フィンランドの「郵便局」事情。国のプロモーションに繋がるブランディングとは
デザイン大国フィンランドでは、日常の暮らしの中に素敵なデザインが溶け込んでいます。フィンランドの郵便局(=Posti)もまたその一つで、ブランドイメージが非常によく、オレンジカラーと可愛いロゴが、街のどこに居ても目を引きます。シンプルながらスタイリッシュなディスプレイに、素敵なデザインのパッケージを取り揃え、郵便局へ行く度にワクワクさせられます。
歴史のある建築に注目!ヘルシンキ中央郵便局、Postitalo(ポスティタロ)
ヘルシンキ中央駅の目の前にあるポスティタロには、ヘルシンキ中央郵便局が入っています。1938年に完成したこの建物は、フィンランド人建築家のJorma Järvi (ヨルマ・ヤルヴィ)とErik Lindroos(エリック・リンドルース)によってデザインされたもの。現在この建物には、郵便局をはじめ、スーパーマーケット、レストラン、病院の検査機関(HUS)などが入っています。
「また来たい」と思わせる、ディスプレイと売り場作り
郵便局には、贈り物用の可愛いカードやカレンダー、お土産も販売されており、単に郵便手続きを行う場としてだけでなく、ショッピングも楽しめる空間となっています。また、フィンランドでは絵葉書を送り合う習慣があるため、クリスマスや誕生日、友達の日など、様々なお祝いのシーンごとにカードが販売されています。
機能的かつデザイン性の高いパッケージ!サイズのバリエーションも豊富
用途に応じて、箱の大きさ・厚み・素材の違うパッケージが揃います。
長い間継続されている定番デザインに加え、若手デザイナーとのコラボレーションでは新しいパッケージデザインの採用にも積極的に取り組んでいます。長期に渡り飽きずに、子供から大人まで使ってもらえるようなデザインを意識して作られています。
また、フィンランド人は小包を受け取ると梱包箱を保管し、次回自分が郵送する際に再び使います。あて名の上に何度も紙を貼っては上書きし、箱がクタクタになるまで使うリサイクルに熱心な文化なのです。
「フィンランド」が凝縮された切手が、国のプロモーションとなる
郵便局のカウンターには、様々な切手コレクションが並びます。新しいデザインの切手が次々とリリースされ、季節限定で発売される切手は特に人気で、コレクションとして買い集める人もいるほどです。人気イラストレーターとのコラボレーションでは、歴史や大自然を感じられるフィンランドらしいアイコニックなデザインまで揃います。
国際郵便は世界中へ送られるため、郵便パッケージや切手は「国のプロモーション」も担う重要なもの。デザインからは、世界を意識して作られていることが感じ取れます。
郵便局のコインロッカーは何に使うもの?
効率化とサービスの簡素化を図るため、郵便局やスーパーマーケットには郵便局の電子ロッカーが設置されており、郵便物の発送と受取ができる仕組みになっています。窓口が空いていない営業時間外にも利用が可能なため、共働き社会では便利なシステムとして多くの人が利用しています。
このように、電子化によってサービスの簡素化を図りながらも、ブランディングに力を入れているフィンランドの郵便局。今後も目が離せません。
All Photos & Text: Yuko Räsänen
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