食品パッケージに「A~E」の評価マーク!?
ドイツのスーパーで買い物をしていると、食品パッケージに「A~E」の評価マークが付いているのをよく見かけます。調べてみると、これは食品の栄養バランスを評価する「Nutri-Score(ニュートリスコア)」という制度でした。
今回は、ドイツでよく見かけるNutri-Scoreについて、実際のスーパーの様子やドイツ人のリアルな声とあわせて紹介していきます。
Nutri-Scoreとは?

Nutri-Score(ニュートリスコア)は、食品の栄養バランスをA~Eの5段階で表示する制度です。緑色の「A」がよりバランスが良い評価、赤色の「E」が糖分や脂質、塩分などが多めの商品というイメージで、色と文字で直感的にわかるようになっています。もともとはフランスで導入された制度ですが、現在ではドイツをはじめ、ヨーロッパのさまざまな国で広がっています。
日本でも食品の栄養成分表示はありますが、細かい数字を見比べるのは少し大変ですよね。その点、Nutri-Scoreはパッケージの表面を見るだけで、商品の特徴をざっくり比較できるのが大きな特徴です。
なぜNutri-Scoreが導入されたの?
Nutri-Scoreが導入された背景には、「消費者が食品をもっと選びやすくする」という目的があります。特に、肥満や生活習慣病への関心が高まる中で、「誰でもひと目で比較できること」が重視されるようになったと言われています。食品メーカー側にも、より良い評価を目指して商品改良を促す狙いがあるそうです。
実際にドイツのスーパーを見ていると、パッケージの前面に大きくNutri-Scoreを表示している商品も多く、"わかりやすく伝えること"を大切にしているのが伝わってきます。
でも、なぜ表示がない商品もあるの?
商品を見ていると、Nutri-Scoreが付いている商品もあれば、表示がない商品もあります。実は、Nutri-Scoreは現在のところ義務ではなく、企業が任意で表示している制度です。そのため、メーカーやブランドによって導入状況が異なり、積極的に表示している企業もあれば、まだ採用していない企業もあります。
特にプライベートブランド(PB)商品では表示をよく見かける一方で、ブランドによってはまったく付いていないこともありました。また、商品によっては評価があまり高くならない可能性もあるため、企業側の考え方やブランド戦略も関係していそうです。
実際にスーパーで見て感じたこと

特に印象的だったのが、お肉コーナーのNutri-Score。BIO表示とNutri-Scoreは必ずしも一致しないという点です。例えば、スーパーで見かけた牛ひき肉では、BIO商品のNutri-Scoreが「C」だった一方、BIOではない脂肪分控えめタイプの商品は「A」評価になっていました。

また、BIOのソーセージには「D」の表示も。オーガニック=必ず健康スコアが高い、というわけではなく、それぞれ見ている指標が違うことがわかります。
BIOは飼育方法や原材料、環境配慮などを重視した基準ですが、Nutri-Scoreは糖分・脂質・塩分など、栄養バランスをもとに評価されています。そのため、加工肉のように脂質や塩分が多くなりやすい食品は、BIOでもスコアが低めになることがあります。

パンコーナーでもNutri-Scoreの違いが見えて面白く感じました。全粒穀物系の「Vollkorn(全粒粉パン)」はA評価。種や穀物が多く入っていて、見た目からも"健康的"な印象があります。一方で、小麦を中心にしたやわらかい「Weizenmischbrot(小麦ミックスパン)」はC評価でした。色も白っぽく、食べやすさ重視の一般的なパンという印象です。

そして、その中間のような存在だったのが「Mehrkorn(マルチグレインパン)」で、こちらはB評価。複数の穀物や種が入っているものの、全粒粉100%ほどではないためか、評価も中間になっていました。Nutri-Scoreは"パンの色"だけではなく、穀物の種類や栄養バランスも反映していることがわかります。
また面白かったのは、パッケージデザインも評価とかなり一致していたこと。AやB評価の商品は緑色を基調に、自然・穀物感を強調したデザインが多く、"健康そう"という印象を視覚的にも伝えていました。

そして、スパイス類やお菓子コーナーでは、E評価の商品をかなり多く見かけました。特に印象的だったのは、BIOのスパイスミックスでもNutri-Scoreが「E」だったことです。緑色を基調にしたナチュラルなパッケージですが、Nutri-Scoreは"健康的なイメージ"ではなく、栄養成分をもとに評価していることがわかります。さらに、ワッフル系のお菓子もE評価でした。やはり砂糖や脂質が多い商品は、Nutri-Scoreでは低めの評価になりやすいようです。

最後に、とても分かりやすかったのがミルクです。同じ牛乳でも、脂肪分1.5%の低脂肪タイプは「B」評価だった一方、脂肪分3.8%以上の全脂肪タイプは「C」評価になっていました。パッケージデザインもかなり似ているため、違いはほとんど"脂肪分"だけ。Nutri-Scoreが脂質量をしっかり評価に反映していることが、特にわかりやすい例だと感じました。
スーパーを見ていると、Nutri-Scoreは"なんとなく健康そう"という印象ではなく、栄養バランスをかなりシビアに評価していることが伝わってきました。
ドイツ人はNutri-Scoreをどう見ている?

実際にドイツ人に話を聞いてみると、Nutri-Scoreは多くの買い物でチェックしているとのことでした。
「同じような商品なら、A評価の方を選びやすいですね。どれくらいヘルシーなのかを簡単に判断するには便利だと思います。」
一方で、お菓子については少し考え方が違うそうです。
「お菓子はE評価でも気にしません。そもそもヘルシーな食品だと思っていないので(笑)。」
また、意外だったのはBIO表示との関係です。
「Nutri-ScoreよりもBIOの方を信頼しています。もしNutri-Scoreが低くてもBIOの商品と、Nutri-Scoreが高くてもBIOではない商品のどちらかを選ぶなら、私はBIOの商品を選びます。」
その理由について尋ねると、「Nutri-ScoreとBIOはまったく別の指標です。Nutri-Scoreは栄養バランスをわかりやすく示してくれますが、BIOは生産方法や原材料に関する基準です。健康意識が高い人ほど、Nutri-ScoreだけでなくBIO表示も見ていると思います。」とのことでした。
Nutri-Scoreの良い点として挙げていたのは、「誰にでもわかりやすく、商品を比較しやすいこと」。一方で、「A評価だからといって、本当に健康的とは限らない」とも感じているそうです。実際にスーパーを見ていても感じましたが、Nutri-Scoreは"健康を簡単に判断するための目安"として使われている一方で、それだけで商品の価値が決まるわけではないようです。
まとめ
ドイツのスーパーでよく見かけるNutri-Scoreは、食品の栄養バランスをひと目で比較できる、とてもわかりやすい制度でした。実際に売り場を見てみると、同じカテゴリーの商品でも評価に差があり、加工度や脂質、糖分などがスコアに反映されていることがわかります。
また、ドイツ人へのインタビューからも、Nutri-Scoreは商品選びのひとつの基準として活用されていることが伝わってきました。一方で、Nutri-Scoreだけで判断するのではなく、BIO表示などもあわせて確認しながら商品を選んでいる人もいるようです。
健康や環境への関心が高いヨーロッパでは、こうした複数の情報を参考にしながら商品を選ぶ考え方が根付いており、Nutri-Scoreもその一つとして活用されているようです。
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