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ドイツの雑貨店には「暮らし方」が並んでいた

「整える」と「楽しむ」――2つのドイツ雑貨店

ドイツの雑貨店
BONNで暮らし始めてから、スーパーだけでなく雑貨店をのぞくのも楽しみの一つになりました。今回訪れたのは、ドイツ発のインテリア・生活雑貨ブランド「DEPOT」と「BUTLERS」。どちらも食器やキャンドル、インテリア雑貨などを扱う人気店ですが、実際に店内を歩いてみると、その雰囲気は意外なほど異なっていました。同じ"ドイツの雑貨店"でも、そこにはそれぞれ異なる暮らしの価値観が表れているように感じます。
今回は、BONNで実際に店舗を巡る中で見えてきた、2つの雑貨店の違いについてご紹介します。

「部屋全体を整える」DEPOTの世界観

「DEPOT」の外観
「DEPOT」に入ってまず感じたのは、店内全体に統一感があることでした。ベージュや白、木目を基調としたナチュラルな色使いが多く、落ち着いた空気感が広がっています。派手さはないものの、棚に並ぶ雑貨を見ていると、「こんな部屋にしたい」と自然に想像してしまうような心地よさがありました。

「DEPOT」の店内
特に印象的だったのは、雑貨を単体で見せるというより、"空間全体"を提案しているように感じられたことです。キャンドルや花瓶、クッション、食器などが同じトーンでまとめられており、どれか一つを選ぶというより、「部屋の雰囲気ごと整える」という感覚に近いように思いました。

「DEPOT」の季節商品のコーナー
一方で、季節商品のコーナーになると雰囲気が少し変わります。普段はシンプルで落ち着いた色味が中心ですが、春やイースター関連の商品にはカラフルなアイテムも並び、店内が一気に華やかになります。普段は落ち着いた空間を大切にしながらも、イベントや季節感はしっかりと楽しむ。そんなバランス感覚にも、ドイツらしい暮らし方が表れているように感じました。

「DEPOT」で販売されている食器
価格帯は、極端に安いわけでも高級すぎるわけでもなく、「少し良いものを長く使う」という感覚に近い印象です。実際に店内を歩いていると、"必要なものを買う場所"というより、"家で過ごす時間を心地よくするためのものを選ぶ場所"なのだと感じました。

「暮らしを楽しむ」BUTLERSの世界観

「BUTLERS」の外観
一方、「BUTLERS」は「DEPOT」とはまた違った楽しさのある空間でした。店内にはマグカップや食器、キャンドルなど定番の生活雑貨も並んでいますが、特に目を引いたのは、ガーデングッズや外で使うデコレーションアイテムの多さです。

「BUTLERS」の店内
ベランダや庭で過ごす時間を楽しむための商品が充実しており、「家の中を整える」というより「暮らしそのものを楽しむ」という空気感が強く感じられました。

「BUTLERS」で販売されているカラフルで個性的な雑貨
また、「BUTLERS」には遊び心のある個性的な雑貨も多く、店内を見ているだけでも楽しい気分になります。カラフルなアイテムやユニークなデザインの商品もあり、シンプルで統一感のある「DEPOT」とは対照的でした。

「BUTLERS」で販売されている落ち着いた色味の食器
その一方で、落ち着いた色味の食器やシックなインテリア雑貨も並んでおり、単にポップなだけではないバランス感もあります。

「BUTLERS」で販売されている屋外用の椅子とテーブル
特に興味深かったのは、"家の外で過ごす時間"を大切にしているように見えたことです。ドイツでは、春から夏にかけて庭やベランダで過ごす人も多く、外の空間を心地よく整える文化があります。「BUTLERS」の売り場からも、そうした"屋外で過ごす時間を楽しむ暮らし"が自然と伝わってくるようでした。

「DEPOT」が"空間を整える店"だとすると、「BUTLERS」は"毎日の暮らしを楽しむ店"です。同じドイツ発の雑貨ブランドでも、店づくりや商品の見せ方には、それぞれ異なる価値観が表れているように感じました。

ディスプレイから見える「理想の暮らし」の違い

店内ディスプレイにも、「DEPOT」と「BUTLERS」それぞれの個性がはっきり表れていました。

シックで大人っぽい雰囲気の「DEPOT」
「DEPOT」は、木の素材感やベージュ、ブラックなどを基調としたディスプレイが多く、全体的にシックで大人っぽい雰囲気があります。テーブルコーディネートも華やかさよりも「心地よさ」を重視しているように感じられ、空間全体が静かに整えられていました。

全体的に落ち着いた雰囲気の商品たち
また、家具や照明、インテリア小物まで含めて世界観が作られており、「部屋全体をどう見せるか」という視点が強く感じられます。

一方の「BUTLERS」で目を引いたのは、思わず気分が明るくなるようなカラフルなテーブルコーディネートです。

店内全体に遊び心がある「BUTLERS」
パステルカラーの食器やキャンドル、チェック柄のテーブルクロスなどが組み合わされており、店内全体に遊び心が感じられました。まるでホームパーティーの準備をしているような雰囲気で、「誰かと楽しい時間を過ごす空間」をイメージさせます。色使いも大胆で、ピンクやブルー、イエローなど複数のカラーを取り入れながらも、不思議と統一感があります。

見ているだけで想像が膨らむ店内
商品を単体で見せるというより、"暮らしのシーン"として提案している印象が強く、見ているだけで「こんな食卓にしてみたい」と想像が膨らみました。

「BUTLERS」が"楽しい時間"を演出しているとすれば、「DEPOT」は"落ち着いて過ごす時間"を提案しているようでした。同じ生活雑貨でも、ディスプレイの作り方ひとつで、ブランドごとの空気感の違いがはっきり表れていました。

店内で思わず目を引かれた雑貨たち

店内を見ていると、それぞれのブランドらしさを感じるアイテムにもたくさん出会いました。

ユニークな形のキャンドルホルダー
「DEPOT」で特に目を引いたのは、ユニークな形のキャンドルホルダーです。白や木目を基調としたシンプルな色使いですが、丸みのあるフォルムが特徴的で、一つ置くだけでも部屋のアクセントになりそうな存在感がありました。派手ではないのに、空間に少し個性を加えてくれるところに、「DEPOT」らしい"落ち着いたおしゃれさ"を感じます。

透明感のあるオレンジ色のガラス製カップ
また、透明感のあるオレンジ色のガラス製カップもユニークでした。とても軽い素材で、少し個性的なフォルムが可愛らしく、テーブルに一つ置くだけで、ちょっと気分の上がるティータイムを過ごせそうです。7.99ユーロと手頃な価格だったこともあり、思わず購入してしまいました。空間になじみながら、さりげなくおしゃれさを加えてくれそうなアイテムです。

お菓子のようなグッズ
一方の「BUTLERS」では、カラフルな"Happy Birthday"という文字の、お菓子のようなグッズが目に留まりました。最初は「なぜここに?」と少し驚いたのですが、こうした意外性も「BUTLERS」らしさなのかもしれません。統一感のある空間づくりというより、パーティーやイベントを楽しむためのアイテムが幅広く並んでいて、「暮らしを楽しむ店」という空気感がより強く伝わってきます。

和食器のような落ち着いたデザインの器
さらに、全体的には明るくポップな雰囲気のお店でありながら、和食器のような落ち着いたデザインの器が並んでいたのも面白いポイントでした。遊び心のある雑貨だけでなく、シックで大人っぽいアイテムも自然に取り入れられているところに、「BUTLERS」らしい面白さを感じました。

まとめ

ドイツの雑貨店
「DEPOT」と「BUTLERS」は、同じドイツ発の雑貨店でありながら、それぞれが提案している"暮らし方"には大きな違いがありました。

空間全体を落ち着いた雰囲気に整える「DEPOT」と、毎日の暮らしや人との時間を楽しく彩る「BUTLERS」。方向性は異なっていても、どちらにも共通していたのは、「家で過ごす時間を心地よくしたい」という価値観です。雑貨そのものだけでなく、ディスプレイや色使い、空間の作り方まで見ていくと、ドイツの雑貨店には、ドイツならではの暮らし方が自然と表れているように感じました。

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