できることから少しずつ。ハンガリーは量り売りで「ゼロ・ウェイスト」を身近にした
ハンガリーの基本は量り売り
ハンガリーでは、市場や街角に店を出す八百屋はもちろん、スーパーマーケットでも野菜、果物は基本的に量り売りです。システムを把握していないと難しそうに感じるかもしれませんが、リンゴやオレンジ、トマトやパプリカも一個から購入できるので、実は旅行者にも便利。
店に備え付けてあるカゴやビニール袋に野菜や果物を種類ごとに入れて、それらをレジに持っていけば、店の人が計量して値段を教えてくれます。
スーパーマーケットでは野菜売り場に「はかり」が置いてあるので、自分で計量します。商品を乗せ、野菜や果物のイラストを頼りに商品番号のボタンを押せば、プライスタグが印刷されるのでそれを袋に貼ります。最近ではレジスターに計量する機能がある店も増えていて、その場合は野菜や果物をそれぞれ袋に入れてレジに持っていきます。
計量が必要なので、野菜や果物の種類を混ぜて袋に詰めることはできません。数種類を購入する際は、一回の買い物で複数のビニール袋が必要になります。
野菜やフルーツには巾着型?
この時に使われるビニール袋を減らすために、最近は巾着型の袋を持って買い物をする人を見かけるようになりました。無駄なものやゴミを出さないようにする取り組み「ゼロ・ウェイスト(Zero Waste)」という言葉は、ハンガリーでも環境問題に関心を持つ人々の間で知られるようになってきており、再利用できる買い物袋はゴミを減らすための工夫のひとつとして推奨されています。
中身の見えるネットの巾着は機能的で、イラストや柄の入った布製のものは可愛らしく、ビニール袋を利用するより買い物が楽しくなるのは間違いありません。ホウレンソウやジャガイモなど土や砂のついている野菜もあるので、洗えるコットン製の袋は重宝します。
これらは自然食品の店、デザイン雑貨店や先日紹介した廃墟バーのマーケットなど、エコフレンドリーをテーマにしたイベントで販売しています。
今年に入って、スーパーマーケットでも野菜、果物用袋の販売が始まりました。ちなみに、量り売りに使用する薄いビニール袋は無料ですがスーパーマーケットのレジ袋は有料なので、ハンガリーではマイバッグを持参する習慣はすでに浸透しています。また、購入したレジ袋を次の買い物に再利用する人も多いです。
シャンプーや洗剤も量り売りの時代
ブダペストにある自然食品や雑貨を扱う店の一軒では、食品だけでなく、シャンプーとリンス、そして台所用、掃除用、洗濯用洗剤と柔軟剤の量り売りもしています。容器の購入もできますが、持参してもOK。好みのシャンプーや洗剤を100mlから必要な分量だけ購入することができます。
ゼロ・ウェイストを徹底して実践するのは難しいけれど、ゴミを減らすために出来ることは少しずつ生活に取り入れていきたいと言っていたのが印象的でした。
必要なものを必要なだけ購入することで、ロス対策にも繋がります。また、少量から購入できることで、興味のある製品を試しやすくなります。エコでありながら消費者にメリットもあるのではないでしょうか。今後も量り売りはさらに浸透していきそうです。
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