北欧では、平たく乾燥した乾パンが昔から愛されています。薄いこのパンなくして、北欧の食卓を語ることはできないと言ってもいいほど、食文化を伝統的に支えてきました。ノルウェー語辞典によると、このようなパンの製造が始まったのは1900年代から。小麦粉と一緒にオート麦、大麦、ライムギ、じゃがいもなどを混ぜて作ります。
今回は、フィンランド、スウェーデン、ノルウェーのスーパーで見つけた乾パンを見てみましょう。
北欧のスーパーで売られている乾パン
平たく、乾燥しており、値段もお手頃。なにより長期間の保存が可能なことから、家庭のキッチンの棚には、ほぼ必ずといっていいほど常備されているものです。
パンというと私たちは柔らかいものを想像しますが、今回紹介する乾パンは、薄くて固め。
ノルウェーに住んでいる私が絶対に紹介したかったのが、「おばあちゃんのパン」と呼ばれているこちら。ずっと変わらないデザインで、誰もが懐かしい思い出を持っているシリーズ。私は、オスロ大学の大学寮に住んでいた頃、ノルウェー人の学生がこれを食べていたことを思い出します。
他の乾パンと違ってもろいので、同じような形に割るのは不可能。個性的なパンができます。
先ほど紹介したノルウェーのおばあちゃんパンの商品は薄すぎて壊れやすいのですが、それ以外の商品は硬いパンなので、スーツケースに入れてお土産として持ち帰ることも可能です。
定番のものを何度も繰り返し買う人が多いかもしれません。その分、パッケージの「調理例」の写真が大事。時間がかかりそうなトッピングよりも、とてもシンプルなものが多め。これがいつもの飾らない食卓なのでしょう。
「避難食」ではなく「保存食」という考え方
北欧では、地震はまず起きないと言われているので「避難食」という考え方はあまりないのですが、日本であれば長期保存が可能な避難食としても活用できそうです。
家庭の食卓だけではなく、パーティーなど様々なシーンで出てきます。トッピングも自由なので、料理好きな方はアレンジを幅広く楽しむことができるのではないでしょうか。また、雑穀が豊富に含まれているものが多いので、栄養も満点!バターなどをつけたり、スープに浸したり、お弁当にすることもできるので、自分流アレンジが楽しめそうな食品です。
北欧の乾パンには、たくさんの可能性があるでしょう。
Photo&Text: Asaki Abumi
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