日本にも存在する大手チェーンがラップサンドを定番メニューとして販売している点です。扱っている店舗が少ない日本に対し、一般的な選択肢として広く根付いているのです。

「ラップサンド(Wrap)」と一言でいっても各店舗ごとにその姿は異なり、オリジナリティ溢れるものになっています。例えば、サブウェイではサンドイッチオーダーの際に自分の好みのパンを選ぶことができますが、そのパンをラップに変更することも可能です。マクドナルドやケンタッキーでは、通常メニューにあるフライドチキン(シンガポールのマクドナルドにはマックチキンというフライドチキンがあります。)をラップで巻いた商品があります。サンバルやレモングラスなど東南アジアらしい香辛料やハーブを使用し、地域性を活かしたメニューを提供する企業もあります。

このように、日本ではまだ馴染みの薄い印象があるラップサンドですが、シンガポールやマレーシアでは各飲食店で販売しているのはもちろん、自宅でも作るなど日常の選択肢の1つになっています。そうしたラップはさまざまな用途のもとに作られ、豊富な種類が販売されています。
本稿では、両国でメジャーなラップのブランドを取り上げ、多様なバリエーションやパッケージ、同ブランドのブランディングやマーケティングの工夫についてご紹介していきます。

Mission Wraps(ミッションラップ)とは

Mission Wrapsの陳列イメージ
今回ご紹介する「Mission」という企業は、世界的に有名なラップの専門ブランドです。シンガポールやマレーシアではスーパーで日常的に購入できる定番メーカーで、家庭料理からカフェのメニューまで幅広く使われています。

人気の理由は、破れにくい生地と味や種類のバリエーションが豊富である点にあります。また、同商品がハラール対応をしていることも大きなポイントです。ハラールとは製品がイスラム法に適合していることを証明する指標ですが、パッケージに表示があるように同商品にはハラール認証がついています。多国籍国家であるシンガポールやマレーシアではさまざまな宗教を信仰している人々が暮らしていることもあり、どの民族も安心して食事ができるように考慮して製品が作られています。このように各民族や宗教に配慮している点も、多くの方々に愛されている理由の1つでしょう。

中には、子どもが食べることやより持ち運びしやすいように考えられたミニサイズの商品もあり、多様な世代に商品を試してもらおうという企業努力や工夫も感じられます。

子ども用のミニサイズのMission Wraps

バリエーション豊かなMission Wrapsの種類と特長

以下では、実際に筆者が試した種類とその特長について記載します。

Original(オリジナル)

最もベーシックでシンプルなタイプです。生地はふんわり柔らかく、くせのない味で、どんな具材とも相性がいい万能ラップです。

Mission Wraps(オリジナル)
6Grains(6グレイン)

ひまわりの種・亜麻仁・オーツなど、複数の穀物が練り込まれた香ばしいラップです。雑穀類の食感が楽しく、噛むほどに味わいが広がるタイプです。

Mission Wraps(6グレイン)
Onion&Chives(オニオン&チャイブ)

玉ねぎとチャイブ(ネギ系のハーブ)が生地に練り込まれています。クリームチーズやフェタチーズなど、ハーブと相性がいい具材を入れると風味が良くなり、旨味が増す気がします。

Mission Wraps(オニオン&チャイブ)
Protein Wraps Wholemeal(プロテイン・ホールミール)

茶色がかった色合いで、タンパク質を強化した高タンパクなラップです。食物繊維豊富なホールミールの生地のため、他のラップに比べて皮はかためで、噛みごたえがあります。よく噛むため少量でもしっかりとした満足感があり、腹持ちも良い気がします。スポーツをする人や健康志向の方に人気のある商品です。

Mission Wraps(プロテイン・ホールミール)
Potato(ポテト)

生地にじゃがいもが練り込まれているため、他のラップよりモチっとした食感が特長です。ほんのり甘く、マイルドな味わいになっています。

Mission Wraps(ポテト)
Chia Wraps(チア)

チアシードが生地に練り込まれていて、プチプチとした食感です。サラダなど生野菜との相性が良い気がします。

Mission Wraps(チア)
Reduced Carb Wraps(リデュースカーボ/低糖質)

糖質を抑えたタイプです。ダイエットや健康を考えた方向けの商品のため、ホールミール系と同様にしっかりめの歯ごたえのある生地になっています。

Mission Wraps(リデュースカーボ/低糖質)
Quinoa Wraps(キヌア)

キヌアの香ばしさが特長で、雑穀好きにはたまらない風味を持っています。食感は柔らかく、健康志向のラインナップの中では特に人気の商品になっています。

Mission Wraps(キヌア)
今回ご紹介したのはほんの一部ですが、こうした種類の多さからも両国では多くの方がラップサンドを日常的に口にしていることがわかります。また、チアシードやキヌアのような雑穀系、低糖質やプロテインのようなカロリーや健康面を意識して作られたフレーバーなど、消費者の多様な用途を考えられているという工夫も感じられます。
日本ではまだ馴染みは薄いですが、シンガポールやマレーシアに訪れた際には各飲食店が提供しているラップサンドを味わってみたり、お土産にラップを購入し、ご自宅で好きな具材を入れて楽しむのもおすすめです。

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