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ロンドンの愛される朝ごはん「ヨーグルト」の、パッケージ事情。

イギリス人に愛されるヨーグルト。

ロンドンのオフィスで働き始めて日本と違うなぁと最初に感じたこと。それは朝ごはん。日本は始業時間=仕事を始める時間である、と当たり前に思っていたのですが、こちらではまず出社したらすべきことは、朝ごはんを食べること。カフェの紙袋を片手に出社する人、朝ごはんを持ってきてその場で準備をする人、デスクにバッグを置いたら社食に直行する人、それぞれです。その中でもヨーグルトを持っている人の多さ!そのままでももちろん、シリアルにかけたり、バナナやストロベリーなどフルーツにかけたりとかなりの頻度で見かけます。

そんなイギリス人に多く食べられるヨーグルトは、スーパーの売り場でもかなりの充実ぶりです。フルーツヨーグルトの種類は非常に多く、また小分けから大きいポットタイプ、チョコレートやシリアルがセットになったもの、飲むタイプやプロテインが多く含まれたもの、様々なヨーグルトがスーパーに並びます。イギリス人の朝には欠かせないといっても過言ではありません。実際に900ものヨーグルトがイギリスでは販売されているそうです。

写真:一面全てヨーグルト売り場になっているイギリスのスーパー。パッケージも様々です。

写真:プロテインが含まれた飲むタイプのヨーグルトなど、種類も豊富。

人気乳製品ブランド「Yeo Valley」のパッケージに隠された工夫。

そんな国民に愛されるヨーグルト。ドイツやスウェーデン、フランスやアメリカの各国のブランドが並ぶ中、どのスーパーにも多く陣取るイギリスのヨーグルトがあります。それはYeo Valleyというハートとお花のマークがトレンドマークのイギリスの牧場生まれの牧ブランドです。今ではヨーグルトのみならずバターや牛乳、アイスにクリームなど多く乳製品を製造しているブランドです。オーガニックにこだわり、1番人気の緑のパッケージのナチュラルヨーグルトは砂糖不使用で、もともとミルクに含まれる甘みのみ。

オーガニックといえばシンプルなパッケージが多い中、Yeo Valleyはハッキリとしたカラーがとても印象的です。フレーバーのフルーツごとに色が違い、店頭でもパッと目を引きます。

写真:テイストによってパッケージカラーがはっきり違っても、デザインが統一されているので、売り場でもかなり目立ちつつ、ブランドへの印象が残りやすい。

また食糧生産が環境に与える影響を限りなく少なくすることをモットーに、ヨーグルトポットには再利用可能なポリプロレンを利用。パッケージに描かれているジッパーの部分を外すと(おろすと、、)外側の紙が綺麗に分かれ、リサイクルに簡単に出せるよう、ユニークな工夫がされています。

写真:ジッパーを下げると、、というユニークな発想でエコにも優しく作られたパッケージ。

写真:このように、ミシン目に沿って引き下げます。

パッケージの裏側にもデザインが有り、ヨーグルトポットを利用して植物を育てられるアイディアが描かれています。エコを意識し、またそれ以上にブランドらしいやり方で、可愛く演出されています。

写真:裏側までもしっかりデザインされ、エコに配慮しつつ販促としても利用されている。

写真:ヨーグルトポットを利用して植物を育てられるアイディア。

実はコーラよりも多くの砂糖が含まれている?!これからのヨーグルト業界は・・・

また今年に入り、イギリスのLEEDS大学によって"多くのヨーグルトにはコーラよりも多く砂糖が含まれている"という研究発表がなされました。

今まではヨーグルト=ヘルシー、健康的というイメージが先行していたため、まさかコーラよりも!ということに、かなり驚きの反面、砂糖の量を減らすよう業界に呼びかける動きや、自分ではちみつやフルーツを入れて調節できるようなナチュラルヨーグルトやGREEKヨーグルトを選ぶよう推奨されています。この大きなニュースはまた新たに乳製品・ヨーグルトの業界を大きく変え様々な商品を生み出す機会になると思っています。

また、昨今の健康志向からグラノーラや、ミューズリー、果物等の食材との組み合わせによって、食べられる機会がさらに増えることが予想されます。900ものヨーグルトが販売されているという現状において、この激しい競争がさらに厳しさを増すことは間違いないかと考えられます。その中で生き残っていくには、いかにブランドイメージを確立し、ファンを獲得していくかが重要になり、味もさることながら、パッケージの工夫もますます必要になってくるでしょう。

更に深掘り!プレミアムレポート(2019年4月15日追記)

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