こんにちはpackagecollection(以後パケコレ)です。(パケコレのプロフィールページはこちら。)
今回のテーマは「ヨーグルト」!
今回も前回に引き続きヨーグルトパッケージ特集!
▼前編はこちらから
こんなにも違うのか?徹底比較!ヨーグルトのパッケージデザイン(前編)【連載第8回】
さて、後編は「ギリシャヨーグルト編」です!世間のトレーニングブームも背景に、低脂質・高たんぱく質の「ギリシャヨーグルト」の需要が高くなりつつあり、日々売場で進化を遂げ、なんだかめちゃくちゃかっこよくなってる・・・!というパッケージを見かけるようになりました。そんなギリシャヨーグルトの変貌に関して、昔の商品の写真が残っていたので現在との比較をしながら、楽しく取り上げてみたいと思います!
ダノン OIKOS(オイコス)
最近売場の中で一番チェンジをしたのではないかと言える、ダノン「オイコス」。元々は「海外の定番ヨーグルトが日本に上陸しました」のテンションでパッケージを作っていたのですが、ここ最近、思いっきり「ボディメイク」している人に向けたシフトをしてきました。その証拠に「プロティン9.7g」のワードを強調し、パッケージ全体の色も白から黒へと真逆にして「強さ」をアピールしています。
実は黒のキーカラーの使い方ってすごく難しいのです。黒は「強さ」を表現することができるため、かなりブランドのポジションが醸成された商品か、カテゴリーのチャレンジャーが参入するタイミングで使うことが多いと聞いたことがあります。このタイミングで黒の使い方を間違えてしまうとハズす・・・と色彩心理学の巨匠は言っていたのですが、オイコスではある程度のブランド醸成がされた中で、尚且つホワイトカラーが目立つ「ヨーグルト」市場でのブランドスイッチ、尚且つ「ヘルスケア・スポーツサプリメント」の牙城参入と、なかなかうまくいっているのではないでしょうか。
変に紺色とかメタリックとか使わなかったのも、良かったのかなと思います。それでは、どのくらいブランドスイッチを行ったのか、過去の「オイコス」パッケージと比較してみましょう!
くまのプーさんとのコラボレーションしていた記録が残っていたのですが、白基調に可愛らしいキーカラーで構成されていますね。女性が好きそうなデザインになってます。
こちらはバレンタイン限定フレーバー。ラブリーで可愛らしいですね。
ロゴ自体は変化させず、レイアウトを下から上へ。その際PROTEIN 9.7gを追加しています。また、フレーバーのグラフィックも昔は上に配置していたものを、今は下に配置しています。現在の配置のほうが、フタを剥がす時のプル部分と相まってうまくデザインされているように感じますね。
実は微妙にマイナーチェンジを繰り返していたオイコスですが、今回はより大きくシフトしたなぁと感動してしまいました。
明治 THE GREEK YOGURT
個人的にはヘルシーなデザインに水彩チックで可愛いなーと好んでいたのですが、実はこのグリークヨーグルトもマイナーチェンジを繰り返しています。こちらも本当に微々たる違いで面白いので、比較してみましょう。
<before>
<after>
分かりますか?なぜかスプーンの写真が追加されたんです!!!更に、合わせて放射状に配置されている水彩タッチのデザインも、僅かに配置が変わっています。上蓋のデザインを思い切って変えてきましたね。
森永 濃密ギリシャヨーグルト パルテノ
パルテノは以前パケコレでも取り上げたのですが、「大衆受け」するデザインだと思っています。幅広い年齢層に受け入れられる気がするんですよね。
デザイン要素としても、「明朝体」「キービジュアルの使い方」からでしょうか。他のヨーグルトのパッケージには見られない、珍しい色遣いのデザインになってます。いかにも「ギリシャってこんな感じのトコかしら?」みたいなビジュアルで構成されているのも面白いですよね。
CHOBANI(チョバーニ)
最後は、ニューヨークに行った時に見つけたギリシャヨーグルトのパッケージ!
いかにも「乳製品!」という白基調に、シンプルにレトロなサンセリフ書体とフレーバーのデザイン。オイコスのパッケージの形状とも酷似していますね。オイコスからは「海外からやってきたヨーグルト」という雰囲気を感じられたのですが、ちょっとこのパッケージに通ずるところがあるなと思いました。
パッケージを比較してみよう!
それでは、それぞれのパッケージで最終比較をやってみましょう!
カッチリと黒基調に、白のロゴで強さが協調されているデザイン。最近追加されたPROTEIN9.7gがやっぱり健康志向・スポーツ需要の獲得を狙っている。
ゴシック体(丸みがあるかわいらしいタイプ)とサンセリフ体を使用し、カッチリとしすぎないヘルシーなデザイン。水彩タッチを使用しているため、どちらかというと女性的な印象。キービジュアルはスプーンでヨーグルトをすくっているイメージ。
パルテノは明朝体で構成され、英字を使っていないのが特徴。明朝体は使い方間違えるとちょいダサにもつながるのですが、「親しみ」を持たせるには重要な要素となってきます。
パルテノに関してはこの「ギリシャヨーグルト」カテゴリーでのスタートモデル(一番最初に人気に火がついた記憶がある)商品のため、まずは消費者に「ギリシャヨーグルトってなんぞ?」「パルテノってなんぞ??」というところから、親しみを持たせてアプローチしたんだろうと考察できます。
まとめ
日本におけるギリシャヨーグルトの市場は比較的新しいもので、尚且つコンビニで棚が増えつつある市場となっています。日々食することができるものなので、「日常化」する風景の一つとしてこのパッケージは扱われています。
そんな中でも日々マイナーチェンジを繰り返し、需要に対して少しずつ少しずつマッチさせている涙ぐましい努力は、もう少し認知されても良いのではないかと感じます。オイコスに関しては、今回のデザインシフトがこれからどのように認知や販売に影響していくのかが気になりますね。
私のまわりで「ヨーグルトにはまってる!」という人がいたので詳しく聞いてみたところ、「ヨーグルトは元々好きだけど、オイコスなんかは最近とくに身体に良さそうだから気になっている」といった声を聞けました。意外にもPROTEIN9.7gのインパクトは少なからずあるようで、興味を引いているようでした。
私たちは日常的にそういった情報に触れ、気づかないうちに影響を受け、購入する・しない、好き・興味ないの選択を繰り返しているのです。とても影響を受けているにもかかわらず、思い出そうとしても詳細が思い出せない———それが日常に溶け込んだデザインなのです。
さて、前回に引きヨーグルト特集でしたが、いかがでしたか?同じカテゴリなのに、サイズ・ターゲット・役割が微妙に違うだけで表現が変わってくるのが面白いですよね。改めて奥深いカテゴリだなぁと、私もヨーグルトに想い入れができてしまいました。今後も時折取り上げたいと思います。
以上、パケコレでした。
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