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リサイクル率No.1で「段ボール」が化粧箱の主役に躍り出る?素材感を生かしつつ高級商材のパッケージへ(化粧品編)

段ボールのパッケージデザイン、後編は化粧品にスポットを当てます。

化粧品での段ボールパッケージは食品よりもハードルが上がります。それは薬機法により全成分をパッケージに表記しなければならないためです。食品より表示事項が多いのですね。そんな難関に果敢にチャレンジしたのがコーセーの雪肌精クリアウェルネス。

段ボールパッケージといえばフレキソ印刷ですが、細かい文字までは表現できません。全成分を大きな文字で印刷する箱面積もない...となると、オフセット印刷に。極薄段ボールのG段ならオフセット印刷可能ですが、そもそもが古紙からできているラフな素材。全成分を文字欠けなく大量に印刷するのは至難の技だと聞きます。

こんな風に、想像はできるけど実際やろうとするといくつものハードルがあるのがパッケージデザインなんですね。中の個包装も紙でした。

もう一つ興味深い段ボールパッケージを見つけました。

こちらはPOP兼セットケースです。シャンプーとリンスがセットになっているケースですが、通常は大きめのプラの袋やPETのケースに入っていたり、すっぽりと紙箱に入っています。既にボトルで商品は保護されているのに、やや過剰な気がしていました。

このセットケースはシンプルで省資源。段ボールは単なるエコ素材という意味以外に、持ち運びの強度も担保しています。

こちらはフレキソ印刷。デザインもフレキソ印刷のラフさを生かした、多少のズレや欠けが気にならない印刷になっています。段ボールに白インクは隠蔽性が悪いので、白のみ二度刷りしている可能性が高いですね。構造もとてもよく考えられています。

印刷方法や取り扱いにまだまだ制限はありますが、リサイクルの優等生として日々存在感を増している段ボール。扱う場面が増えれば印刷加工技術も向上していくはず。これからも段ボールパッケージに注目していきたいと思います。

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