オフライン店舗最大の魅力は、五感への刺激。ニューヨークの体験型スイーツショップ「ミルク・バー」
「料理界のアカデミー賞」と言われるジェームズ・ビアード賞を2度受賞した実力派ペイストリーシェフ、Christina Tosi(クリスティーナ・トシ)のスイーツショップ、Milk Bar(ミルク・バー)のフラッグショップが、11月にマンハッタンのノマド地区にあるACE HOTEL(エースホテル)の一階にオープンしました。
この界隈は、ニューヨークの老舗デパートMACY’S(メイシーズ)やコリアンタウンがあり、観光客も多い地区。フラッグショップのみの試みがこの店のウリになっています。
たとえば「Build-A-Cake(ケーキ)」、「Build-A-Cookie(クッキー)」、「Build-A-Pint(アイスクリーム)」の3つのコーナーでは、その場で生地やアイスクリーム、トッピングやソースが選べて、自分の好みにカスタマイズできるのです。ケーキとクッキーはオーダーしてから約30分で焼き上がり、オンラインでも予約ができます。
レイヤードケーキが回転するディスプレイの横で、オリジナルのケーキを作ってもらえます。作る様子を見守れるのも楽しい。サイズはひとつで、価格は65ドル。
ガラス越しにトッピングをあれこれ指示しながら、パイ型のクッキーを作ることができます。コーヒーを飲んだり、おしゃべりしたり、売店を物色していると、あっという間に30分が経過して焼き上がりの時間に。
まるで郵便局?宅配便のカウンター?
アイデア溢れるサービスは他にも。「SEND-A-PACKAGE」のコーナーでは、好みのスイーツを発送できます。旅行者が多いフラッグショップならではのサービスと言えそうです。ファンのハートをここでも掴んでいますね。
こちらには、同封できるメッセージ用ロゴ入り便箋や封筒と、それらをカスタマイズするためのスタンプが用意されています。
日本のコンビニエンスストアやキオスクを思わせる「MINIMART」
店内の一番奥には売店「MINIMART」があり、ロゴ入りグッズが並びます。ここでは、缶入りクッキーなどの食品以外に、ミニバッヂや歯ブラシ、ノートといった小物から、Tシャツ、バンダナ、デニムなどの衣料品、スケボー(もちろんロゴ入り!)も販売。豊富な品揃えに長居する人も多く、待ち時間を飽きさせない工夫が感じられます。
オリジナルボックスには、ピンクのロゴとWEBサイトアドレスの他に、「FOR SOMEONE AWSOME(素晴らしい誰かさんへ)」という可愛いメッセージがプリントされています。下段はオリジナルピンバッヂ(左)とニューヨーク市内のフードマップ(右)。
スイーツの他に、コーヒーやドリンクのメニューも豊富です。私が出かけたのは16時頃。仕事帰りのニューヨーカーや旅行者で、長い列ができていました。
ニューヨークのフラッグショップでも、2019年12月から地下スペースで「CLASS ROOM(イベント教室)」がスタートしました。子ども達だけでなく、大人も参加できるクラスを企画して、ニューヨーク旅行の思い出作りの場にしたいそうです。参加はオンラインで予約できます。
ミルク・バーの取材は「体験する」ことがこの店のキーワードであり、魅力なのだということを“体感”する取材でした。カスタムメイドのスイーツ、お菓子教室、自分らしさをプラスできる発送サービスなど、店内の隅々にまでアイデアを尽くしている様子も好印象でした。
目の前に広がるスイーツ・ファクトリーの様な光景に、思わずワクワクする感覚は、オンラインショッピングでは味わえない「生」の体験。五感を刺激することがオフライン店舗の最大の魅力であることを、ミルク・バーが改めて教えてくれました。
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