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アメリカで流行中 お洒落でヘルシーなMatcha

アメリカで大流行となっている、日本の抹茶。今や、抹茶の専門店はもちろん、お洒落なカフェでも抹茶を見かけることが多くなっており、定番ドリンクになってきています。抹茶は、英語でもMatchaと呼ばれ、カフェのメニューにもMatchaがあるお店がとても増えています。アメリカのMatchaは、日本の文化のひとつとして認識されているというよりは、どちらかというと、美容と健康にいいお洒落な飲み物として広く知られるようになっています。そのため、日本の抹茶の常識からは想像が出来ないようなメニューや店舗デザインで、お洒落で映える工夫が凝らされているお店が色々あります。

アメリカの抹茶の楽しみ方

アメリカでとても増えているMathcaカフェは、若い女性を中心に人気があり、お洒落な雰囲気のお店が多くなっています。抹茶と言うと、お客さんは日本人やアジア系の人々が多いのではと思ってしまいますが、実際には流行に敏感なあらゆる層の若い女性たちがやって来ています。

Mathcaカフェの店内の様子

一番人気となっているのが、抹茶ラテです。カフェでコーヒーのラテをオーダーする時と同じように、配合されるミルクをオーツミルクやアーモンドミルクなどの植物性のミルクからも選ぶことができます。ミルクを泡立ててフォームにしたり、美容効果があることで知られるローズの花びらをドリンクのトッピングとしてのせたりなど色々工夫がされています。

Matcha専門のカフェになると、抹茶のスイーツも用意されています。日本だと抹茶に合わせるお菓子といったら、練り切りの和菓子が思い浮かびますが、アメリカだと、和菓子が置かれていることはとても稀で、代わりにアメリカらしいスイーツが存在します。アメリカならではのスイーツといえば、そのひとつがブラウニーです。チョコレートのブラウニーはよくありますが、抹茶のブラウニーはとても珍しいです。また、ヘルシーな抹茶を求めてやってくるお客さんに合わせたスイーツということで、ヘルシーな素材で工夫して作られた甘すぎないスイーツになっているのも特徴的です。

抹茶ラテとブラウニーのセット

カフェでは、ドリンクの種類は、抹茶ラテだけでなく、日本人が思いつかないような組み合わせのドリンクメニューをよく見かけます。例えば、レモネードと抹茶、チャイと抹茶の組み合わせや、色味を楽しむ、ピンクとグリーンのコントラストの「ストロベリーと抹茶のドリンク」、鮮やかなブルーとグリーンのコントラストの「Butterfly Pea Flowerと抹茶のドリンク」などあります。抹茶の鮮やかなグリーン色を活かした写真映えするドリンクを、ポップなピンクやグリーンを基調としたカフェなどで、おしゃれに楽しめるお店も人気になっています。

照明が明るい店内

日本の上質な抹茶にこだわり、抹茶にお湯を注いで立ててもらえるお店もありますが、純粋な日本流にこだわらず、アメリカで人気のラテメニューを充実させ、お店の雰囲気もお洒落なカフェ風にするなど工夫された、日本とアメリカを上手く融合させたお店も人気店になっています。お茶に添えるスイーツとして、抹茶クッキーもカフェでよく見かける人気のスイーツです。

抹茶ラテと抹茶クッキー

多様な抹茶の商品

アメリカでは抹茶を扱うお店といったら、以前は日本茶の専門店や日系スーパーなどの選択肢しかなく手に入れるのが大変でしたが、現在ではすっかり抹茶の知名度が上がり、ホールフーズやトレーダージョーズなどのスーパーマーケットでも購入できるようになっています。

アメリカで流行しているMatchaは、日本の商品がそのまま販売されているわけではありません。ヘルシー志向のアメリカのMatcha好きの層に合わせて作られた商品が特に人気になっています。購入者層は健康や美容に対して意識が高く、オーガニックの商品を好む人が多くなっています。そのため、日本と比較して顕著なのが、オーガニックであること、ヘルシーであることを強調した抹茶の商品が多いことです。

抹茶商品のラインナップ

オーガニック抹茶

カフェなどで抹茶のドリンクを飲む機会が増えてくると、家でも飲みたいという人も増えてきます。最近では、アメリカのスーパーマーケットのお茶売り場に、抹茶缶が普通に並ぶようになってきており、粉末の抹茶缶を購入する人々も増えてきています。抹茶の生産地は、ほぼ全てが日本からの抹茶ですが、ブランドとパッケージはアメリカのものが多いです。日本製の抹茶は、日本で昔からあるような地味目なパッケージが多く、オーガニック表示がない商品が多いです。一方、アメリカのブランドは、アメリカの消費者の趣向に合わせた、オーガニックの商品が圧倒的に多く、白や明るい緑色を基調とした、フレッシュでヘルシーなイメージが伝わってくるお洒落なパッケージであることが多いです。

抹茶や抹茶ラテはもちろん、ジンジャーやターメリックなどその他の好みの健康食材と組み合わせて、ヘルシーな栄養ドリンクとして愛用する人も増えています。

抹茶缶

Matchaドリンクとアイスクリーム

アメリカでは、Matchaラテがヘルシーな飲み物として人気があり、スーパーマーケットでも色々な商品が登場しています。Matchaラテは、カフェラテ同様、ラテのミルクに対しても体に優しいものが好まれ、普通の牛乳は使用されず、様々な植物性ミルクなどと組み合わせて作られています。

マカダミアナッツから生成された「マカダミアミルクとオーガニック抹茶のドリンク」や、「ココナッツミルクとオーガニック抹茶のドリンク」、「アーモンドミルクとオーガニック抹茶のドリンク」など、種類豊富に商品があります。

どの商品も綺麗なグリーンの抹茶色のデザインで、上質な缶やペットボトルが使用され、シンプルだけれどもお洒落なデザインのパッケージになっています。

抹茶ラテ缶のデザイン。緑の色味が違う

抹茶の加工品で、ドリンクやお菓子の次によく見かけるのがアイスクリームです。シンプルな抹茶のアイスクリームや、抹茶のモチアイスなどの他に、日本ではあまり見かけることがない抹茶の面白い組み合わせのアイスクリームも登場しています。抹茶にチョコレートチップというような意外な組み合わせが面白いアメリカならではのアイスクリームです。

Alec’s Ice Cream というアイスクリームブランドは、土壌の改善など環境再生を大きな目的に掲げるリジェネラティブ農業(Regenerative Farming) で知られるカリフォルニア州発のブランドです。手掛けるアイスクリームは全てオーガニックの原材料とA2ミルクのこだわりを持って作られています。A2ミルクは、植物性ではありませんが、牛乳に含まれるβカゼインの2種類のタンパク質A1、A2のうち、A2のみで構成される牛乳で、アレルギーや体質により従来の牛乳が苦手という人でも飲みやすく、より体に優しい牛乳として知られており、近年世界的に需要が伸びています。そんな環境や健康への配慮で知られるアイスクリームブランドのラインアップの一つが、まさにターゲット層にマッチしたヘルシーな抹茶を使用したアイスクリームです。

 

ピンクの容器に入った抹茶アイス

アメリカでは、抹茶カフェが増え、ホールフーズやトレーダージョーズなど一般のスーパーマーケットで抹茶系の商品が色々並ぶようになり、すっかり抹茶が広く知られる存在となっています。その背景にあるのは、抗酸化作用をはじめとした抹茶の健康や美容への効能がヘルシー志向の人々の間で広く知られるようになったことにあります。美しい緑色という見た目に映える要素もお洒落なイメージを高め、特に若い女性を中心に人気になっています。

アメリカでは、日本の伝統的な抹茶のスタイルとは異なった面白い進化を遂げていますが、今後も常識にとらわれない抹茶の新商品やメニュー、抹茶カフェなど新スタイルのアメリカ抹茶文化が進んで行きそうです。

 

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