「アドベントカレンダー」をご存じですか? 12月1日からクリスマスイブの24日までをカウントダウンする日めくりカレンダーです。最近は日本でも見る機会が増えているようですが、じつはドイツが発祥の地なのです。
オーソドックスなアドベントカレンダーは、1枚の大きな絵に1から24までの数字が書かれた小窓が付いていて、その窓を開けると、中からかわいい絵が現れるというもの。12月1日になると1枚ずつめくって、クリスマスを心待ちにするというアイテムです。
商業化したアドベントカレンダー
本来は宗教色の強いものですが、現代では商業的に、豪華になっています。小窓を開けると小さなチョコレートが入ったものや、おもちゃのアドベントカレンダーは子どもたちに人気。デパートではアドベントカレンダーの特設会場ができるほどです。
変わり種としては、1から24までの数字が書かれた24個の小さなソックスや袋がセットになったタイプ。それぞれの中に小さなプレゼントが入っています。ソックスや袋は布製なので、毎年使えるのがうれしいところです。
しかし、このカレンダーを楽しみにしているのは子どもたちだけではありません。大人向けの商品もあるのです。例えば、ビールカレンダーやウィスキーカレンダー、アクセサリーカレンダーなど。何もわざわざアドベントカレンダーにしなくてもいいいのではないかとも思いますが、毎日開けていくワクワク感がたまらないのです。
種類豊富なコスメ・アドベントカレンダー
大人向けの代表的なものといえば、コスメ・アドベントカレンダーでしょう。小窓をめくると、毎日違った化粧品が出てくるのです。コスメ・アドベントカレンダーは、10月に入ると化粧品店やドラッグストア店頭に並ぶほか、オンラインショップでも発売されます。
ドイツの大手コスメショップチェーンのドゥーグラスでは、オリジナルのコスメ・アドベントカレンダーを数種類販売しています。価格は約20ユーロ(約2600円)から日本円にして1万円程度まであり、内容はメイクアップ用品やボディケア商品、ネイルなど。10月になると、店頭入口に近い目立つ場所にディスプレイされます。
アドベントカレンダーは、本来ならば中に入っているものがわからないからこそ小窓を開けるのが楽しいわけですが、こうしたコスメ・アドベントカレンダーをはじめとする比較的高額なアドベントカレンダーは、予め中身が明記されています。
私も店頭に並ぶコスメ・アドベントカレンダーの中から、パッケージのかわいいものを選んで購入してみました。価格は19.99ユーロ(約2600円)です。キューブ型の紙製ボックスで、かわいいイラストも魅力的。プレゼントとしても見栄えがします。
このアドベントカレンダーには中身がわかる栞がついています。それによると、ほかに入っているのはマスカラやハンドクリームなど。ミニサイズの品も多いのですが、バラエティに富んだ内容で、お得感を感じる人もいるでしょう。
日本での新たなギフト需要の可能性も?
こうしたアドベントカレンダーは誰かへのプレゼントとして購入するのはもちろん、自分へのご褒美として買う場合もあります。店頭では、若い女性たちがコスメ・アドベントカレンダーを熱心に見比べている姿を見かけました。クリスマスを迎える12月は、ドイツでは年間で最も書き入れ時。アドベントカレンダーはクリスマスの重要な商品です。
アドベントカレンダーの中には、価格を上回る中身が入っていることをPRしている場合もあります。この点においては、ちょっと日本の福袋の売り方に近いかもしれません。福袋は縁起物、アドベントカレンダーは、キリスト教文化で最も大切なクリスマスの関連商品というように、どちらも文化・習慣に根ざした商品である点でも共通しているでしょう。
日本でもお菓子入りアドベントカレンダーに加えて、コスメ・アドベントカレンダーも徐々に登場し始めています。今後は新たな「豪華版」アドベントカレンダーもお目見えするかもしれません。
例えば、会社の同僚やご近所さん、友人に、お歳暮ほど堅苦しくない雰囲気で日頃のお礼を伝えたいときに、豪華版アドベントカレンダーはぴったりではないでしょうか。アドベントカレンダーは、小窓内の商品の種類や価格帯次第で、新たなギフト需要を生む可能性を秘めているのではないかと思います。
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