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アメリカ現地よりレポート。新コンセプトスーパーマーケット「365 by Whole Foods Market」

高級志向のオーガニック食料品小売店Whole Foods Marketが、ミレニアル世代向けにリーズナブルな価格設定の新しいコンセプトストア「365 by Whole Foods Market」を2016年からアメリカで展開し始めています。現在6店舗展開中で、第1号店でもあるロサンゼルス・シルバーレイクにあるお店に調査に行ってきました。

「365 by Whole Foods Market」

2016年からロサンゼルスを中心に展開を始めた、ミレニアル世代向けでリーズナブルな価格設定の「365 by Whole Foods Market」。現在では、ロサンゼルスに2店舗、オレゴン州(ポートランド郊外)に1店舗、テキサス州に1店舗、オハイオ州に1店舗、そして2017年12月にはサンフランシスコ郊外にも進出したところです。今回は、通常のスーパーマーケットとは一味違うこのお店の特徴に注目してみます。

写真:「365 by Whole Foods Market」

20代〜30代のミレニアル世代がターゲット層

ミレニアル層がターゲットということで、ヒップスターが多い街で知られるシルバーレイクが1号店として選ばれたのも納得です。入口からとてもシンプルモダンな作りです。テーマカラーである青と緑が基調になっています。中は簡素な作りになっていて、倉庫のような様子は会員制倉庫型卸売小売店のCostco(コストコ)にも似ています。

写真:「365 by Whole Foods Market」入り口 テーマカラーが上手く活用されています。

写真:会計レジ。番号札にはポジティブなネーミングで区別。

②Whole Foods Marketと、365 by Whole Foods Marketの違いは?

ホールフーズは「ホールペイチェック」(給料のほとんどをオーガニック食品に使ってしまうという意味)とニックネームがつく高級なイメージでした。そのイメージを払拭すべく、一部の野菜や果物は非オーガニックになったり、約30,000品目の品揃えであるWhole Foods Marketに対して365は約8,000品目と商品が厳選されています。

③プライベートレーベル

365店ではプライベートブランドである「365」製品が約4割ほどあり、Whole Foods Marketに比べるとかなり多くなっています。食品~日用品まで各種取り揃えられております。

写真:プライベートレーベル 365~お菓子~

写真:プライベートレーベル 365~日用品~

写真:プライベートレーベル 365~ヘアケア・化粧品関連~

写真:プライベートレーベル 365~ベビー用品~

④品質基準

全ての製品は、Whole Foods Marketの厳しい品質基準を満たし、着色料、色、甘味料、防腐剤、トランス脂肪酸が含まれていません。GAP 5 Step Animal Welfare定格の肉、サステイナブルな魚介類、新鮮でグルテンフリーやビーガンなど様々な食生活の人に合わせた食品を取り揃えています。

写真:生鮮品 お肉のコーナーのPOP

写真:魚介類売場のPOP

⑤テクノロジーを駆使

テクノロジーやセルフサービスを駆使することでコスト削減を試みています。例えば、店内はシンプルな構造になっていて、最小限の印刷表示になっており、代わりにディスプレイなどを活用し、デジタル表示でのPOP、プロモーションなどが使われています。また、タブレット端末による商品の説明、テイクアウトの注文などが挙げられます。

写真:大型モニターでSALE品などを告知

写真:テイクアウトコーナー タブレット端末でセルフスタイルで注文

⑥スーパーではなく大型のコンビニ?!

スーパーというよりも、コンビニ、市場、カフェの位置付けお店の中心には、このようなテイクアウトのコーナーがあり、我々の従来イメージするようなスーパーというよりは、コンビニやカフェに近いイメージになっております。このコンビニ・カフェ要素が、ミレニアル世代に受ける理由だと感じます。

写真:店内の冷蔵ケース(アルコール関連)

写真:店内冷蔵ケース(飲料)

写真:店内お惣菜コーナー

⑦スマホでロイヤリティープログラム「マイ365リワード(My 365 Rewards)」

こちらではスマートフォンでロイヤリティープログラム「マイ365リワード(My 365 Rewards)」が行われています。会員には特別に毎日100品目が10%オフとなるディスカウント、「10個購入で1個無料」の数量割引等の特権があります。

⑧量り売りがない

アメリカのスーパーマーケットでは通常なのですが、野菜・肉・魚介類は パウンドにつき何ドル、という価格設定はされていません。全て数量での価格になっているため、お客さんも測る手間が省ける、そして精算の際の時間短縮に繋がって人件費削減にも繋がっています。

写真:店内野菜売り場

写真:店内 花売場。値段もシンプルに手間とコストをカットし、お求めやすい設定で展示

いかがでしたか?今回はロサンゼルスから少し変わった形態のスーパーマーケットのお届けしました。次回も面白い情報をお届けします。

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