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伝統×ブランディングで競い合う、香港「月餅」の華麗なるパッケージデザイン合戦(後編)

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伝統×ブランディングで競い合う、香港「月餅」の華麗なるパッケージデザイン合戦(前編)

月餅が苦手な人にも喜ばれる、変わり月餅たち

香港で「中秋節」前に贈り合う習慣がある月餅。前回は、高級ホテルやレストランが工夫を凝らして作った、蓮の実餡を使った伝統の月餅やカスタード餡を使ったミニ月餅と、そのパッケージをご紹介しました。

月餅はもともと保存食であるためかなり高カロリー。薄く切った一切れをプーアール茶やウーロン茶などと一緒にいただくと、脂っこさが軽減されて美味しく食べられます。しかし、これが口に合わない人が香港でもかなりいること、大量の月餅をいただくので、普通と違う味が喜ばれることもあり、いろいろなタイプが考案されています。

こちらはインターコンチネンタル・グランフォード香港からの月餅。中にある「ティファニーズバー」という老舗バーが、台湾のウィスキーメーカー「KAVALAN」とのコラボで作った、チョコレートウィスキー月餅という大人の味わいでした。これは月餅が苦手でもお酒好きという男性に喜ばれるアイデアですね。

Photo:なるほど、と感心させられたインターコンチネンタル・グランフォードのウィスキー月餅。

人気広東料理店のMott 32からは、ピエール・エルメとのコラボのチョコレート月餅を以前にいただきました。

Photo:満月を描いた箱も美しいMott 32の月餅。

Photo:お店のロゴである北京ダックが月餅に描かれています。

J.W.マリオットからは、クルミ、黒ゴマなど8種類の味の詰め合わせが届きました。

Photo:J.W.マリオットの2018年月餅のパッケージには、中秋節にまつわる神話がロマンチックに描かれている。

Photo:中身の味のバラエティが光る。

月餅らしさも残しながら、誰にでも食べやすい味に仕上げた美味しさが際立っていたのが、2018年にミラ・ホテルからいただいた月餅。ローゼルという香港でよく見かけるハイビスカスのような花を使った甘酸っぱい味。月餅も花の形にしているのが珍しいのです。

Photo:コーヒーや紅茶ともよく合う甘酸っぱさと、花の形が麗しい月餅はミラ・ホテルから。

ペニンシュラ・グループには、「ザ・ペニンシュラ ブティック」というショップがあり、そちらでもオリジナル月餅を販売しています。こちらは「半島(ペニンシュラの広東語)」のロゴが入っていて、アールグレイやジャスミンティーなど、工夫したフレーバーを毎年使っています。

Photo:空港店もある「ザ・ペニンシュラ ブティック」の月餅。

2019年の月餅は?

2019年の月餅商戦もすでに始まっています。目新しいカジュアル路線では、スターバックスのコーヒー月餅、ハーゲンダッツのアイスクリーム月餅などがすでに定番になっている中、今年はなんとケンタッキーフライドチキンがチキン月餅を発売するそうで、これが大きな話題になっています。争奪戦が勃発するのではないでしょうか。

そして今年の豪華版月餅の中でも、いきなりあっと驚く気合いを入れたデザインを発表してきたのが、上でも紹介している広東料理店ダドルス。先日、広報をしている友人に会う約束をしたところ、「この日はこの後、どこかに行く予定がある? 今年の月餅を渡したいのだけど、とにかく大きくなっちゃって!」と渡された紙バッグ。

Photo:33×33×40cmもあり、確かに巨大!

中秋節と言えば、提灯を飾ったり持って歩いたりするのが風物詩。マカオ出身の有名デザイナーのChong Ip Hongが、ホログラムペーパーに中国伝統の切り絵の技術を組み合わせてLEDライトも組み込んだ提灯をデザイン。実は蓋を開けると、中には月餅が8個入っていました! こちらは限定版だそうで、販売価格は588香港ドル(約10000円)で、8/30~9/13の期間に受け取る予約をウェブサイトで受け付けています。

Photo:繊細に正確に切られたホログラムペーパーの質の高さと、持ち手に皮革を使うこだわりで安っぽさがまったくないLED提灯月餅。

Photo:中身のパッケージは、香港では珍しい、1個ずつに乾燥剤を入れた、日本のお菓子風になっていました。

ダイエットの大敵ではあるものの、毎年、秋が始まるしみじみとした気分と、贅を尽くした華やぎを感じさせてくれる月餅。今年はどんなデザインが届くのか楽しみで仕方ありません。

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