フランスは意外にもレンジ食品大国?!
世界トップクラスの美食の国として知られるフランス。マルシェやスーパーには、新鮮でおいしそうな野菜やお肉などが並んでいますが、毎日家庭で凝ったお料理を作って食べているフランス人は、想像するほど多くないかもしれません。
それは、お店にずらりと並ぶ缶詰やレンジ食品の品揃えの豊富さからも垣間見られます。時間がない!料理ができない!という時は、こうした調理済み食品は本当に心強い味方ですよね。会社で食べるランチとして、お弁当代わりにレンジ食品を持って行く人も案外多いのです。レンジでチンするだけとはいえ、肉料理、魚料理、パスタ、スープといったメニューのほか、フレンチ、アジアン、メキシカンなど多国籍な料理が揃い、選ぶのに苦労してしまうほどのバラエティの豊かさに驚かされます。さすが、グルメの国フランスですね。
100年以上の歴史を誇る老舗ブランド
なかでも「William Saurinウィリアム・ソラン」は、こうした調理済み食品を100年以上作り続けているフランスの老舗ブランド。1898年の創業以来、カスレやうさぎのマスタード煮、仔牛肉のブランケット、シュークルート、牛肉の赤ワイン煮など、フランスの伝統的な料理にこだわったラインナップで、缶詰やレンジ食品を全国のスーパーで販売しており、フランスでは 知らない人がいないほど、調理済み食品の代名詞的存在です。
さて、今回ご紹介するのは「William Saurinウィリアム・ソラン」のココット鍋シリーズ。数年前の発売時は、ほかとは変わった個性的な形の容器に注目が集まり、今は定番としてメニューの数も増えています。長い歴史に臆することなく、新しい アイデアにチャレンジ する攻めの姿勢こそが、世紀が変わっても愛され続ける理由かもしれません。
「おふくろの味」を想起させるココット鍋
煮込み料理に欠かせないココット鍋は、フランス人にとって家庭的な「おふくろの味」を思い起こさせる調理器具。ル・クルーゼやストウブといったメーカーのものが有名ですが、どの家族も1つは持っているおなじみの鍋です。
3色展開で、赤は肉料理、青は魚料理、黒は著名なレストランガイドブック「ゴ・エ・ミヨー」とのコラボレーションと分かれています。どれもあざやかな色合いで遠目からもぱっと目を引きます。ふたの取手部分にかみあう大きさの穴を鍋底に設け、きれいにスタックできる工夫もされています。
通常のレンジ食品は深めのお皿のような形をしていて、 パッケージの写真が見えるよう斜めにして並べているのですが、ココット鍋は上下にスタックすることで、店頭でもとても目立つ容器の形状設計になっています。電子レンジで加熱できる耐熱容器で素材はプラスチックです。
金額は赤と青が約3〜3.5ユーロ、グルメ志向の黒は4ユーロ弱と、一般的なレンジ食品に比べると1ユーロほどお高いのですが、容器のかわいさに魅かれて思わず手が伸びてしまうのも頷けます。
カートンのパッケージを取り、ふたを開けて中のフィルムを少しはいだら、電子レンジ(700W)で3分温めます。熱くなった食品容器をレンジから取り出すときも、鍋の耳の部分が持ちやすくよく考えられたデザイン設計なのが分かります。そのまま食卓に出しても、チープな雰囲気がなく味気なさを感じずに、おいしい料理を楽しめるのがポイントです。
最近はミニサイズのココット鍋をお皿代わりに使って料理をサーブするレストランもあり、家庭的で懐かしい印象の強いココット鍋に、おしゃれというイメージも加わりました。
そのお味は・・・?
今回チョイスしたのは、赤いお鍋は「トマト・ファルシー」、青の「シーフードのパエリア」、黒は「仔牛肉のブランケット」。お肉や魚、野菜などの具材が大きくカットされ食欲をそそる見た目です。トマトの肉詰めとパエリアは食べ応え十分。黒いお鍋のブランケットは、上質なイシニーの生クリームを使っていてコクがあり、ハーブがしっかり香って、高級感がありました。
このほかにも、サーモンとポワロー葱、鴨肉とオリーブ、リムーザン産ビーフの煮込みなど、おいしそうなメニューがたくさんあるので、フランス旅行の際、たまにはホテルでレンジ食品のディナーを楽しんでみるのもオススメです。ココット鍋の形が本当に愛らしく、食べ終わった食品容器をきれいに洗って取っておきたくなりますよ・・・。
今回こちらの商品を購入したのは、1949年ブルターニュ地方で創業した「E. Leclerc」という大型スーパー。フランスでトップの業界シェアを誇るスーパーで、フランス各地はもちろん、ヨーロッパ各国にもチェーン展開しています。
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