画像:packagecollection
こんにちはpackagecollection(以後パケコレ)です。(パケコレのプロフィールページはこちら。)
今回はどこまで浸透している?!
「コーヒー」のエシカルパッケージ特集
以前もエシカルに関して取り上げさせて頂きましたが、今回はコーヒーカップに着目して見ていきたいと思います。
グローバルで注文されつつあるエシカル。しかし、人々の消費行動に寄り添うことは未だにハードルが高いようです。
今回はコーヒーカップを通して各社の取り組みを見ていきましょう。
パッケージの考察1:Starbucks Coffee
皆さまもよくご存知のスターバックスコーヒーですが、海外からやってきたこちらの企業だからこそ、きっとエシカルに力を入れているに違いない、そう思った方もいらっしゃると思います。
ですが、実際はそうではありません。グローバル展開する素晴らしい会社だからこそ、カップのクオリティーは世界共通となっており、エシカルに一部を変えるとなると莫大なイニシャルコストになってしまいます。
しかし、材質や「いままでの品質」を担保しなくてはいけないのにもかかわらず、FSC認定された資材を使うなど、出来る範囲でしっかりと工夫や対策を取られています。
パッケージの考察2:McDonald
こちらは、同じくチェーンのマクドナルドのコーヒーカップ。こちらはFSCマークだけでなく、レインフォレストアライアンス(RA)のマークを入れています。このマークのついたコーヒーを買うことによって生産国の熱帯雨林の保護にも貢献することになるという、素晴らしい取り組みです。
レインフォレストアライアンスについてはこちら。
私たちが知らず知らずのうちに、環境や誰かに貢献できるなんて嬉しいですよね。
パッケージの考察3:niko and ... COFFEE TOKYO
ここからは、全国チェーン店だけでなく、店舗オリジナルのカフェカップを見ていきたいと思います。
それでは、こういった個店舗のカフェはどのようにしているのか?そもそもエシカルに取り組んでいるの?と気になります。
物にもよりますが「印刷をしていない」という点では圧倒的にエコですし、必要な分を最低限のみ作成する、という使い方はよりエコになります。
ニコアンドカフェでもまさしくスリーブだけを印刷してあとは何もしていない、
意外にエコに思えてきますね。
パッケージの考察4:unknown原宿 ポップアップコーヒースタンド
こちらは、カップに直接スタンプを押していて印刷すらもしていない商品!
ポップアップコーヒースタンドならではではありますが、合理的かつクリエイティブで素晴らしいなと感じました。
パッケージの考察5:PIERS CAFE
こちらも、スリーブのみに印刷をしていて、かつ一色なので経済的かつエコ。
スリーブに印刷するメリットはカップのサイズが変わっても対応可能という点です。
サステナブル の「パッケージ」の基礎
それでは、まず35回の連載記事で取り上げさせていただいた、「エシカル」なパッケージですが、「サステナブル 」「エシカル」のそもそも論のお話をさせていただければと思います。(※第35回の記事はこちら。)
Sustainable Development Goals:「持続可能な開発目標」というものが今回の特集の主となる考え方、取り組みの概念です。
これは、我々が生きている地球の環境・経済・社会のバランスを考え、世界全体を持続可能な状態にしていくこと、それを「サスティナビリティ」と表現する考え方です。
そうでなければ、地球がどんどん枯渇して消耗するだけですからね。地球に暮らしている以上、共存をするために無視はできないです。昔は「共存」ができていた時代がありましたが、豊かになった今、本当にあるべき姿はどれなのか、ということに立ち戻る瞬間が来ているのかもしれませんね。
ただ、今の消費行動を止めることはできません。消費が止まれば経済は止まりますからね。
そんな中でもパッケージに出来ることは、
1「紙化」-脱プラ(石油燃料)
2「リデュース・リサイクル可能」-再生可能なものにすることで環境不可を軽減
3「使用する際にゴミが少ない」-過剰包装などを控え、消費者にとっても最適な形・素材であること
4「廃棄ロス」-賞味期限が一日でも伸びることで、多くの食材が破棄されずにすみます。まずは責任を持って作ったものを消費する。それが一番のエコ・サステナブル な活動です。
参考:https://www.toppan.co.jp/living-industry/packaging/sustainability/sustainablevalue/#use
パッケージを見ていく際にこの価値観から、エシカルを考えていかなくてはいけないのです。
まとめ: 持ち帰りパッケージの背景を考察
大手メーカーならではの工夫、個店舗だからこその工夫をそれぞれ比較する事でより違いが浮き彫りになったのではないでしょうか?
「過剰」であるべきではない、ということは間違いないとおもいますが、消費は悪いことでも、経済活動が悪いことでもないと筆者は考えています。
ただ、私たちが幸せになるために地球や環境を蔑ろにして消耗していつか後世で悲しい思いをさせては意味がないですよね。一方で、こういった価値観やリテラシーというのはそれこそ「文化」で、それぞれの価値観に委ねられているところが多いです。実は、ヨーロッパではもう10年以上も前からずっと取り組まれてきた「当たり前」な価値観なんです。日本人、何言ってるんだ、なんて言われてしまうかもしれませんよね。笑
そんな私たちの中で馴染みがないものを浸透させたり広めるには今回のようなスターバックスや、マクドナルドのようなかなり影響力の大きい企業が先頭を切って示してくれることがなによりも大切なんです。そして、それがスマートであればあるほど、日本人は興味を示します。
人は好感を持ったことしかやりたくないので、「強制」ではなく、「流行」にすることが一番いい取り入れ方かもしれませんね。
今回は少し深堀りがすぎましたが、このパッケージ考察から少しでもヒントがあればいいなと思っております。
以上パケコレでした。
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