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増えるラグジュアリーなパッケージ。「メルティーキッス」特殊加工のすごさを解説する【連載第23回】

画像:packagecollection

こんにちはpackagecollection(以後パケコレ)です。(パケコレのプロフィールページはこちら。)

今回のテーマは「明治・Meltykiss(メルティーキッス)の特殊加工」!

今回は明治「メルティーキッス・プレミアムショコラ」シリーズに見る「特殊加工」を深掘りしてみましょう!

Photo:メルティーキッス・プレミアムショコラ

最近は、200~400円の高価格帯のお菓子がコンビニやスーパーで見られるようになりました。子どもの頃はこういったキラキラ加工のパッケージなんて、お土産か、明治チョコレートの包装紙くらいだと思っていました。それが最近では、珍しくもなんともなくなってきましたが、別にこの加工にかかるコストが下がったわけではないのです。

パッケージのデザインや加工をじっくり見る前に、なぜ「特殊加工」なのか?と言いますと、ターゲットが子どもから大人に変わり、大人にはリッチ感を出したりチープ感の払しょくを行った訴求を行うからですね。

ではこの「大人の興味を引いてしまう」特殊加工の美しさやこだわりを、純粋に観察しようではないか!ということで、今回はこちらの特集を組んでみました。

Photo:メルティーキッス・プレミアムショコラ

正方形のパッケージに、「彫刻版のエンボス加工+箔押し」というこだわり。「彫刻版エンボス」とは、通常のエンボス加工では出せない微細な表現ができるように、凹版と凸版を使ったエンボス加工のことを言います。また、それだけでもすごいのに箔押しまで施しております。最高に美しいですね。

Photo:彫刻エンボス加工

こういった加工は、ブライダルのようなかなり高価格帯のものに対して施されることが多いのです。明治さん、す、すごいです・・・。それだけでもすごいのに、側面のロゴはニス塗りでまた質感を変えてきており、360°楽しめるようなデザインなのです。

さらに、開けたときの口の形状も美しい流線型のフレーム。どこまでも美しいパッケージで、やっぱり店頭で手に取ってしまいたくなりますね。筆者がこちらを書いている段階では、正方形パッケージのシリーズからは3フレーバー出ておりました。

Photo:メルティーキッス・フルーティー濃いちご

Photo:メルティーキッス・初摘み濃抹茶



おそらく「彫刻エンボス加工+箔押し」の版データがあるため、箱の形状とロゴ位置は変えずにグラフィック表現だけ変化させたバリエーション展開をおこなっているのでしょう。シリーズ感が出て、とても素敵ですね!しかも、カラーメタリック箔!!どれだけ製造コストかけているの?!とびっくりです。これが2、300円で入手できるなんて、企業努力としか言いようがないと思います。

Photo:メルティーキッス・プレミアムダーク

今回、この「特殊加工」の特集を組もうと思ったきっかけの商品がこちら。写真で伝わりにくいのがとても悔しいのですが、こちらのパッケージ、おそらくシルバーのメタリック紙(蒸着紙や、ミラー紙と表現されます)を使っており、キラキラと奥ゆかしい光沢感があるのです!

このような紙は本当に高価で、多くは高価格な家電系の商品の、店頭販促物に使用されることが多いのです(店頭販促はパッケージよりは安価のため・・・とはいえ、それでも高いですが)。そういったミラー紙を惜しげもなく使ったパッケージが店頭でまばゆく光っていたら、それはもう手に取ってしまうのではないでしょうか!?

しかも、こちらも彫刻箔押し。このこだわりは明治さんにしかできないのでは、と息をのんでしまいました。

まとめ

高価格なお菓子がどんどん登場する中で、自分の商品を手に取ってもらうため、またファンになってもらために、日々各社は企業努力を行っています。そのうちの一つとして、「パッケージで魅了する」というコミュニケーションを取っているのが、メルティーキッスなのではないかと思いました。

なかなかここまで加工を凝らしたものは多くありません。高価格帯であるお土産のパッケージだって、こんなにすごくないものも多いです。あるとすればラグジュアリーな化粧品でしょうか。化粧品でも昨今減っていると思いますが・・・。それを流通に流せるだけの生産力や財力(笑)が企業側に必要です。

メルティーキッスは、今あるラインナップだけではないので、是非、今冬店頭で探してみてください。そして、「これは彫刻エンボスの箔押し」とまわりに自慢げに話してあげてください。ちょっと物知りに思われると思います。

以上、パケコレでした。

  

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