ビジネスパーソンが読むメディア。マーケティング、セールスプロモーション、パッケージの企画・開発に役立つアイデアと最新の情報を、世界中から配信。

「冷やして楽しむ」お菓子のパッケージ比較!消費者に伝えたいポイントを、どのようにアピールする?【連載第13回】

 

画像:packagecollection

こんにちはpackagecollection(以後パケコレ)です。(パケコレのプロフィールページはこちら。)

今回のテーマは「冷やして楽しむお菓子」!

今回は、筆者が前から気になっていた「冷やして楽しむ」商品のパッケージ特集です!+αの機能を商品に加えはじめたメーカーさんは、どういった訴求をパッケージで表現しているのでしょうか。

1:冷やし カントリーマアム

Photo:不二家 冷やしカントリーマアム「珈琲フロート」

Photo:不二家 冷やしカントリーマアム「白くま」

一見普通のカントリーマアムなので見落としてしまいそうですが、しっかり「冷やし」と入っております!氷のモチーフを使っていることで、ふつうのカントリーマアムと差別化を図っていますね。

このようなクッキー商品は「焼きたての鮮度」「サクサク・ほろほろ感」みたいなところがとても重要だと思うのですが、思いきって氷の表現を入れるなどで、方向性に変化を持たせています。

2. 不二家 LOOK2 ひんやり塩アイス 食べくらべ

Photo:不二家 LOOK2 ひんやり塩アイス 食べくらべ

こちらも冷やすタイプの商品!チョコレートは冷蔵庫に入れても、違和感なく味を楽しめるのがいいですね!「冷やしても凍らせてもおいしい」という表記で、アレンジを選択できることが分かります。また、パッケージにホログラムフィルムを使用することで清涼感を演出しています。

「ひんやり塩アイス」という表現は、商品そのものがひんやりしていると思わせてしまう可能性もありますね。

3. LOTTE チョコパイ

Photo:LOTTE チョコパイ

Photo:LOTTE チョコパイ

コンビニで2つ並んで売られていることが多いので目に留まりやすいのですが、この2つ、よく見ると訴求内容が全然違うのです!どちらも「冷やす」ことを推奨しているのですが、「冷チョコパイでも楽しもう!」と「-8°以下がおいしい(冷やすとおいしいよ)」という表現を使用しています。

「冷チョコパイ」は、なんとなく今までの文脈だとわかると思うのですが、いきなり店頭で言われると「?」となってしまうかもしれませんね。また、「-8°以下がおいしい」は遠まわしな表現なので伝わらないかも・・・と思ってしまいました。

4.LOTTE CRUNKY ×爽

Photo:LOTTE CRUNKY ×爽

こちらのパッケージはアイスクリームの「爽」とコラボレーションしたチョコレート。アイスクリームとのコラボなだけあって「冷やしてもおいしい!」と、分かりやすく端的に書かれています。むしろ、そこにしか冷やす訴求をしていないので、「冷やすとどうなるのだろう?」と消費者の疑問は尽きないかもしれませんね。

アレンジ商品は消費者に対して付加価値をつけられる分、しっかりと補足をしておく必要があるのかなと筆者は思いました。

5. ユーラク ブラックサンダー プリティスタイル チョコミント

Photo:ユーラク ブラックサンダー プリティスタイル チョコミント

こちらは以前チョコミント特集で紹介したブラックサンダーのパッケージ。実は「冷やしてもおいしい!」という表記のある商品でした。

「冷やしてもおいしい!」という表現は分かりやすくて素晴らしいですね。「へー」と思って冷蔵庫の中に入れてしまうかもしれないです。

まとめ

それでは、統括として傾向を見ていきましょう!

パッケージの特性としてこれといった傾向はないですが、ブラックサンダー以外はどれも左上に「冷やす」訴求コピーを配置している傾向がありますね!人の目線の動きを考慮したコピーの配置にしているようです。

さて、今回重要となってくるのは、「冷やす」という情報を瞬時に理解させられるか、ということ。面白いと思って手に取ってもらえるかがカギだと思うのですが、なかなか伝わっている現状は少ないかも!?と思ってしまいました。コピーをひねったりすると、より分かりづらくなってしまうのかもしれませんね。

こういった「冷やす=ひと手間のアレンジ」標品は、より明確に「冷やしておいしい!」などのワードなどを使用していかないと、商品特性によっては伝わりにくいように感じました。パッケージの裏などにしっかりと補足をしておく必要がありますね。

以前特集した「高機能チョコレート」や「inゼリー」でも同じことが言えますが、付加価値としてつけた機能や特性を、パッケージに落とし込んだ際に伝わるのか、伝えるにはどうしたら最適なのか?これらは商品よりけりですが、今回の「冷やす商品」を通じて「端的・明確」なコピーワークが重要ということが分かりました。

「最近のパッケージはPOPの要素が強まっている」と言われつつありますが、たしかにそうかもしれないですね。むしろそこからしっかりとアイデアをもらい、パッケージに活かしていくノウハウが今後は必要になってくると、筆者は思いました。

パッケージとPOPって、ともすれば相反するデザイン性なので一人のデザイナーさんではどうしても落とし込むことが難しい現状もあるのではないかとお察しするのですが・・・。パッケージの今後を見守る筆者としては、今はそのあたりをマルチにできる能力が求められているのだろうなぁと感じております。

以上、パケコレでした。

▼パケトラおすすめの関連記事

進化が止まらない!「高機能チョコレート」のパッケージ(前編)【連載第3回】

ロングセラー商品「inゼリー」新デザインへの挑戦と、リブランドのあゆみ【連載第6回】

このライターの記事

Top