ビジネスパーソンが読むメディア。マーケティング、セールスプロモーション、パッケージの企画・開発に役立つアイデアと最新の情報を、世界中から配信。

「沖縄っぽい!」を伝えるためのパッケージデザイン(後編)【連載第11回】

 

画像:packagecollection

こんにちはpackagecollection(以後パケコレ)です。(パケコレのプロフィールページはこちら。)

今回のテーマは「沖縄」!

今年は各社で、過去に例を見ないほど「沖縄」にフィーチャーした商品が展開されているため、それらのパッケージ特集と、そのバックグラウンドを考察していきたいと思います!前編をまだ読まれていない方は、こちらからどうぞ!

https://pake-tra.com/package/4667/

3.その他編

Photo:ちんすこう コーヒー味

沖縄らしい!と言えば「ちんすこう」も外せませんが、かなりファッション性が高い商品も出てきているのですね。小分けに包装されており、食べやすい形状に。しかしこちらの商品、ちんすこうだと、沖縄を意識した商品だと、誰が気づくのだろうか…。ちょっとお上品すぎないかなぁ?と、筆者は思いました。

Photo:ヤマザキ たっぷりツインシュー 塩バニラ&ホイップ

こちらもスーパーフォトリアルでパッケージを作っています!このパッケージで特徴的なのは、シュー(商品)を見せつつ、グラフィックで沖縄を表現しないといけないこと。訴求できる面が小さい分、写真素材は使いにくいのですが、うまく落とし込んでいるデザインです。パンのパッケージとかに良く用いられる方法ですね。

ちなみに、その他の「雪塩」シリーズ商品もご紹介。

Photo:キンカン の雪塩タブレット

先ほどの「ヤマザキ たっぷりツインシュー」のパッケージとビジュアルが酷似!しています!しかも「雪塩」の書体まで一緒…シンクロがすごいですね。写真もすごく近い。ちょっとこちら側の人間としてはドキドキしますね。あ、危なかった…と。笑

他にも「雪塩」シリーズには、こんなものがございます。

Photo:雪塩 レモンキャンディ

こちらも「雪塩」の書体は一緒ですね!おばけ書体…人気者ですね。海のビジュアルには辛うじて差が生まれています。どちらかというと雪塩よりもレモン推しですね。

4.地元で販売されている製品のパッケージデザイン編

沖縄フェアで沖縄から来た雪塩にも出会えたので、そちらもチェックいたしましょう!

Photo:雪塩黒糖

ビジュアルはなんと!一切海の写真がありません!デザイン要素として波だけありますね。「宮古島の雪塩」はやはりおばけ書体を使用されておりますが、こういう規定があるのかもしれませんね。現地のデザインは筆文字の荒々しさが特徴的です。

正直、「沖縄フェア」や「沖縄で購入」するから「沖縄の商品か~」と認知できるのだと思うのですが、スーパーやコンビニの中で見た時は、写真やハイビスカス、民族的なパターンを使用するほうが認知されやすいと思います。

Photo:琉球銘菓  黒糖入りサーターアンダギー

沖縄フェアに行ってみると、沖縄フィーチャーの商品だけでなく沖縄から上陸した商品も多数ありました!こちらは沖縄で販売されている商品ですね。

沖縄らしいイメージとしては、民族服のパターンであったり「沖縄黒糖」という表記くらいで、あとは筆文字でインパクトのあるグラフィックですが、どこか「洗練されすぎない荒々しさ」みたいなところがあっていいなぁと思います。特にこれといった沖縄を表現するデザイン要素は入れていないものが多いです。でも、これを見て「沖縄っぽい〜〜!」と私的には感じました。

色彩と書体の選定・・・このちょいダサ・・・洗練されすぎていない感じがとても絶妙に沖縄らしくて素敵だと思います。そう考えると、「沖縄らしさ」を構成する要素って多様で、かつ複雑ですね。私は行ったことがあるのでそう思っただけだと思うのですが、ない人は一体どう思うのでしょうか。

さいごに

今回は沖縄にフィーチャーしたパッケージデザインの特集でした。人によって認知が違うはずの「沖縄」だと思うのですが、共通したイメージは、「海」「ハイビスカス」「シーサー」「シークワーサー」といったところでしょうか。

ゴシック体を袋文字にしてダサさを出したり、「赤、黄色、紫」をベースとした色彩構成が「沖縄らしさ」を演出するキーとなるようです。コラボ商品を出す際は、このあたりをベースにアプローチを考えていくと沖縄らしさが出るのではないでしょうか。

ここまで沖縄フェアが多くなったのは、今年セブンイレブンが沖縄に初上陸を遂げたことによるお祝いムードで、セブンイレブンで多くの限定商品が販売されていることが大きいと感じたのですが、それ以外でもこのシーズンは様々な場所で沖縄フェアが行われており、これからますます増えてくるのでは!?と思っております。

このように細かく限定商品のパッケージデザインを分解をすることで、「〇〇らしさ」を表現する方法や傾向を見られるため、知識としてはとても重要だなぁと改めて感じました。

来年の沖縄コラボ商品も、今から楽しみですね。

以上パケコレでした。

このライターの記事

Top