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プロテインの新しいカタチ:進化したライフスタイルドリンク

アメリカでは、好きなメインとおかずを組み合わせて自分好みにカスタマイズする「Build-Your-Own Meal」スタイルのお店がよくあります。日本で例えるなら「主菜と副菜を自由に選べる定食セット」といった感覚でしょうか。こうしたお店では、カウンター越しに店員さんから「メインの肉料理はどれにしますか?」と聞かれる代わりに「プロテインはどうしますか?」と聞かれることも多いのです。

それは最近のヴィーガントレンドに乗って、牛・豚・鶏に加えて代替肉となる豆腐などを選ぶ人も増えたため、メインが肉であるとも限らなくなっているからです。
「プロテイン=筋トレ用」というイメージはすでに過去のものです。今では、プロテインは食事の一つのカテゴリー名としてすっかり定着しているようです。

さて、先日ご近所さんが世間話の中で「最近はヴィーガン用のプロテインドリンクが増えてきて助かる。」と言っていました。それまで私はアスリートや筋肉を鍛えたい人向けだと思っていたので、それを聞いて改めてプロテインドリンクコーナーを見てみると、そのバリエーションの豊かさに驚きました。

というわけで今回は、アメリカで人気のプロテインドリンクブランドをいくつかピックアップしてみました。日本のプロテインドリンクファンの方にも、「こんなのもあるんだ!」と楽しんでいただけるかもしれません。

Muscle Milk(マッスルミルク):ボディビルダー御用達?定番ブランドといえばMM

まずご紹介するのは、プロテインドリンクの中でも定番中の定番、「Muscle Milk」です。直訳すれば「筋肉牛乳」というブランド名の通り、まさに筋肉増強用のイメージが強いものの、タンパク質25g以上に加え、ビタミンやミネラルもバッチリ配合されているので、しっかり栄養補給ができるとあってバランスを重視する健康志向の人々にも愛用されています。

マッチョな見た目に反して、飲んでみると意外にもその甘さと豊かな風味に驚かされます。シェイク感覚でゴクゴクいけちゃうので、筋肉作りにこだわらない人でも十分楽しめる味わいです。

Muscle Milk

Fairlife Core Power(フェアライフコアパワー):牛乳の力、濃厚ミルクプロテイン

最近はヴィーガンでなくとも動物由来の食品を避ける人が増えていることから、豆乳やアーモンドミルクなどの植物性ミルクの存在感に押され、乳製品売り場での牛乳の肩身が少しずつ狭くなっているのを感じます。

こちらでご紹介する「Fairlife」はもともと牛乳のブランドで、低脂肪やビタミン入り、フレーバー牛乳などのバリエーションを広く展開して、植物性ミルクの勢いに対抗しているのものの、この流れに乗り切れずに伸び悩むのでは?と勝手に心配していました。
そんな中で登場したのが「Fairlife Core Power」です。
なんとなくケミカルなイメージが強いプロテインドリンクが並ぶ売り場に、「牛乳由来のプロテイン」として登場すると自然で健康的なイメージになるという巧妙な戦略ではないでしょうか。
気になるお味ですが、ミルクのボディ感が強く、まるでシェイクのような飲みごたえです。タンパク質も26〜42gとしっかり摂取できる本格派です。

Fairlife Core Power

OWYN:強いだけじゃない、みんなに優しいプロテイン

冒頭で触れたご近所さんのように、ヴィーガンにとってプラントベースで開発された日常商品はとても助かるものです。プラントベースに置き換えられたプロテインドリンクの代表的なブランドが「OWYN」です。「Only What You Need(あなたが必要なものだけ)」の頭文字をブランド名にしていることからもわかるように、余計なものを入れないでほしい人々のニーズに応えて仕上げたという商品コンセプトです。
動物性素材を完全に排除するということは、ヴィーガンだけでなく牛乳や卵のアレルギーを持った人たちにも助かるわけで、まさに体にも動物にも優しいプロテインと言えるでしょう。

牛乳由来のプロテインドリンクのコクのある味を知ってしまうと、試飲前は「植物性って美味しいの?」と半信半疑だったのですが、意外とスムージー感覚でゴクゴクいけます。軽い口当たりが好きなヘルシー志向の人にもぴったりかもしれません。

OWYN

Bolthouse Farms(ボルトハウスファームズ):プロテイン×スムージー、新鮮さで勝負!

プロテインドリンクRTD(レディトゥドリンク)商品といえば、常温保存できるボトルタイプが多い中、スムージー・ジュースブランドの「Bolthouse Farms」は他の商品と同じくチルド流通にこだわり、フレッシュなプロテインドリンクを提供しています。
イチゴ味やチョコ味などのベーシックなフレーバー展開が多いプロテインドリンク界の中で、ストロベリーパフェ味やダッチチョコレートバナナ味などひねりを効かせているのは、人気スムージーブランドとしての矜持でしょうか。
どうしても「筋肉作りのための義務感」が伴ってしまいがちなプロテインドリンクの従来のイメージから、「飲む楽しさ」へシフトした明るいパッケージも魅力的ですね。朝食や間食代わりにサラダ感覚で飲めるので、プロテインがヘルシーライフの一部として自然に取り入れられていく予感がします。

Bolthouse Farms

Remedy Organics(レメディオーガニクス):「プロテイン+スーパーフード」心も体もヘルシー習慣

プロテインドリンクといえば体づくりのイメージですが、心も整えるというコンセプトなのが「Remedy Organics」です。こちらもチルド流通で、100%プラントベースなのですが、プロテインだけでなくスーパーフードも一緒に摂れるとあって、ヨガやマインドフルネスを好む人たちにぴったりです。

例えば、ターメリックで体を温めたり、ライオンズメインで脳のサポートをしたりとプラスの要素が期待できますし、丁寧なセルフケアの感覚を得られそうです(実際の効果のほどはわかりませんが…)。単にタンパク質を補うだけではなく、体にも心にも良いものを。そんな新しい価値観を提案する、プロテイン×ウェルネスのスタイルが広がりつつあるのを感じます。

Remedy Organics

BREAKFAST ESSENTIALS(ブレックファストエッセンシャル): 子どもにも大人にも、ファミリーで楽しめる

「BREAKFAST ESSENTIALS」は、カルシウムやビタミンDなど、成長期の子どもに必要な栄養素がしっかり含まれており、子どもに与えたい親心を感じさせる商品です。どんなに体に良くても、子どもはおいしくなければ飲み続けてくれないのではという懸念もあると思いますが、パッケージ上の「KID APPROVED TASTE(子どもが認めた味)」のマークが示す通り、クセのないフレーバー牛乳のような味わいで、その心配は不要かもしれません。

そもそも「BREAKFAST ESSENTIALS(朝食の必需品)」という名前ですから、子どもだけでなく忙しい大人の朝ごはん代わりにもぴったりです。6本入りのカートンパックで、家族全員でシェアしやすい商品設計です。子どもの成長をサポートし、忙しい大人の健康的な朝食としても活用できる新しいプロテインドリンクのコンセプトとして注目する価値あり!ではないでしょうか。

BREAKFAST ESSENTIALS

最後に

プロテインドリンクといえば「運動後に飲むもの」といったイメージを持っていた私ですが、アメリカのプロテインドリンクを見ていると、多様なライフスタイルに合わせて選べる豊富な選択肢に気付かされ、ユーザーの広がりを感じました。プロテインという要素に対する概念が、日本よりも幅広く捉えられているからかもしれません。
日本でもこれからプロテインに対するイメージが変わっていけば、アメリカとはまた違った形での独自のプロテインドリンクの進化が見られそうで、今後も注目したいカテゴリーです。

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