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コロナ禍で需要アップ!おしゃれな「コーヒー」のパッケージコレクション【連載第36回】

画像:packagecollection

こんにちはpackagecollection(以後パケコレ)です。(パケコレのプロフィールページはこちら。)

激動、そして未曾有の2021年。パッケージに紐づく商品・製品の需要は減らず、むしろどうパッケージでコミュニケーションを取っていくのか、これからの時代をケアをしていけるのか———。

そんなところが浮彫になりつつ、一般消費者の需要をつかさどる生活商品系のパッケージの需要は減らないのではないかと、パッケージに携わる者としては希望を感じた一年でした。

さて、今回から少しテイストを変えつつも、より一層の有益な記事となるように務めてまいりますね!(のんびり更新ですが・・・)

「おうち時間充実」や「接触に関してのリテラシー」、そして「withコロナでの生活」を軸とした特集のパッケージを見ていけたらと思っております。

今回のテーマは「コーヒー」のパッケージ!

今回は、おうち時間充実に活躍(?)するコーヒーのパッケージ特集です!

筆者は普段、プロモーショナルマーケターとして生活者プロモーションをメインに仕事をしているため、生活者の生活スタイルを観察したり、それらを踏まえた様々な提案をしております。

その中で、やはり色濃く出てくるのが「おうち時間」。つまり、皆がどうやって家で過ごしているのか、どういう価値観で過ごしているのか、です。世代にもよりますが、コロナウイルスによって制限が増えたからこそ「ていねいなくらし」を意識されている方が増えたようです。

少しおしゃれな生活家電やインテリア雑貨の需要が増え、実際にそのような商品の売り上げは好調なのです。そんな世の中で、より生活に寄り添った「コーヒー」のパッケージは、今の消費者の心理にぴったりかもしれないなと思っております。

Photo:今回は日系企業のパッケージではなく、「ちょっとていねいなくらし」をターゲットとした海外商品を取り扱うセレクトショップで4つのコーヒーを購入してみました。

コーヒーのパッケージデザイン観察①「ヒルスブレンドゴールド」

Photo:ヒルスブレンドゴールド

こちらのコーヒーがいちばん美味しかった!ということでトップバッターです(笑)。

見た目も「ザ・コーヒー」といったイメージ。ココアでもなく、紅茶でもないこのテイスト。ゴールドとブラウンのコントラストはココアのパッケージでもよく見られるのにもかかわらず、絶妙なバランスでコーヒーのパッケージとして成立させています。「あー、コーヒーってこんなパッケージよね」となぜか腑に落ちてしまう、素敵なデザインなのです。

変にキービジュアルで訴求していないところもGOODですね。インテリアにも合いそうです。おしゃれなので空き瓶をリサイクルしたくなるような、そんな素敵なイメージまで膨らみます。

色数も多すぎず見やすく、しっかりコントラストがあるので訴求も出来ており、バランスがとれているパッケージデザインだと感じました。

コーヒーのパッケージデザイン観察②「24 Organic Days オーガニック インスタントコーヒー カフェインレス」

Photo:24 Organic Days オーガニック インスタントコーヒー カフェインレス

続いて、カフェインレスのオーガニックコーヒーです。こちらの面白いポイントは、キッチンやカフェに置いていることを彷彿させるデザインであることです。オーガニックであること、カフェインレスであることをしっかりと主張するためにも、とてもやさしい表現を使用しているところが特徴的ですね。

しかし、こちらのパッケージは「やさしさ・雰囲気重視」であるため、一般的なスーパーや安売り系の店頭では、上手く商品の良さや価値が伝わらない可能性があると思います。

コーヒーのパッケージデザイン観察③「ユニコ・ジャパン インドカフェ スマトラ」

Photo:ユニコ・ジャパン インドカフェ スマトラ

キラキラとしたゴールドのデザインとエスニックな赤いイメージが素敵。キービジュアルに動物を用いているところが他社との違いです。それこそ「へぇ、インドのコーヒーかぁ」と思いながら興味本位で思わず手に取ってしまうパッケージデザインだと思います。

コーヒーのパッケージデザイン観察④「バーレーカップ (シリアルコーヒー)」

Photo:バーレーカップ (シリアルコーヒー)

カフェインレスで「大麦」から作られたコーヒーです。クリーム系のトーンで「これはなに?」なるデザインですが、商品に対してPOPを付けることでその疑問をサポートしています。パッケージから「コーヒー感」が見られないので、コーヒーカップのイメージビジュアルで補っているのでしょうか。

「おしゃれ」感の演出はコロナ関係なく一定の好感を抱く

コロナ禍においての市場を淡々と見てきた感触としては、少しおしゃれ感が漂うパッケージが好まれる傾向を感じました。

食品・一般流通系では安く食品をまとめ買いし、使うところでは使う。そんな時に選ばれるようなデザインであることは、ブランディングする上で今後とても重要な事項になってくると思います。

食品サービス系の業種が厳しい中で、大手流通に展開している商品はマーケティングによって伸びしろがあります。パッケージデザインから少しでもヒントとなるエッセンスをとってもらえたらいいなと思っております。

以上、パケコレでした。

  

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