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マクドナルド・シンガポール×JUMBO Seafoodのコラボ開発:建国60周年記念商品のチリクラブソースバーガー

2025年8月9日に建国60周年を迎えるシンガポール。現在、来たるナショナルデーに向け、シンガポールでは多くの企業が記念商品を作っています。これに伴い、マクドナルド・シンガポールでは、建国60周年記念のメニューとして「JUMBO Seafood(ジャンボ・シーフード)」レストランとチリクラブソースバーガーを共同開発し、2025年7月10日から販売を開始しました。本稿では本商品と、マクドナルド・シンガポールが考案した建国60周年のメニューについてご紹介していきます。

シンガポールを代表する料理の一つであるチリクラブ。シーフードを扱うレストランの中でも、チリクラブの有名店として必ずと言ってよいほど名前が挙がるのが「JUMBO Seafood」です。1987年にイーストコーストシーフードセンターに第一号店を構えた同店は、当初から多くの人々の心を掴み、瞬く間に店舗を増やしていきました。日本には未上陸ですが、中国、台湾、韓国、ベトナム、タイ、カンボジアなど、多くの海外支店を持つグローバル企業でもあります。

今回のチリクラブバーガーは、国を代表する料理をメニューに取り入れただけでなく、「JUMBO Seafood」という誰もが知る有名店とのコラボ商品とあって、発売前から大変話題になっていました。大ぶりのカニ1匹を甘辛チリソースで炒め、揚げパン(マントウ)と一緒に食べるチリクラブは、レストランでは通常どこも時価で提供される高級品です。ソースだけとはいえ、そんなチリクラブの味をお手軽にファーストフードで味わえるというのもチリクラブバーガーの魅力の一つです。

バーガーは海老とチキンの2種類のパティから選ぶことができ、海老の場合は1枚入りのシングルパティか、2枚入りのダブルパティから選ぶことができます。バーガーのバンズにはブリオッシュバンズを使用し、パティ、スクランブルエッグ、レタスなどの具材を挟み込み、特製のチリクラブソースをたっぷりとかけて作られています。このチリクラブソースは、マクドナルドと「JUMBO Seafood」が共同で開発し、1年間の研究開発と50回以上の試行錯誤を経て誕生したものだそうです。実際にレストランで提供しているソースよりも甘めで、程よい辛さなのでお子様でも食べられるよう工夫もされていると言います。さらに、本ソースは、ディップソースとしても1ドルで購入できます。そのため、フライドポテトやナゲットなど、バーガー以外の好きなメニューにディップするというアレンジも可能です。

バーガー以外にも、ナショナルデー限定メニューには、いくつかの商品が発売されています。まず、サイドメニューからはカンポン・ドラムレット(Kampung Drumlets)という名前のフライドチキン。こちらの商品の味付けには唐辛子、ターメリッククミン、ショウガなどが使われています。

ドリンクでは、アイス・ダイナソー (Iced Dinosaur)というマイロ(日本でいうミロ)を入れたドリンクが出ています。本商品を見た時、日本の読者の方の中には、なぜマイロがシンガポールの名物の一つなのかと不思議に思われた方もいるかと思います。補足させていただくと、日本で言うミロ、すなわちマイロは鉄分や栄養価が高いことから、シンガポールでは幼い時から各家庭で子供に積極的に与えていたり、健康診断や献血、病院の検査などの際に飲むよう病院から支給されたり、オフィスのドリンクコーナーに置かれているなど、日々の暮らしの中で人々にとってとても馴染み深いものとなっています。そのため、建国記念の商品としても国民的ドリンクのマイロが採用されたのです。

デザートは2種類で、1つ目はプルット・ヒタム・パイ (Pulut Hitam Pie)という甘いパイです。プルット・ヒタムというのは、シンガポールやマレーシアでポピュラーな黒もち米とココナツミルクを合わせたお汁粉のようなデザートです。このスイーツをモデルに、黒いもち米とココナッツクリームをパイ生地に詰めたのがプルット・ヒタム・パイです。

もう1つはチェンドル(Chendol)ソフトクリームです。チェンドルとはパンダンリーフでつくられた緑色のゼリーのようなもので、グラマラカという黒糖のようなソースやココナッツミルクをかけたかき氷のことです。これをモチーフにつくられたのが、チェンドルソフトクリームです。こちらの商品はノーマルなソフトクリーム以外にも、サンデーやマックフルーリーとしても召し上がることができます。
商品のモチーフとなっているのは、どれもシンガポールでは馴染みの深いものばかり。シンガポール国民ならずとも、食べる前からワクワクしてしまうラインナップです。

これらのメニューの中から購入したのは、海老のチリクラブソースバーガーのシングルパティ(写真手前)、ダブルパティ(写真奥)、カンポン・ドラムレット、アイス・ダイナソー、チェンドルのサンデーです。バーガーの包み紙にカニの絵が描かれているのがなんとも可愛らしく目を引きます。パッケージの細かい点にも工夫を凝らしているのもポイントが高いところです。

建国60周年記念商品のチリクラブソースバーガーのパッケージ
下の写真を見ていただくと分かるように、バーガーの中にはチリクラブソースがふんだんに入っています。今回の建国記念商品のメインとなるものでもあるので、チリクラブのテイストを存分に味わえるのは嬉しい点です。ソースは、「JUMBO Seafood」ソースの甘辛く深みのある味わいが忠実に再現されていて、とてもおいしかったです。確かにオリジナルのソースよりも辛さは控えめに感じたので、お子様でも召し上がっていただけるテイストというのも納得でした。このソースがサクサクのエビパティやふわふわのスクランブルエッグとの相性抜群で、それぞれの素材の良さや旨みをより引き立ててくれます。

これまでシンガポールのマクドナルドで期間限定商品が出る度にいろいろ試してきましたが、過去一番のおいしさで、筆者の中では歴代のマクドナルド・シンガポールの商品で最も好きなメニューになりました。

チリソースがふんだんに入ったハンバーガー
カンポン・ドラムレットチキンは、唐辛子、ターメリック、クミン、ショウガで味付けしてあるとあって、食べる前からエキゾチックなスパイスの香りが漂います。お味もしっかりと辛味がくるスパイシーな味わいで、辛いものやスパイス好きな方にはたまらないとメニューだと思いました。

アイス・ダイナソーは、マイロ味のドリンクの上にさらにマイロパウダーがふんだんにかけられており、マイロの香りと味が存分に味わえるドリンクでした。
デザートのチェンドルサンデーはふんわりとしたココナッツの香りや、グラマラカの黒糖のようなコクのある優しい甘味が口一杯に広がり、個人的にとても好きな一品でした。

マイロの香りと味が存分に味わえるアイス・ダイナソー
どれも日本では出会えないアイディアや味わいのメニューばかりなので、一つ一つ試す度に新鮮さや驚きがあり、非常に楽しく、貴重な体験となりました。これらの商品は建国60周年を盛り上げるだけでなく、他国の方々にシンガポールの食文化を知ってもらうきっかけにもなると考えています。それができるのは、マクドナルドというグローバル企業が国の名物を商品化し、「ファーストフード」という気軽かつ身近なかたちで提供していることが大きなポイントになっているようにも思います。

建国記念商品は期間限定のメニューなので味わえるのは今だけです。シンガポール在住の方はもちろん、もしこの期間にシンガポールにご旅行でいらっしゃるなら、ぜひお試しいただきたいです。建国60周年の時期に立ち会えた貴重な思い出になるとともに、シンガポールという国をより深く知るきっかけになるに違いありません。

▼参考(URLは外部リンクへ飛びます)

McDonald's Singapore HP
https://www.mcdonalds.com.sg/

JUMBO Seafood HP
https://www.jumboseafood.com.sg/en/home

Straitstimes(2025, July 08) .McDonald’s S’pore launches Chilli Crab Sauce Burger with Jumbo Seafood to celebrate SG60. Straitstimes
https://www.straitstimes.com/life/mcdonalds-spore-launches-chilli-crab-sauce-burger-with-jumbo-seafood-to-celebrate-sg60

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