インフルエンサーの心を掴む、リッツカールトン香港「クリスマス・アフタヌーンティー」PRイベント
元英国領ということで、アフタヌーンティーの存在感がとても強い香港。最近、日本のホテルでもデザインの凝ったアフタヌーンティーがブームになっているようですが、ファッションブランドのコラボなどを中心とした、クリエイティブなアフタヌーンティーの発達は、香港が7年以上先を行っているという印象です。
香港のアフタヌーンティー業界をリードするのは、やはり一流ホテル。ペストリーシェフがこだわって作る斬新で美しいデザインは、非常に誌面映えします。
私のように女性誌を中心にしたライターの立場で言うと、本来でしたらどんどん紹介したいものですが、そこで問題になるのが「1ヶ月など短期間のみの限定メニューで、大抵は開催期間直前でないと取材ができないため、掲載まで1ヶ月以上かかる紙媒体では発売時期にはすでに終わってしまっている」ということ。
もちろんPR用のオフィシャル写真とニュースリリースを使って、ニュース的に新アフタヌーンティーが紹介されるケースも多いものの、香港での期間限定アフタヌーンティーのプロモーションの中心は、ウェブメディアと共に、インスタグラムやブログを経由したインフルエンサーを頼りにしたスタイルになっています。
かつてのブームの火付け役でもあり、ここ数年は定番として、1~3ヶ月ほどの期間限定コラボアフタヌーンティーを次々と発表しているのが、リッツカールトン香港。先日お招きいただいた、2019年12月末までのクリスマス向けアフタヌーンティーのプロモーションイベントには、食に強いライターやブロガーが勢揃い。
ホテルの厨房でドイツ伝統菓子作りを体験
香港で一番高いビルICCの最上階部分にあるリッツカールトン香港は、最近ついに一位の座を譲り渡したものの、長い間世界で一番高い場所にあるホテルでした。今回招かれたのは、103階にある「カフェ103」。
リッツカールトン香港総料理長のPeter Findさんはドイツ出身。今回のアフタヌーンティーは、パティシエ世界大会初の女性優勝者であり、自らのテレビ番組やレシピ本、料理教室、ケーキショップなどで幅広く活躍するドイツでのセレブシェフAndrea Schirmaier-Huberさんとのコラボレーションで、ご本人が香港を訪れるタイミングに合わせてのイベントでした。
香港のメディア向けホテルイベントでとても楽しいのが、舞台裏の見学。ホテルのペストリーキッチンに招かれると、隠しようのないスターオーラを発しているアンドレアさんのお菓子教室が始まりました。
この日最初に習ったのは、ドイツのクリスマスに欠かせないという「キプフェル」と呼ばれる三日月型クッキー。計量済みの必要な材料を混ぜ合わせるところから始まり、三日月型の作り方をデモンストレーションしてもらいました。
香港人フードブロガーの友人は、点心作りに慣れているそうで、非常に手際よく三日月を作っていました。作業中の様子はPR担当者が撮影してくれます。
この日、もう一つチャレンジしたのが、アフタヌーンティーにも含まれているメニューであるリンゴのお菓子のデコレーション。
サポート役でキッチン内にいた、リッツカールトン香港総料理長のピーターさんが、国際イベントでアンドレアさんと出会って意気投合し、今回のコラボに至ったきっかけなどを説明。
厨房でのワークショップ終了後は「カフェ103」に移動。試食のみの参加者も含めて、アフタヌーンティーのお披露目となりました。撮影用のセットは、カフェでもっとも眺望がいいビクトリアハーバーを見下ろす窓辺に置かれています。
クリスマスを象徴する飾りとして、香港のホテルでよく使用されるのがくるみ割り人形。香港バレエ団が毎年クリスマスに上演しているため、香港では非常に親しみのあるコンテンツなのです。
アフタヌーンティーの象徴でもある三段トレーに並べられた中でも、アンドレアさんのデザートの質の高さがうかがえるのが、中段。チョコレートのドームは栗のケーキ。オレンジの星が飾られているのは、マンダリンオレンジとシナモンのケーキ。ガラス容器はカシスのヴェリーヌ。いずれも繊細に食材の風味が生き生きと舌に伝わりつつ、食材同士の組み合わせのバランスも完璧でした。
試食とともに合計3時間ほどのイベントは終了。ヨーロッパのシェフが香港に進出したきっかけとして「ホテルのコラボイベントで訪れて香港が気に入った」という言葉を聞くことが大変多いため、もしかすると今回のイベントも何か将来につながるかもしれませんね。
常に新しいアフタヌーンティーが香港中で誕生している中で、見た目の斬新さだけでは強い印象が残せなくなっているとあって、今回のような体験型メディアイベントは、単に試食するだけでは生まれないメニューやホテルへの愛着も深まり、インフルエンサーの投稿の質や熱量が高まります。
ここ半年間の香港での政情不安もあり、ホテルや飲食業界にとっては大変な時期。そんな時だからこそ、ポジティブな気持ちを主催者と参加者が共有できる、有意義なイベントでした。
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