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コンビニで見つけたお菓子のパッケージデザインを「分解・分析」してみる【連載第17回】

画像:packagecollection

こんにちはpackagecollection(以後パケコレ)です。(パケコレのプロフィールページはこちら。)

今回のテーマは「パッケージデザインを分解してみた」!

前回の「コンビニで見つけたおしゃれなパッケージデザイン」を、さらに深く分解して解説してみたいと思います!前回のレポートをまだ読まれていない方は、是非こちらからチェックしてくださいね。

▼前回のレポート

コンビニで見つけた、ちょっとしたお礼にも使えるパッケージデザインのお菓子4選!キーワードは「誰かとシェアしたくなる」【連載第16回】

1.「ロッテ アーモンドショコラ(ストロベリー)」を分解

Photo:ロッテ アーモンドショコラ(ストロベリー)

まずは形状。こちらは、シャルロッテの形状を活用しているようですね!

画像出典元:https://00m.in/MhD7s

というか、よくよく見たら商品内容もシャルロッテのショコランタンを独立でブランド化させた感じなのですね。開け方のDNAはここから。ただし、テイストは大胆に変更しているところがアーモンドショコラのキモ。書体の選定、素材選び、構図・フォトは、最近の流行から生み出されているように感じました。

■書体

 

「カッパープレート」という書体と、「筆記体」をうまく組み合わせておしゃれにロゴをあしらっているデザインは、流通向けのパッケージとしてはかなり「攻め」。過去に「メルティキッス」の限定パッケージで似たような表現をを見つけましたが、こういった「サンセリフ体」でカッチリ読ませ、「セリフ体」で飾り文字としてデザインするのが、最近は多く見られるようになりました。

■フォト・商品イメージの表現方法

 

Photo:小枝 塩バターキャラメル

Photo:小枝 タルトタタン

フォトのイメージは、この小枝のような表現方法がとても近いなと感じました。ベースカラーは1色で仕切って、フォトは光沢のあるツヤ感を生かした表現を撮影し、商品画像は見切れるように。画像自体は見切れていても問題ないので、こういった表現が今後増えてくるのではないかと思います。

■質感を尊重したテクスチャの使用

 

画像出典元:https://pin.it/6uq5hotmq4ovjf(プレスバターサンド)

こちらのパッケージを見たとき、正直「お土産のプレスバターサンドみたいだな~」というのが率直でしたが、色味、指し色など大きく影響を受けていますね。「プレスバターサンドっぽい」と表記していますが、果たしてプレスバターサンドのパッケージが店頭に並んだ時に流通で目立つのか?というと、そうではないと思っています。

そこからしっかりとロゴの作り方、商品イメージの工夫を行っていることによって、対流通・対瞬間コミュニケーションができるような「アーモンドショコラらしさ」を作っていっているように感じました。

2.「森永 グリッチ」を分解

画像出典:https://pin.it/l7c2klfc3bkpp7(シャルロッテ)

グリッチは、先ほども例で挙げた「シャルロッテ」のデザインのトーン(手書き感)が近いですね。手書き感やさしさ表現などのデザイン傾向は、このようなところから影響を受けているように感じました。シャルロッテは、より「ヨーロッパの絵画!」「パリからやってまいりました~」という雰囲気に仕上がっていますが、グリッチのテイストは若めですね。

■書体・デザインの構成

 

画像出典:https://pin.it/5c5a3y22w7vkh7(スターバックス リザーブ®)

ロゴセンター配置、パターン的なグラフィック表現が最近は流行っているように感じるのですが、グリッチも複合的に加味されたデザインになっていますね。前回取り上げた「Ghanaコクの一粒」や「ふんわりRICHブラン」も同じようなデザイン構成ですね。

Photo:ロッテ ガーナ コクの一粒

Photo:ロッテ ふんわりRICHブラン

書体は「ふんわりRICHブラン」のような、ゴシック体の角を丸くした可愛らしいロゴになっています。ここの書体がしっかり締まっているからこそ、カジュアル&柔らかいテイストで構成されているのにパキッと緊張感がある良いデザインになっていると、筆者は分析します。

3.「ネスレ キットカット 瀬戸内 塩&レモン」を分解

Photo:ネスレ キットカット 瀬戸内 塩&レモン

こちらは、よくお土産に見られる手法が使われていたので、取り上げてみたいと思います。

地域デザインでは、手法として「水彩タッチ」や「手書き感」などの表現がよく使用されるのですが、どちらかといえば「キットカット瀬戸内レモン」もお土産感を演出し「限定感」を強く打ち出したデザインのトーンになっていますね。

Photo:大分 赤レンガ スイートポテト

Photo:仙台 ひとくちずんだ餅

まとめ

今回は、パッケージの分解を初めて行ってみました。「〇〇っぽい」という表現は何に対しても使われがちで、また、その「〇〇っぽい」と言われた商品側もそれを追随して作られた商品だったりと、様々な市場背景があります。その中で、「コンビニやスーパーに置かれたらどう戦うか」というところを考え抜かれているのが、今回取り上げたパッケージだと思います。

原点には何かしら参考にしているものがあっても、それをどう工夫して売っていくか考えた上でブランディングや商品化されているものが、現在のコンビニやスーパーに並んでいるパッケージなんだと、改めて考えさせられました。

次回もどうぞよろしくお願いいたします。以上、パケコレでした。

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