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韓国ならでは?!日本とは異なる韓国コスメのパッケージ

こんにちは。パケトラ編集部です。
今回は日本で買える韓国コスメのパッケージについてご紹介します。

今や雑誌やSNSで見ない日は無い韓国コスメですが、近年日本でも市場規模が増えているようです。

週刊産業には以下の通り記述があります。

日本輸入化粧品協会が2021年11月8日に発表した化粧品輸入実績によると、2021年の化粧品輸入額は香水、メークアップ、スキンケア、ヘアケアがいずれもプラスとなり、2031億6000万円(前年同期比10.6%増)で推移した。

国別では、韓国が前年比26.4%増の452億6802万円と好調に推移し、首位のフランス(同5.2%増、469億3229万円)に迫る勢いをみせた。

伸び率は前年同期(34.5%増)を下回ったものの、日本の化粧品市場で韓国コスメが存在感を増している。(週刊産業 2021年11月22日号記事より抜粋)

日本でやはり韓国コスメの市場規模が大きくなっているようですね。
では韓国コスメはどのようなパッケージをしているのかを見ていきたいと思います。

ブランド価値を表現しているパッケージ(フェイスパック編)

初めに、韓国コスメといえば思いつく「フェイスパック」のパッケージを取り上げてみましょう。
(各ブランド毎に呼び方が異なりますが本記事の中では「フェイスパック」に統一しております)

ブランド毎にどのような違いがあるのでしょうか。

【MEDIHEAL(メディヒール)】

MEDIHEAL アンプルマスク

まず初めにMEDIHEALです。一度は目にしたことがある方が多いのではないでしょうか。今や薬局やバラエティショップでも購入が可能なフェイスパックになります。

MEDIHEALのパックは種類が豊富で、乾燥肌用・敏感肌用・くすみなど自分の肌の悩みに合った種類を選ぶことができます。個包装タイプと大容量タイプがあるので用途に合わせて選ぶことができるのもポイントではないでしょうか。

これは「『スピーディー&簡単&効果的に』ケアできるマスクを毎日のスキンケアに取り入れてほしい」というブランドの想いの元に出来上がったラインナップなのでしょうね。

パッケージデザインも、その効能によって変えてあります。また点滴のようなデザインがされているところから、目に見えて「肌に良さそう」な雰囲気が漂ってくるのではないでしょうか。男性用もあるので性別に関係なく使えるのも人気の一つですね。

また、同じMEDIHEALでも少し価格帯が上がったフェイスパックもあります。

泡がでるタイプ(写真右)だったり、ツボ押しチップが入っていてパックをしながら顔のケアもできるタイプのものも(写真左)新しく発売されています。同じメーカーからでも対象や必要な効能によってさまざまな種類が作られていることが分かります。

 

【TONYMOLY(トニーモリー)】

TONYMOLYは遊び心あふれるポップなデザインとスタイリッシュなパッケージが人気の韓国コスメです。

英語の“おしゃれな“という意味の「TONY」と日本語の“盛る”をかけた「MOLY」からできた言葉で「美しさを盛る」というコンセプトです。


TONYMOLY アイムマスクシリーズ

そんなポップなイメージのTONYMOLYのフェイスパックは、見た目にも鮮やかなパッケージです。それぞれの成分をイラストで表現し、成分ごとにパッケージの色を変えています。
その効能と商品名もそれぞれ英語で書かれており、まるでアニメポスターやアメコミのような印象を受けます。

中高生でも親近感が湧いて手軽に買いやすい雰囲気を与えることができるのではないでしょうか。

コスメブランドとして日本に実店舗の出店はありませんが(2022年2月現在)WEBや通販サイトでの購入は可能です。

 

【MISSHA(ミシャ)】

MISSHA エアリーシートマスク

MISSHAも同じく日本にブランドの実店舗はなく(2022年2月現在)、オンラインやバラエティショップでの購入のみが可能なブランドです。

「美しくなりたいすべての人にとって、いつでも手が届くブランドでありたい」というコンセプトの元、化粧品の開発・販売を行っています。

「MISSHA」のフェイスパックもそれぞれの成分をイラストで表しています。パッと見た感じだと写真のようで、とてもリアルなイラストが印象的なパッケージです。

 

またイラストを白枠で囲うようにしてデザインすることで、おちついた印象を与えており、まるで美術品や高級化粧品のような雰囲気がパッケージデザインからも見て取る事ができます。

「美しくなりたい」という思いを上品に表現しているパッケージに思えます。

 

【SKINFOOD(スキンフード)】

こちらは日本にも実店舗があるブランドのSKINFOODです。

こちらのブランドはその名前からも見て取れるように、「素肌が喜ぶ、FOOD(食べ物)から生まれた化粧品。食べてカラダに良いFOODをお肌にも!」というコンセプトがあります。

ブランド名とコンセプトがぴったりですよね。

取り扱っている化粧品のパッケージにも野菜や果物、植物などが使用されており、見た目からも「体に良さそう」という印象を与えることができます。

フェイスパックも同様に、成分の野菜を前面に押し出しています。その点は他のブランドと似ていますが、背景をクラフト調にすることで「自然らしさ」をうまく表現しているのではないでしょうか。

SKINFOOD ヴィッドマスクシート

水彩画のようなイラスト

店頭にも「肌にも美味しいごちそうマスクシート!」と書いてあり、なんともしずる感満載のキャッチコピーですね。

 

【innisfree(イニスフリー)】

同じく自然らしさをコンセプトしているブランドに「innisfree」があります。innisfreeは「肌に休息を与える島」を意味し、「済州島(韓国にある島)の自然の恵みをそのままに」をコンセプトとして掲げている化粧品ブランドです。

マイリアル スクイーズ マスクシート

天然由来のエキスを染み込ませたシートで、日々の肌のコンディションや気分に合わせて選ぶことができます。

innisfreeのフェイスマスクのパッケージには写真が使用されています。

写真の色味も明るく、背景色も白色、文字色もグレーを使用し全体的な雰囲気を少し淡くすることでブランドコンセプトの“自然”な感じを表現しているパッケージになっています。

文字部分はグレー

イラストではなく写真です

可愛い見た目の化粧品パッケージ

韓国コスメで特徴的なのはフェイスパックだけではありません。

韓国の特徴的な部分でもあるのかもしれませんが、商品の「見た目」というものをとても重視しています。

そんな中で日本のコスメ容器とは異なるコスメ容器がありますので代表的なものをご紹介します。

【Dr.Jart+ (ドクタージャルト)】

 

Dr.Jart+ Shake& Shot

このパッケージを見た時に衝撃を受けた人も多いのではないでしょうか。何とも表現しがたい容器ですよね(笑)

形と言い、色味と言い、目について思わず手に取ることを意図して作られているのであれば効果は間違いなしです。

こちらの商品は「Dr.Jart+」という皮膚科医の監修の元に作られているスキンケア商品になります。見た目に反してその成分はなんだか肌に良さそうですね。

同じデザインのフェイスマスクもありました。これがお店に並んでいると目を引いてしまいますね。

Dr.Jart+は科学とアートを組み合わせた製品の開発を行っているようで、まさしくこれはアートの域に達しているように思います。

 

【ETUDE HOUSE(エチュードハウス)】

ディアダーリン ウォータージェルティント(アイスティント)

「色とりどりのカラーでメイクアップを楽しもう!」がコンセプトのETUDE HOUSEが発売しているのは、アイスキャンディーをモチーフにした容器に入ったリップティントです。

リップと言えば筒状の容器に入っているイメージがありますがアイスキャンディー型にするとポップな感じがしますよね。

可愛くていくつも集めて飾りたくなるリップです!

 

【the seam(ザ・セム)】

the seam キャンディーティント

次にご紹介するのは、「the seam」のリップティントです。「泉のように湧き出る飽くなき美への探求心」をコンセプトに開発されている商品の内の一つです。

ETUDE HOUSEのものとは違ってこちらはキャンディー型をしています。

果汁を絞ったようなリップカラーが人気なようです。容器もポップな要素もあり、ニンジンやリンゴなどの食べ物のイラストが描かれています。

そうすることで中身の色のイメージもよりつきやすくなりますね。コロンとしたフォルムも親しみやすさがあるのではないでしょうか。

 

【3CE(スリーコンセプトアイズ)】

こちらのロゴを見たことがある方も多いのではないでしょうか。世界中の女性が自分だけのユニークな美しさを表現できるように、という思いを持ったブランド「3CE」です。

多色のアイシャドウやハンドミラーが有名なのですが、今回はハート型のリップをご紹介します。

3CE ハートポットリップ

手のひらサイズのハート型容器に入っているリップティントバームです。

内側に鏡もついていてまるでコンパクトのようで、ハート型の容器が女性らしさを表していますよね。店頭に並ぶ際のパッケージもハート型の透明ケースに入っており、グロスを塗った唇のようにぷっくりして見えるのも可愛らしさのポイントですね。

台紙が容器やリップと同じ色なので統一性があり、洗練された感じがありますね。

商品自体は手のひらサイズなので、持っているだけでも可愛いのはもちろん、蓋を開けて鏡を見ながらリップを塗る仕草も女性らしく見えるのではないかと思います。

 

【TONY MOLY】

先ほどのフェイスパックでもご紹介しましたTONYMOLYですが、遊び心あふれるポップなデザインが人気なだけに、他では見かけないような容器を多く作成しています。

その多くは、食べ物をモチーフにしたものです。

数ある商品の中で気になったのは「エッグポアタイトニングパック」です。

他のスキンケア商品はシュリンク巻きだったりシール止めだったりするのですが、こちらは箱に入っています。

そして、その箱にも卵のデザインとなんと!鶏とひよこのイラストまで描かれているんです。なんとも可愛らしい箱だと思いませんか?

箱の色もグレーになっていて、まるでエッグパックのような雰囲気に思えました。

TONY MOLY エッグポアタイトニングクーリングパック

卵の殻や膜を成分とした化粧品は数多くありますが、このように見るからに「卵!」と表現した容器とパッケージは可愛くて面白いですよね。

可愛らしく、話題にもなる。

ブランドコンセプト通りの遊び心のあるポップなデザインだと思います。

フェイスパックパッケージを通して

ざっと韓国コスメを見てみましたがいかがでしたか。巷にあふれるコスメ商品なので見たことある商品も多かったと思います。
個人的には商品の「見せ方」や「アピールの仕方」が上手いな、と感じました。

メイクをする時のワクワク感や肌を大切にしたい、綺麗に保ちたいという心を捉えてくすぐるようなパッケージデザインが多く、
それが近年の韓国コスメ需要の拡大にも繋がっているように感じます。

今回はコスメに特化して見てきましたが、機会があればその他の商品も観察してみたいと思います。

 

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