韓国コルマーの子会社「Yonwoo」が2026年のパリ・パッケージング・ウィークで、エアロゾル&ディスペンシング・フォーラム(ADF)部門のサステナブル・イノベーション賞を受賞しました。
パリ・パッケージング・ウィークは、毎年フランス・パリで開かれる欧州最大級のパッケージ展示会です。「Yonwoo」が受賞した製品は「イージー・ローテート・エアレス」で、内側容器を容易に取り外せるようにした二重構造のパッケージです。上部ヘッドを回すと内側容器が分離し、詰め替えがしやすくなっています。内外の容器とヘッドをそれぞれ分解・交換する手間を減らし、すべての構造がリサイクル可能な単一素材のプラスチックで製造されています。
商品には、「Yonwoo」が韓国で初めて開発したエアレスポンプ技術も使われています。エアレスポンプは空気を遮断して内容物の酸化を防ぎ、最後の一滴まで使えるように設計されており、使い勝手と品質、環境配慮性を同時に極めた商品です。
韓国のパッケージは進歩しており、世界のパッケージを表彰するWorld Star Packaging Awards 2026でも7点が受賞し、日本の24点と比べると低いものの、その勢いは目覚ましいものがあります。中でもパッケージの製造から流通までを統合したPaaS(Packaging as a Service)はパッケージのトータルサポートシステムとして評価できます。
循環型包装ソリューションPaaS
PaaS(Packaging as a Service)は、コールドチェーンやバイオ医薬品物流に適用される環境に優しい循環型包装ソリューションです。スマートパッケージングとIoT技術を統合することで、製品の位置、温度、湿度、衝撃などの環境情報をリアルタイムで把握し、使い捨て廃棄物を削減することで、差別化された物流サービスを提供します。
その中核ソリューションの1つであるスマートキューブは、98%の空気と2%のポリプロピレン(PP)で作られており、持続可能で軽量な素材です。ライフサイクルアセスメント(LCA)によると、スマートキューブ(標準化された包装、1ユニット×100回使用)のリソースフットプリントは、使い捨てEPSコールドボックス(100ユニット×各1回使用)のわずか約8.4%です。
環境に優しい素材とデジタルプラットフォームを基盤とするPaaSは、再利用可能・リサイクル可能な構造とデータ駆動型の運用を実現します。このモデルを通じて、物流関係者は温度、場所、衝撃といった重要な環境データをリアルタイムで管理し、高付加価値の食品やバイオ医薬品の取り扱いにおける信頼性と透明性を確保します。PaaSは廃棄物の削減、効率性の向上、そして国際的な持続可能性基準への適合で、コールドチェーン物流の環境課題に対処するだけでなく、持続可能な循環型経済への移行を主導します。
PaaS(Packaging as a Service)スマートキューブは、軽量で耐久性があり、リサイクル性に優れています。電子ペーパーディスプレイ技術を採用したスマートキューブは、従来の宅配便の送り状に代わり、物流のデジタルトランスフォーメーションに貢献します。また、物流イベントや温度、湿度、衝撃といった重要な環境条件を記録するデータロガー(記録機能)を搭載し、物流プロセス全体を通じて信頼性と透明性の高いデータにアクセスできます。
スマートポッドX1とX2は、NFC、BLE、LTE通信技術を統合したBLEベースのデータロガーとしてスマートキューブを補完します。迅速かつ簡単なモニタリングを目的として設計されており、ユーザーは内蔵ディスプレイを通じて内部温度、湿度、衝撃などの包装条件を確認できます。この機能により、特に高付加価値の食品やバイオ医薬品などの繊細な物流環境を確実に管理しながら、運用の利便性を高めることが可能です。

Software

Hardware
スマートキューブおよびスマートポッドデバイスとシームレスに接続されたPaaSクラウドは、リアルタイムの監視とデータ駆動型の物流業務を実現し、サプライチェーン全体の効率性と透明性を向上させます。運用リスクが軽減されるだけでなく、物流管理者は正確なデータに基づいて迅速な意思決定を行うことができます。
その結果、材料廃棄物の削減、輸送コストの削減、関係者への透明性の高い運用データの提供を通じて、物流効率を最適化します。使い捨て包装を最小限に抑え、再利用可能でリサイクル可能な構造を導入することで、PaaSはEU包装および包装廃棄物規制(PPWR)や国際的な持続可能性基準などの世界的なトレンドに沿っています。この連携により、グローバル市場における競争力が強化され、世界中でますます厳しくなる環境政策へのコンプライアンスが確保されます。
シルケンエッジ ケアスティック コスメティックパッケージ
その他のWorld Starでは、やはり化粧品関係がノミネートされています。
シルケンエッジ ケアスティック コスメティックパッケージは、スキンケア、メイクアップ、フレグランス、ボディケアなど、幅広い分野で信頼を得ており、携帯性、利便性、そして衛生的な使用感が高く評価されています。
マルチマテリアル構造を100%PCRモノマテリアルPPに置き換えることで、性能と美観を損なうことなく、リサイクル可能で環境に優しい容器を実現しました。
高度なシーリングシステムにより、外部からの汚染や酸化から成分を保護し、正確に1回分ずつ塗布できるため、開封後も鮮度が長持ちします。
また、革新的な昇降機構により、必要な量を最後まで無駄なく使いやすくし、内容物の残留を抑える設計となっています。
韓国の美容ブランドはフランスを上回り、米国の輸入化粧品の首位を占めています。感覚的、臨床的でハイブリッドなパッケージのトレンドにより、スキンケア、ヘアケアなど、K-Beautyの影響力が拡大しているのです。韓国コスメの遊び心のある新しいフォーマットから、科学に基づいた成分のストーリーまで、K-Beautyは瞬く間に世界をリードする存在へと成長しました。日本でもインテージによれば、この3年間で金額ベースで1.7倍、スキンケア分野で2.0倍、ベースメイクで1.3倍、ポイントメイクで1.7倍と成長し、若年層から幅広い層に拡大しています。
K‑Beautyのマーケティングは、トレンド創出力・SNS戦略・インフルエンサー活用、高い商品開発スピードを軸に、世界的に強い影響力を持つのが特徴です。日本市場でも、韓流文化との相乗効果やコンビニへの導入などでブランド認知が急速に広がっています。
米国国際貿易委員会(ITC)によると、米国では2024年にはフランスに代わり、輸入化粧品のトップに躍り出て、韓国の「Laneige」「COSRX」「MEDICUBE」「Beauty of Joseon」といったブランドが確固たる地位を築きつつあります。K-Beautyは単に美意識や処方に影響を与えているだけでなく、イノベーションのタイムラインを加速させ、パッケージのトレンドを増幅させ、ビューティーブランドの商品開発の根本からの見直しを迫っています。
今回のWorld Star受賞のもう一つの化粧品パッケージ「Motion Dial Lip」は、高粘度製剤の包装において長年問題となっていた残圧による吐出ミスの抑制を目指した設計です。さらに単一素材で構成されているため、リサイクルにも適しています。K-Beautyを支えているのが、短いイノベーションサイクルと高機能パッケージです。K-Beautyのクッションコンパクトから始まった革新コスメは、エアレス包装で内容物の酸化・劣化を防ぐなど包装の高機能化を進めると同時に、SNS中心の販促戦略、迅速な商品開発とトレンド力、オムニチャネル戦略などが注目されています。
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